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分詞の前置/後置修飾|「恒常的 vs. 一時的」・「指定 vs. 説明」が意味するものとは?

質問(前半)

こんにちは😄
すみません、『TOEIC公式問題集6』 Part 3の英文について2つお聞きしたく、ご連絡させていただきました。

A helmet with a screen attached that~の箇所なのですが、付帯状況のwith (OがCする状態で)と言う認識で良いでしょうか。

最初は、スクリーンが付属しているヘルメットならなぜ attached screenではないのかな?と疑問に感じました😶
以前も名詞の後から修飾する分詞(a week leftの解釈)についてご質問させていただきましたが、⬇️
====================
This is to inform you that you only have a week left to submit all required documents for the renewal of your store lease at our mall.
これは、当店のモールにて店舗のリースを更新するすべての必要書類の提出まで1週間しか残されていないことをお知らせするためのものです。
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分詞が名詞を1語で後から修飾する場合は一時的な状況と言うことになりますので、この場合の解釈はずっとスクリーンがヘルメットにくっついているわけではなく、管理者がそれを引き下ろせる(取り外しができる)のでくっついているのは一時的な状況と言うことでscreenの後から修飾していると考えられますでしょうか。もし取り外しができない場合は、attached screenとなるのでしょうか、ご教示いただけますと幸いです💦

ガリレオ流・回答

① with付帯状況
→その分析で正しいです。

a helmet = 主要部名詞
with a screen attached = 付帯状況
that managers can pull # down / to access... = 関係節
(先行詞の戻り場所は#で示した部分)

②分詞修飾の位置
「取り外し可能か?」という問題ではありません。下の動画でも前置/後置修飾の違いを解説していますが、「恒常的/一時的」という区別は、そういう意味ではないのです。

大西泰斗先生は前置修飾を「指定」・後置修飾を「説明」と表現しており(参考: 『総合英語 FACTBOOK』)そちらで捉え直しても良いかもしれません。

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前置:
(1) Look at [the <cute> cat] over there.
→ cuteは「どんなネコなのか?」を指定

(2) It’s dangerous to carelessly open [an <attached> file] from an unknown sender.
→ attachedは「どんなファイルなのか?」を指定

つまり、cats/filesの集合の中から対象を絞り込むために cuteや attachedといった特徴に言及しているのであり、ゆえにその特徴というのは後続の名詞の表す対象に本質的に備わっている(=恒常的)と考えられる可能性が高い、ということです。

後置:
(3) There were [thirty people <present>].
→ presentは (thirty) peopleについて説明を加える

(4) [The things <stolen>] were not so valuable.
→ stolenは thingsについて説明を加える

こちらは名詞が表す対象を(他と区別して)絞り込む必要がなく、後ろに置かれた形容詞/分詞は、その対象が文脈内の状況下で(=一時的)どのような状態であったのか説明を加える役割を果たしています。

話者の意識がポイント

状況としては同じことでも、話者がどのように表現したいかによって 2通りの表現可能性が生じる場合もあります。

(5)
a. send an e-mail with {a picture file <attached>}.
→ with付帯状況:「画像ファイルが添付された」という【状況】付きでメールを送る
attachedは「a picture fileが『添付されていますよ』」と説明

b. send an e-mail with [an <attached> picture file].
→ with + 名詞句:添付画像ファイル付きでメールを送る
attachedは「どんな picture fileなのか」を指定

質問(後半)

また、I could talk to the helmet’s makersの箇所について、基本的で細かいことなのですが質問させていただけますでしょうか。

私がこの英文全体を読んで、ある1社がこのテクノロジーを開発したのを見て、その会社に連絡するのだと思ったので、なぜthe helmet’s makersと複数形になるのだろう?と感じました。
冒頭のI saw some new technologyですが、technologyは可算名詞、不可算名詞両方の使い方がありますが、この場合は普通にsomeをいくつかの、と解釈し、役立てそうなテクノロジーをいくつか見て、ヘルメット会社何社かに連絡をすると言う解釈で良いのでしょうか?😅

some +可算名詞で「ある」と言う意味があったり、「たいした」と言う意味もあったりするので、「ある新しいテクノロジーを見た」という解釈の方がすっきりすると感じましたが、うーんといった感じで悩んでおります。細かい事で恐縮ですが、アドバイスをいただけますと幸いです💧宜しくお願い致します。

someの意味と用法の見分け方:後続する名詞の性質がポイント!

問題集の解答では、無責任に「そのヘルメット製造業者に〜」と訳されていますが、the helmet’s makersが複数形になる理由は問題の対話からでは不明です。

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