星を追いかけるもの
9話です。
先週の予想通りミア・テイラー個人回。
と見せかけた鐘嵐珠救済回。
と見せかけた天王寺璃奈成長回。
と見せかけた濃厚なしおラン回。
etc…的な意味合いが多い、それだけ見所も多かった話数だったなあと思う。
しかし、アニガサキ全肯定オタクの私でも珍しく荒も気になる回だったなとも思う。
珍しくマイナス批評も混ぜつつ、9話の備忘録を綴っていこうと思う。
ネタバレ含む、ぐだぐだ長文、自己解釈ありですがお暇ならお付き合いください。
三船栞子と鐘嵐珠
まじでしおランがさ…………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………(語彙焼却)
度々ランジュの栞子に対する態度を取り上げてきたが前半のやり取りのもどかしさったら……。
好きって言葉しか出てこない。
冒頭メッセージに対して急ですね…しか返せない栞子。
その後スクールアイドルへの憧れを黙っていたことを謝罪する栞子。
帰国することを知った後、脇目も振らず走り出して部室へ向かう栞子。
空港でスクールアイドルを一緒にやろうとランジュに問いかける栞子。
そして、もう一度(友達を)始めたい、仲良くしたいとランジュを抱きしめる栞子。
これが2期1話の栞子だったらこんな風にランジュと向き合うことは出来なかったんじゃないかと思う。
この展開自体が三船栞子が物語の中で少しずつ成長してきたってことなのだと感じる。
それに栞子はちゃんとランジュのスクールアイドル活動を見てきて頑張ってましたねと笑顔で言えるんだもんな。
あー、やばい、ほんと好き。
今回はこれでおしまいです。(?)
嘘です。まだ言いたいことがある。
7話で薫子がランジュが居なくなって寂しい栞子にってスクールアイドルの姿を見せたりするんですよね。
結果、三船栞子の中でランジュに会えない寂しさよりもスクールアイドルへの憧れが大きくなったんやな、って。
本来であれば栞子がそのままスクールアイドルを目指していたのならどこかのタイミングでランジュに言うタイミングもあっただろう。(1話の留学する話を2人でメッセージしてたので連絡先を既に知っていたことがわかる。)
しかし、薫子の泣いている姿に萎縮してしまった彼女はスクールアイドルを諦めてしまっていたため、結局言うタイミングを失ったのだろう。
ランジュが居なくならなければ姉に対する憧れも生まれたか分からないし、逆に薫子が居なければスクールアイドルを知ることもなかった。
2人のすれ違いは起こるべくして起こってる。
皮肉だなとも思うが、だからこそ栞子がランジュともう一度友達を始めようと言う展開に友情を強く感じてとても涙腺が破壊される。
すれ違った幼馴染同士が、新たな場所で自分の居場所を見つけ、そしてまた2人の時間が交わる。
重なる。
(引用元がおかしい?)(Why?)
