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次回は持っていこう!

さて皆さん! いきなり 質問なんですが…
皆さんは 子供の頃に  昆虫採集ってしたことは
ありますか?

僕は田舎育ちで   虫に囲まれて 育ったせいか
逆に 虫に興味を持つことは 無かったですね~

でも … 息子は全く違っていたのです!

小学校 入学前に   実家がある田舎に連れて
行った時は  興奮して 虫を追いかけ回しながら
遊んでいました!

今日はそんな息子と 外出した時のお話です

よろしければ 聞いて頂けないでしょうか?

   ※     ※     ※

その日 妻は   友人との食事会があるとのことで
外出していました

僕は 久々に 息子と二人で過ごすことになった
のです

折角せっかくの休日だし  何して遊ぼうかなぁ~?

その時  僕は   息子と二人で 外出したことって
あまりない
なぁ~と思い始め … この際だから
どこかへ 出掛けてみよう! という気持ちに
なった
んです

そして  ひらめいたのが … 自宅から1時間ほどで
行ける 中華街
でした

さっそく二人で電車に乗りました  息子は座席の
前でクツを脱ぐと  窓側に向かって膝立ちして
流れるように変わる  外の景色を眺めています

息子は  パトカー や 救急車 など「働く車」が
大好きだったので  それを探していたのでしょう

やがて 二人は 中華街に着きました!

でも息子は  少し疲れた様子です 丁度 おなかも
空いてきた
ので  お昼にするため   おもて通りから
路地裏へと 入ってみることに しました

僕はこの時 「中華街で  安くて美味しいお店は
実は 路地裏にあるんだよ~!」
みたいな 記事を
何かで読んだことを思い出していたのです

僕は  息子の手を引きながら  表通りから横道に
入り ジグザグに進んで見つけた 小さなお店に
入りました

狭い店内には  テーブルが4つあるだけです
お客は僕達だけで  他には誰もいません

表通りから  だいぶ奥まっているので  お客は
なかなか 辿り着けないけれど  実は美味しい
穴場のお店
なのか … それとも  逆に 味には
かなりの問題があって リピートするお客が
いない お店
なのか …

僕は 厨房ちゅうぼうから離れた テーブルを選ぶと 壁を
背にして座り  息子は 向い側の席に座った
のです

メニューは見ずに  壁に貼られた  お勧め料理
2点の大きな写真を示して … 辛くないことを
確認してから注文
し 息子のために取り皿を
お願いしました

厨房からは  中国語で料理名を叫んでいる様な
声が聞こえます!

息子は珍しい物見たさで  キョロキョロしています

やがて料理2点が運ばれてきたので  息子が食べる
前に ちょっと味見をしてみたら … どちらの料理も
本当に 美味しかった
んですよ!

僕は息子の分を取り分けて「さぁ  食べてみて
美味しいよ!」と言った
のですが … 息子は壁の
一点を  ジーッと見つめたまま  返事もしません



そして … ニコっと笑ったのです



「どうしたの? 美味しいよ  ほらっ!」



すると息子が言いました






「ねぇ お父さん! あれ 見て!」






僕はゆっくり  振り返り  料理の写真が貼られた
壁を見上げると … そこには かなり大きい「G」
が1匹 壁にピタッっと貼り付いて  静止して
いたのです!





店員に あの「G」を何とかして  と言えたのかも
知れませんが
… 今 ここで下手に騒いで「G」の
捕獲大作戦が始まっちゃっても 気まずい
ので
息子には   小さな声で  「 もう見なくていいから
早く  食べて!」と促したのです





しかし息子は  目をキラキラさせて … 黒光り
してる「G」を ロックオンしています





そして   おもむろに「G」を指指すと
大きな声で こう言ったのです!






「あれ  カブトムシ かなぁ?」






どうやら 小さな メスのカブトムシと間違えてる
様子 …



「さぁ どうかなぁ~  それより 早く食べて … 」



親子の  この遣り取りは  店員にも聞こえたらしく
慌てて厨房ちゅうぼう
 駆け込んでいきました




すると 息子は  ここで極め付きの一言を発した
のです!






「今度来る時は  虫カゴ 持って こようね!」





それを聞いた僕は もう 諦めました …



「そうだな … この次は 虫カゴ を持って
こような!」
 


するとその時! 店員が「G」を捕獲するために
何か ほうきのような物を持って  近づいて来たのです
が … その異様な 雰囲気 を察知したのか「G」は
ササーッとどこかへ 姿をくらまして しまいました



食事が終わって  レジで清算しようとした時に
店員は「お金は結構です」と言ったのですが …
僕は「それはダメです 美味しかったですよ!」
と言って お金を支払って  お店を出ました




すると 息子は  こう付け加えたのでした




「お父さん!  次に 来る時は  虫取り網 も
 一緒に 持ってこようね!」

 

 

 

目をキラキラと輝かせて  嬉しそうに話す
息子の表情を見ていると 本当に可愛くて …
とにかく 最高の笑顔だったんです!





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