【エビ食べ行こう】shrimpと prawnはどっちもエビじゃないの?|【ガリレオ流】違いのわかる英語の授業
先日、レッスン中に prawn /prɔːn/「エビ🦐」(※発音は「pRオーンヌ」である。「プラウン」ってカタカナ表記をするんじゃねぇ!)という単語を紹介したところ、生徒から「エビって shrimpじゃないんですか?」という質問を受けました。
prawn > shrimp
ガリレオが体感的に抱いていた両者のイメージとしては:
…という大きさに基づく違いでした。
イギリス英語🇬🇧 vs. アメリカ英語🇺🇸
ただ、やはり教えるからには正確を期することが大切なので、その場で OALDを確認してみると:
と、イギリス英語/アメリカ英語の違いが強調されており、「なるほど、だから留学中に、スーパーやレストランで “prawn”を見かけることが多かったのか」と納得。
語源
ただ、「大きさによる違い」という感覚も的を射たものであり、shrimpは shrinkと同語源で「縮んだもの」を原義とする説があるとのこと(参考:『ジーニアス英和大辞典』)。
エビ🦐の姿を想像してもらうとイメージが掴みやすいでしょう。よって、特にイギリス英語においては、shrimpの方がエビの中でも小型のものを指すようです。
※ちなみに prawnの語源は不詳らしい…
音象徴も考えてみる
YouTubeや書籍などでもご活躍されている、川原繁人先生が研究されているPokémonasticsでは、ポケモンの名前に「濁音が多い・名前が長い」ほど、「強い・大きい・重い・より進化している」といった特徴と結びつく可能性が高いことが示されています。
これを踏まえて、小エビを表す shrimp /ʃrɪmp/の発音を考えてみると、口の開きが狭い母音である /ɪ/が現れており、対する中形のエビ prawn /prɔːn/では、特にイギリス発音ではいわゆる mid-vowelという中程度の口の開きで発音される /ɔː/が用いられていることは興味深い。
さらに、より大型なエビ🦞である lobster /ˈlɒb.stə(r)/は2音節語と長くなり、強勢の置かれる母音 /ɒ/は口の開きも広い。
この相関関係を短絡的に「必然」と結論づけることはできないにせよ、実際にその単語を発音する際の口の中の様子と、その単語によって想起される対象物のイメージの関係性を考えていくと、実に面白いことばの世界が見えてくるかもしれない。
マジで、prawnは /prɔːn/と発音しないと。ローマ字に引っ張られて間違っている場合じゃないです。
参考文献
※ガリレオ研究室は、Amazonのアソシエイトとして適格販売により収入を得ています。
オンライン英語スクール「ガリレオ研究室」
今までずっと答えが得られなかった英語の疑問が解決します!
あなたの学習目標に合わせた完全オーダーメイドレッスンで、本来であれば世界トップレベル大学院の言語学専門課程ではじめて学べるような学術的な知見・知恵を基盤として、英語の発音・文法・4技能(Reading / Listening / Writing / Speaking)の能力を伸ばしていきます。
お問い合わせ・初回体験レッスン申し込みは上のリンクからお願いします。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?