(幼馴染なんだから合ってる)
しおランここにきて好きな虹ヶ咲カップリングトップ3に入ってきて本当に驚きました。
推します。
鐘嵐珠の届かない空
ラブライブ!といえば飛行機、空港、帰国と紐付けされるくらいこのシリーズはその辺の親和性が高かったりする。
先駆者達の展開を盛り込むことに喜ぶオタクもいるがあまりそういうテンプレは好きではない。
物語に整合性の取れない強引さが生まれるからだ。
もちろん展開が急な訳ではなく、不穏な雰囲気やそのイベント発生が物語の盛り上がりだったりであればすんなり入ってくるの問題ないのだろう。
その点で考えると今回の帰国展開は流れに沿って行われたものだと思う。
やりたいことをやりきった、未練はないと考えるなら国に帰るのも選択肢だ。
ひとつ。
鐘嵐珠が留学生として日本に来てまでやりたかったスクールアイドルとはなんだったのか。
彼女は常に1人であることに固執し、孤高であり続けた。
アイドルとして自分はファンに与えるだけでいい、アイドルがファンに支えられるなんて分からない。
彼女のスクールアイドル活動はまさにソロの究極系と言わんばかりにゲリラライブ含めファンとの交流含め徹底していた印象を受ける。
場の空気を飲み込みパフォーマンスする姿に圧倒され、8話では他校のスクールアイドル達にまさに孤高、ソロアイドルだねとまで評価されてる。
鐘嵐珠は誰もが認めるスクールアイドルだった。
そして、8話で彼女は自分よりも同好会のパフォーマンスを素晴らしいと語り、まるで勝負に負けたかのようにその場を去る。
パーフェクトなスクールアイドルとして自らを高めるために努力を惜しまない彼女が負けを認めたとはいえ、その先の活動をやめるのだろうか。
主人公達の前に立ちはだかる強敵ライバル存在だとするならこの程度でフェードアウトしないと感じる。
鐘嵐珠がやりたかったこと。
彼女の過去。届かない空。
人の気持ちがわからず、仲良くなりたい相手とも疎遠になる。
誰も自分を見てくれない。
そんな彼女の目に映るは第一回SIFでの虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会。
スクールアイドルなら1人でも出来る、自分を好きになってもらえる、認めてもらえる。
自分を諦め、他人と絆を育むことを諦めた彼女のたどり着いた先、スクールアイドル。
しかし、本当に望んでいたことは誰かと仲良くなること、友達になること。
ランジュの心情が語られないせいで唐突な展開にも見えるが細かくアニメを拾いはじめるとちゃんとフラグは立たせてる。
ファンとの交流時にその子と友達が楽しそうに話してる姿に少し曇り、友達だと思ってる栞子に対しては大胆な誘いもするが遠慮しがちetc…
ここが拾えていないと人によってはあまりに唐突な展開にも見えるかもしれない。
いくら手を伸ばしても届かない空。
だれかと絆を育む居場所。
本当に思い描いた理想とする姿。
これが無意識ではなく意識的にホテルに置いていくこと=夢を諦めたことに繋げるのは強引だろうか。
狙ってるのかもわからないがこの飾ってるアクスタの正面が窓でその先にお台場、虹ヶ咲学園があるんよな。ぜったい狙ってる。
1人でいたいから1人でいるのではなく1人でいるしかないと思い込んだからこその1人。
出来ないと思い込むってのはR3BIRTH3人組に共通してるキャラ像として提示されてる。
ランジュにとってのスクールアイドル活動の目的は自分を認めさせること。
しかし同好会はソロでもユニットを組んで全員で大きいステージもやった。
ソロでのスクールアイドル活動に意味を見いだせなくなった彼女がスクールアイドルをやりきった、やめると考えるのも自然だろう。
解釈強引だが、そんな皆が楽しそうな同好会の姿に憧憬していたからこそやり切れなく辛い気持ちになり、逃げたい気持ちが強くなったゆえの帰国という選択だったとも思う。
ミアが曲を披露するまで頑なに心を閉ざしていたランジュがあっさり心情を吐露したがスクールアイドル自体が好きな設定もある彼女がミアの伝えたい思いの溢れた歌に応えたからこその描写なのかもしれない。
素直になった彼女を受け入れるスクールアイドル同好会。
ようやく仲間になった彼女の活躍が超楽しみです。
ミア・テイラーと夢
正直な話をします。
比較をするべきではないとも思うが、ミアの話はスクスタの方が出来がいいかなと思いました。
