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【ニーズ】就寝前に思わずポチった買い物を考察する

商売において、自社の商品(製品・サービス)が誰にどのようにして求められるかを自分の購買行動から推測する、という話

就寝前の日課として30分ほどの読書して眠りに就く。

以前はハードなビジネス本が主であったが、入眠にはやや刺激的で内容が重いし、寝る前くらいは仕事のことを考えずに張り詰めた神経をゆるめたい、ということで最近では小説やエッセイなどを読むようにしている。



昨夜読んでいたエッセイは平松洋子さんの「酔いどれ卵とワイン」。食に関するエピソードはどれもマメ知識が豊富で読んでいて楽しい。

その一節で紹介されていたある品物に目が留まり、入眠どころか覚醒してしまった。

ベッドから起き上がり、少し離れた場所においてあるスマホでその品を探して気がつくと購入していたのだ。



その品とは文京区の湯島にある居酒屋シンスケの4代目が10年近く研究して商品化したビールグラス(瓶麦酒のコップ)。

わたしは数年前の人間ドックで肝臓の数値を指摘されてから一時断酒をしていたのだが、最近数値がよくなったことを機に、特別な会合と週末の1日だけ軽くたしなむ程度にお酒を飲むようになった。



最近気がついたのが、お酒が好きというより、入眠前の読書のように日々の緊張感をゆるめるようにビールを飲むという行為が好きだということ。

日曜日の夕方に夕飯の支度をしながら飲むビールが至福であり、その贅沢な時間を考えたとき、どうせならいいグラスで自分を労ってやりたいと思ったのだ。



わたしはスマホの購入操作を完了したついでに、なぜ飛び起きてまでそのグラスを購入したかったのかをスマホのメモ機能に記し、再びベッドに戻った。

完全に入眠のタイミングを逃し今朝は寝不足気味であったが、このようにあまり物欲のない自分が「欲しい!」と感じて移した購買行動は自身の商売のためにもメモしておくことにしている。



お客様の立場になった際の心理や感情は商売のヒントになるし、自社の商品の改良やコンセプトの再定義など糧になることばかりである。

数日後に手元に届くグラスで飲むビールはわたしの生活にどんな変化をもたらすだろうか。その感想もまた商売に活きるのである。

自身が顧客になった際にはニーズを探るヒント探しをしてみる。その蓄積はやがて強力な武器となる