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2度目の新陳代謝を耐え忍ぶ

会社の方向性を変更したり、ターゲットを変える際に、その新しい市場と馴染むまで一定のラグがある、という話

毎月来社していただいている顧問税理士との面談。

トラブル続きの2月に比べて3月はやや持ち直したものの、売上げがイマイチであった。決算月ということもあって、1年の総括としても2021年度の売上高は今一つの着地となった。

税理士から「現状の原因は理解してますか?」との質問に、一応は「はい」と答えておいたが、直接的な原因や明確な要因がわかっていれば、そもそもこのような結果にはなっていなかっただろうと思う。

しかし、いわゆるコロナ禍による影響はほとんどうけていない。去年の後半から意識して取り組みはじめたのが、既存顧客の取捨選択だ。下位数十%の取引先を他社に紹介して引き継いでいただき、その分で空いたリソースを上位顧客に割いたり、新規取引先の獲得に当てたりという算段であった。

実行に移したのが12月下旬、1月2月と取り組みを続け、3月になるとパタっと忙しさの勢いが収まった。不本意な仕事が排除でき、本来集中したい領域に本腰を入れることができる、と息巻いていたが、いざ時間が空きはじめるとそこへ何も動かないことへの不安が流れ込んでくるのだ。

現状で余分なものを排除する、そこへいい仕事が入ってくる。単純にはそういうことなのだが、そんな上手いこと流れをコントロールできるわけではない。空いたリソースで狙っている売上げにつながる活動に邁進し、数ヵ月から数年を経て、その空き容量を埋めるだけの仕事が流れ込んでくる。

意図して促す新陳代謝なのだが、そこには予想より少し大きな時間のラグがある。自社の場合、この新陳代謝によるラグを経験するのは2度目。1度目は会社の立て直しの際、市場を完全に変えたときである。

しばらくの間、無風の状態が続き、動いても動いても反応がなく、売上げは下降線をたどる。あまりのことに日和ってしまい、もとの路線に戻そうかという考えが頭をよぎる。ここで戻してしまえば元の木阿弥、新陳代謝には痛みが生じる。この期間を耐えることができるかどうかが一つの目安になるのではないか、と考えている。

よって、今回の新陳代謝に関しても落ち着くまでは一定の時間がかかるのだと思う。売上げが下がったり、反応がなかったりすることは誰だって怖い。しかし、自身で先の可能性を考えたとき、一貫性のあるブレない軸を持っているのなら行けるところまで行ってみるといいと思う。

撤退するにしても、その理由が自身の軸に沿ったものであれば、それは立派な経験値として肥やしになるはずだ。軸のない判断や妄想で突き進んだ末のサンクコストの罠にはまるのは得策ではない。だが、ある程度の確信をもって下した判断ならば成果までの時間のラグは試されていると捉えることはできないだろうか。

とはいえ2度目の新陳代謝、1度目とは違い計画的に実行したということもあって会社のキャッシュの有無がやせ我慢の余裕を生んでいる。無計画に死んでしまわないように、ここで読者の方には現預金とのバランスありき、ということをここに忠告しておく。

わずかな動きに一喜一憂せず、本質的な動きをキャッチすることが大事





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