ロケットの構造と製作~打ち上げまでの流れを知ろう
こんにちは、星空案内人のまいの(mai-no)です。
今回からはロケットがつくられ、宇宙空間に荷物が届けられるまでの流れをご紹介します。民間企業でもロケット開発・打ち上げが行われていますが、今回は主にJAXA(国の宇宙機関)が運用・開発しているロケットを例にご紹介します。
ロケット製作は協力して行う
JAXAのロケットは「JAXAが全て製作し、打ち上げまで行っている」と思われがちなのですが、実は開発・運用に関わるのはJAXAだけではありません。
液体燃料ロケットは主に「三菱重工」、固体燃料ロケットは主に「IHIエアロスペース」がロケット本体の製作を手掛けています。その他ネジやパイプ、ゴム、センサー、バネ、断熱材や遮音材…細かい部品に特化しているたくさんの企業の手を借りながら、協力してロケットをつくり上げています。
➀工場でパーツを製作
ロケットは、エンジン・第一段、第二段、フェアリング…パーツ毎に製作されます。
ロケットに乗せる荷物(宇宙船、搭乗員、探査機等)のことを「ペイロード(Payload)」といい、重力や寒暖差・あらゆる衝撃にも耐久性があるもの、高寿命のバッテリー、軽量化…。厳しい審査を通過したものだけ、ロケットに乗せることができます。
出来上がり次第、これらのパーツを巨大な船で鹿児島県まで運搬し、更に港から射場(打ち上げ施設)まで大型トレーラーで深夜に運ばれます。
ロケットに合う設備で打ち上げを行うため、液体ロケットは「種子島宇宙センター」、固体ロケットは肝付町にある「内之浦宇宙観測所」にそれぞれ運ばれ、打ち上げられます。
②組み立てる
運ばれたロケットは「組立棟」(内之浦の場合は「整備塔」)に運ばれ、徐々に組み立てられます。
ペイロードも出来上がり次第射場に運ばれ、点検後「フェアリング」が被され、最終的に組立棟でロケット本体に取り付けられます。
③射点へ移動
組立棟から発射点に移動し、燃料充填や打ち上げ前の最終点検が行われます。
アレってなんだろう?!
打ち上げ中継を見ていると、ロケットにケーブルが繋がっているし、なんだか変な鉄塔あるし…色々気になるロケット周りの環境。少しわかるだけでも打ち上げを見ることが楽しくなりますよ。
次回はいよいよ打ち上げから宇宙空間へ荷物がお届けされるまでの流れをご紹介します。お楽しみに!
文:まいの(mai-no)星空案内人千葉県出身。本職を星空案内にしたい、明るさと元気が取り柄の看護師。宇宙や星も大好きだけれど、食べ物・音楽鑑賞・書道も大好きです。