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【自立】商売も「親の甘茶が毒となる」なんですよ

商売の事業継承において、先代がどこまで継承者の自立を促せるかがポイント。甘やかして良くなることはひとつもない、という話

先日業界の会合に出席。二次会にて参加者のざっくばらんな話を聞いていて考えたことがあった。

二次会の中盤で話題にあがったのが、事業の継承者に対しての扱い。



その話題を熱っぽく話していたのはいずれも60代の経営者であるが、跡継ぎとして位置付けるご子息だったり、親族であったりを過保護に心配してしまう自覚を悩んでいた。

皆さん、自身が甘やかしている自覚があるようで、それが継承者のためになっていないことも自覚している。だが、自身が苦労してきただけに、同じ様な苦労はかけたくないという親心から、ついつい甘やかしてしまうのだそうだ。



わたしも子を持つ親である。その気持ちはわからなくはないが、事業を継承した身分から言うと、ある程度厳しい環境の方が自我が育つという自負がある。

わたしが父から経営を引き継いだ際は、会社は最悪の状況だったのだが、今思えばその境遇でなければ、今のように真剣に商売に向き合っていなかったということだけは自信を持って言えるのだ。



わたしの場合、たまたま父の度重なる落ち度で真剣にならざるを得ない状況に追い込まれたが、それが順風満帆なまま引き継がれていたとしたらどうだろうか?

何も苦労を知らず、先代が整えた土壌を自身の手柄と勘違いし、努力のどの字も考えなかっただろう。



だからこそ、継承者には少々つらい状況でも放り込んでしまう方がその人の為にもなり、そこで培う経験が自身の血となり肉となるのだ。

それを経験させてやれるかどうかは先代にかかっており、いつまでも過保護に扱っていれば、継承者は実力不足のまま海に放り出されることになり、それこそ地獄だと思うのだ。



そして常々思うのが、小さい会社の事業継承は早い方がいい。なぜなら事業がうまくいっているケースが珍しいくらいだからだ。

小さい会社ほど何かしらの問題を抱えていることも多く、その問題解決には若い知恵と体力を必要とする。

それを継承者の年齢が40代、50代となるのは逆にリスクでしかない。本当に継承者のことを考えるのなら、問題を残しつつ早めのバトンタッチが必須なのである。

厳しい環境が人間を育てる。ぬるま湯に浸り続けた人間の末路を想像した方がいい


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