スクスタ22章で描かれるミアの描写は割と細かく、賛否別れるスクスタセカンドシーズンの中でもかなり分かりやすく入り込みやすいストーリーでした。
実装されるI’m still…の曲の強さも相まって個人的にはとても印象に残ってる。
作曲家としてのスランプと歌を歌わない理由、テイラー家への思い、そしてスクールアイドルに惹かれてる描写等うまく落とし込んでる。あとりなミアの濃度。
それに比べるとアニガサキでのミアの動機だったり行動だったり描写は尺不足が否めないと感じた。
じゃあアニガサキが全部劣っていたのか?となると解釈や展開はそれはそれで面白かったし何より曲がヤバすぎたのでそこに触れたい。
鐘嵐珠への執着心
まず印象的なのがランジュに対する異常な執着。
連れてきたのはランジュというのもあるかもだが帰ることを拒絶する姿勢と条件で繋ぎ止めようとする。
大好きなハンバーガーを食べるのを忘れるまで集中し作り上げた渾身の一作はしかしランジュに私の曲じゃないと否定される。
その後語られる過去からランジュに夢を託すしかないと考えてるミアからすれば当然やりきれないだろう。
ここで気になるランジュが私の曲じゃないと否定した点。
クオリティの高さを認め、ミアを褒めているのにも関わらず、だ。
既にランジュが全てを諦めてるからの投げやりな態度とも取れる。
だが、私の曲じゃないが正しい答えだとするなら見え方も変わってくる。
ランジュが言いたかったのはミアが作ったこの曲は”スクールアイドル鐘嵐珠の曲”で”鐘嵐珠の曲”ではない、ということじゃないかと考える。
ミアは鐘嵐珠に対してパーフェクトで常に高みを目指す存在として認識してた。
孤高で気高く、そして強い人。
それが曲制作にも強く影響を与えていたと考えられるが実際のランジュは友達が欲しい寂しい女の子。夢を諦め逃げようとする、弱い人。
その理想と現実の差がよりランジュの人が離れていく孤独っぷりを示し、結果(方向性は合ってるけど)私の曲じゃないという返答になったのではないだろうか。
鐘嵐珠という最高のプレーヤーに執着するコンポーザーであるミア・テイラー。
ビジネスパートナーだからこその”ベストアンサー”は見つけられていたと解釈。
だがランジュが求めていた”答え”ではなかった。
璃奈とミア
部屋に寄ることでまさかの呼び捨てしてることを描写してきて全(俺)りなミア推しに奇声を上げさせた今回のりなミア。
マジで心臓止まるかと思ったから事前に言え。バカ。
何気に侑エマりなミアでの一幕も隣にいるし急に侵食してくるりなミアの勢いに全俺がやばい。
さて、
なぜ背中を押す役目が天王寺璃奈だったのか。
ここはちゃんと理由がある。
まず璃奈はたくさんの曲を出してる作曲家としてのミア・テイラーを認めてる。
そして璃奈はあの手この手でミアの興味を惹き、友達としての関係を築いていった。
また過去の出来事で塞ぎ込んだ経験があった璃奈だからこそ、過去に思い悩むミアに寄り添うことも出来た。
璃奈のミアへの説得も天王寺璃奈の成長を感じられた。
君のありのままがみたい、あなたの夢は叶うよと内から外へ一歩踏み出して世界が変わった彼女だからこその言葉。
とてもよい。
それにしてもミアに対する言葉が口説き文句すぎて本当に璃奈ちゃんはタラシの才能がある。
手を握って距離詰めて見つめてくるとかやばい誘ってんだろ、愛さんは許しませんよ(????)
そりゃツンツンしてた黒猫も堕ちるんだよな、なんというイケメン。
諦めることと諦めないこと
諦めないと聞くと某原宿のスクールアイドルを思い出してしまうな。なんて。アキラメナイキモチ……。
2期の新メンバー3人にとっての共通のテーマが”夢を諦めてしまった少女”というのがあると思ってる。
ミアにとって諦めてしまったことは”歌を歌うこと”。
過去のステージが原因で好きなだけでは歌うことができないと思ってしまったミア。
テイラー家という家に生まれたからこそ歌が好きで音楽が好きだったはずなのにその家のせいで歌えなくなったというのはなんとも皮肉。
歌を歌うことは諦めたがテイラーとして音楽一家としてのプライドが作曲家としてのミア・テイラーを作った。
誰かに認められるための音楽。
承認欲求というものは誰しもあるものだがミアは自分の音楽が認められることで歌を歌えない自分から目を背けていたのかもしれない。
