西東京の横綱
この夏西東京大会で最も注目している学校
日大三。
理由は強いから?
違う。
土俵際の横綱を見たいからだ。
日大三と言ったら名将・小倉監督だろう。
小倉全由。
甲子園通算
出場22回、優勝2回準優勝2回
甲子園で積み上げた勝利数37は歴代9位の記録だ。
僕は高校野球の監督は現代の将軍だと思っている。
小倉大将軍。
日大三といえば強打。
では日大三史上最強はどの代だろうか?
近藤(元ヤクルト)、都築(元中日)、千葉(元横浜)、内田(元西武)、原島を率いて
当時の甲子園歴代最高チーム打率.427を叩き出して初優勝した2001年か?
吉永、清水、畔上、横尾(楽天)、高山(阪神)、を率いて
6試合連続2桁安打、平均得点10.2で圧勝優勝した2011年か?
ここはファンが永遠に語り合える話しどころなので答えは出ないのだが
(僕は2011年派)
どっちも『強打の日大三』の象徴だった。
その圧倒的強打で西東京を、全国を薙ぎ倒してきた日大三。
しかし、日大三の野球は強打だけじゃない。
日大三は、どの学校よりもスマートなんだ。
(スーツを着ながらやっているとかそういう話ではない)
何故か日大三からは良い意味で
泥臭さを感じない。
シャープな打撃と軽やかな守備。
気づいたら試合が終わっている。そんなイメージだ。
まとめると
日大三は
『西東京のスマート強打校』
(異論は認める)
群雄割拠の西東京大会を制してきた
日大三はまさに西東京の横綱だ。
では何故その横綱が土俵際なのか、
小倉監督がこの春に38年間の監督生活を勇退されたのだ。
ここまで残してきた実績が凄すぎて冗談で小倉三高とまで言われた名将、いや大将軍の勇退。
今まで通りなわけがない。
西東京は東海大菅生を始め
國學院久我山、国士舘、早稲田実業など強豪の
巣窟だ。
今の小中学生達はどこにいきたいのか?
未来の西東京を担う侍達は迷っている。
横並びの今、この夏の小倉監督じゃない日大三の戦い方が重要になってくる。
さぁここからが今日のメイン。
小倉大将軍の後を引き継いだ男
三木有造監督。
小倉監督の右腕として26年間支えてきた大参謀。
(部長、コーチとして日大三を支えてきた)
三木監督がどんな人なのか、
正直わからなかった。
しかし、ある事がきっかけですぐに好きになった。
小倉監督が勇退される密着動画の中で、
「小倉監督との中で印象に残っている事とは?」
と聞かれた三木部長は
少し間を置き
「全部ですね。」
と答えた。
その姿を見て一気に三木監督のファンになった。
どこか寂しげな表情の中に
必ずやってみせるという
目に青い炎を宿している
そんな風に見えた。
三木新監督の日大三は今まで以上に強くなるそんな予感がした。
小倉監督は勇退する際にこんなことを言っていた
「相手が良いプレーをしてチャンスが潰れたら、チクショウじゃなくて
ナイスプレー!次は俺が良いプレーをしてやる!ってかっこよく、スマートにやろうよ」
『何事も一生懸命に、裏表のないかっこいい大人になれ』
小倉監督の魂を受け継いだ
三木新監督、日大三野球部の初夏。
応援させていただく我々に
どんな結果であろうと人生の大事な何かを感じさせてくれる
僕はそう思った。