そして、虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会に出会った。
好きなことを諦めない、夢を叶えるために頑張る彼女達の姿が次第に目に留まるようになるミア。
QU4RTZのライブには参加してないがオンラインでやってたDiver Diva、見なくてもいいのにA・ZU・NA開幕も会場にいる。
9話冒頭ではトキランの映像を見てるシーンが最初にくる。
確実にスクールアイドルに影響を受けていたことが伝わる。
何があっても同好会で活動して夢を叶えようとしてた高咲侑も強く印象に残ってるはずだろう。
歌いたいことを諦めたことと、本当は歌いたいという本音。
素直になるための勇気が足りなかった彼女へのひと押しは、
「ミア・テイラーじゃなくて、ミアちゃんの曲が聞きたいな」
という璃奈の本音。
ようやく歌が好き、歌を歌いたいという気持ちが溢れてきたミア。
誰かが寄り添うことで答えに辿り着くことも虹ヶ咲というグループのソロなんだけど仲間という関係性が強く感じられる。
地味な転換だが曇り空に光が差し込んできた演出も〇。
自分の夢を追うことを決心したミアが気づく彼女の諦めた思い。
曲を作り直しはじめたミアの顔はランジュの曲を作ってた時のような険しい顔はなく、純粋に楽しそうに作曲してたのがとても印象的だった。
栞子以外の同好会メンバーがそんなミアに寄り添ってるのも困った時はお互い様、助け合いの精神が感じられる。ライバルだけど仲間、なんよね。
彼女に伝える思い。
夢を諦めないことと決意と覚悟。
届かないと思った空に望むと届くと信じて。
stars we chase
もう、まじで、泣く。泣いた。泣くって。
カッコよすぎるんだよな、この女。
ミア・テイラーという女のポテンシャルを信じてきた俺に間違いはなかったのをまた改めて証明してくれた。
あまりにも優秀すぎる和訳に涙しかない。助かる。ありがとう。この調子でToy Dollも寄越せ。
あまりにも強くて語彙力が無くなりそうですがMVはとても考察しがいがあるものに仕上がってる。
スタンドマイクからフリー。
R3BIRTH3人に共通してる鳥籠の存在。
そして栞子のEMOTIONで出てきた鍵と同じようにこちらでも出てきた鍵。
過去のキャラクターの描写。
視界に広がる景色。
星と夢。
一番良かったところをピックアップするとラストのロリミアの手の中に収まる鍵とその背中を押す現ミアらしき影。
暗闇の中を彷徨い鍵を手に入れ扉を開いた先に歌を歌っている。
そんな現在の自分が手に入れた時の鍵を過去の自分の手に渡らせるということの意味。
背中を押したこと。
EMOTIONもそうなのだが今の自分に向けて歌ってる曲から過去の自分に対しても歌ってる文脈を感じ取れる構成で狙ってないわけがないと思ってる。
和訳に君と僕が度々出てくるが君=過去の自分、僕=今の自分と解釈。
過去が今と繋がってる。
書きながら涙が溢れてきました。←え
stars we chaseという直訳すると星々を追いかけるとなる。
この星がただの星なのか比喩なのか。
夢と捉えるのも凄く面白い。
またstarsとは人気者や主役も意味する。
どちらかというと裏方のイメージの強い作曲家からのメインである歌唱者。
本当にトリプルミームくらいあるんじゃないかと思ってしまう。
こういうの本当にオタクは好きなんですよ、ええ。
星を追いかけることを目指す女に弱い性癖してるので。
夢を諦めることをやめた少女。
ミア・テイラーというスクールアイドルの今後の活躍が本当に楽しみです。
終わりに
書き始めてから1週間とちょっと。
なぜこんなにかかってしまったのか自分でもわからないがとりあえず書き終わったことに安堵です。
なんか文字数も7000オーバーで笑うしかない。
一週間前に書いてたこともあるので今の解釈と違う部分があるなーとは思いつつ備忘録なので直さないでそのまま置きます。
10話放送後なので残りが3話しかないというメタ空間を味わってる変な感覚。
R3BIRTHの結成と新曲が楽しみです。
余談ですが、高咲侑の笑顔ワンカットが今回のベストシーンだと思ってたりなんだり。
この子とにかく1人笑顔が多いんよな、たぶん狙ってるんだよな。対比。
ここのスタッフは変態集団なので。
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