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★Consecration 破滅型の天才 ビル・エヴァンスと… The diary of just before my attempt at … with jazz pianist,Bill Evans 〜著・HermitG-zan


Above:The relief portrait of Bill Evans in the terminal stage I made four years ago. 
 ↑筆者HermitG-zan “Hermit Geezan“による、ビル・エヴァンス晩年のレリーフ肖像。2019年制作。

Above:A part of my own comic of Bill Evans in his final days with bassist Mr.Marc Johnson.
↑HermitG-zan作画、最晩年のビル・エヴァンスを描いた漫画の一部

Above:See;my art work of Bill Evans,its the process of making.
ビル・エヴァンス 半立体肖像の制作過程を参照されたし。


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The following article offered for you is a sort of my essay about a great jazz pianist,Bill Evans.
The said essay was a part of the diary written before my suicide in later December 2023,but this time I get off it,leave this essay only.
I'd like to get your consent.
HermitG-zan
Nov 26. 2024


以下、皆さんに供するのは、一種のビル・エヴァンス論である。
これは2023年12月末、自殺を前提に記した日記の前置きであったのだが、この度思うところあって、本体の『自殺直前日記』を゙省き、前置きであるエヴァンス論のみを残すことにした。了とせられたい。
HermitG-zan
Nov 26. 2024
 
Copyright©HermitG-zan
2024  All rights reserve


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【真っ白に燃え尽きた、破滅型の悲劇の天才ピアニスト、ビル・エヴァンス】
Kind of a essay about Bill Evans:Bill Evans,genius of the self-distructive type who burned completely.
by Hermit G-zan

▲儂は、ビル・エヴァンスを聴き出して以来、かれこれ40年を閲する。
例えば最晩年のアルバム『Affinity』或いは 70〜80年の愛奏曲 "But beautiful" に極めて明瞭に見られるのだが、あのエヴァンス独特の甘美な『高貴なる官能性と死のエクスタシーを孕むところの、いはんかたなきハーモニックセンス』。これの虜にされて以来、日が積もること実に久しくある。

ビル・エヴァンスの生涯には謎が多かった。
例えば、マイルス・デイヴィス、セロニアス・モンク、バド・パウエル、チャーリー・パーカーらジャズの大巨人、イノベーター達の有する、さもありなんというべき奇妙な逸話の類いなど殆ど口の端に上らず、麻薬依存者であることが知られている程度であった。
1998年、The late Peter Pettinger 故ピーターペッティンガーによる伝記 "Bill Evans:How my heart sings"『邦題:ビル・エヴァンス ジャズ・ピアニストの肖像』の発表に至って、漸く史上稀に見る自滅的にして破滅型の悲惨な天才の全容が知られるようになったのだ。エヴァンス情報に飢えていた儂など、それこそ餓鬼の如く取り憑かれ、読み耽ったものである。

然るにその12年後、2010年、驚くべき告白書が出来した。ビル最晩年の恋人であるMs.Laurie Verchomin ローリー・ヴァホーマン(ヴァホーミン)女史が、ピアノだけを生きる縁にして死線を彷徨するエヴァンスとの、死と生・性を赤裸々に記した著書 "The Big love Life &death with Bill Evans" 『邦題:ビル・エヴァンスと過ごした最期の18か月』が、即ちそれである。該書は、当時 原書で読んだ儂の魂を震撼させるに十分な程に、衝撃的であった。

続いて先年、生誕90年記念の一環として公開された、ブルース・スピーゲル監督によるドキュメンタリー・フィルム『Time rememberd タイム・リメンバード』そして、ビル・エヴァンス・トリオ最後のドラマー、Mr.Joe LaBarbera ジョー・ラバーベラ氏による回想録 "Times Remembered The final years of the Bill Evans Trio"『邦題:ビル・エヴァンス・トリオ最後の2年間』がイシューされ、ローリー女史の著書共々、多面的に最晩年のビル・エヴァンスの姿を知り得るようになったことは、ファンの一人としてまことに嬉しい。尤も、それは少なからず "心の痛む" 嬉しさではあるけれども。
(1996年 フランス、ラ·セプト·アルテ La sept ARTE 制作  Mr.Paul Goldin ポール・ゴールディン監督 によるドキュメンタリー、"Jazz collection Bill Evans" も非常に貴重で、エヴァンス初心者には、むしろこちらの方が分かり易い。
スピーゲル監督作ではオミットされた、歴代トリオのメンバー、エディ・ゴメス、エリオット・ジグムンド、マーク・ジョンソン各氏の証言が観られる。)

慢性的な薬物依存…常軌を逸した多量のヘロイン、コカインを常用し、コーラとホットドッグ程度しか口にせず、痩せ衰え、肝硬変その他様々の病気により異様にむくんだ手指でもって死ぬまで弾き続けんとする、その常人の理解を超えた異様な執念…
『あしたのジョー』の矢吹丈が、パンチドランカーに全身を蝕まれつつ世界最強の敵を前に生命を燃やし尽くした如く、ビル・エヴァンスはその最期に、最高のトリオを得、真っ白に燃え尽きたのだ。
彼にとっては、一瞬の音に全霊を傾注することが至高の喜びであり、その意味では、ヘロイン、コカインが如何に有害であれ、彼にとっては最後の一滴まで至高の喜びを引き出す霊薬の如きものであったに相違なく、特に最晩年は、薬物による苦痛からの解放と、最高のトリオと共に最後の1音までをも弾き尽くす喜びの綯い交ぜとなった、常人には解し難い境地にあったのだ。
しかし彼の裡には、その死を惜しみ悲しむ人間が、一人も存在しなかったのだろうか…? なんたる絶対的孤独、孤愁であろう。

一面においては頭脳明晰な分析力と洞察に満ちた発言を為し、ひとたびピアノの前に座れば、その異常な感受性に依って極限まで美を追求して止まず、前人未踏の領域の音楽を創り上げる天才。しかし一面に於いては、平気で人を傷付けるデリカシーの欠如、無神経さを有し、麻薬に耽溺しては生活を破綻させる、生活無能力者。
ビル・エヴァンスこそは、極めて複雑な性格を有する、チャーリー・パーカーと並び称されるべき、まさしく『破滅型の天才』の典型であった。上記の諸著作並びにフィルムから、吾人はその事実を明瞭に感取出来るのである。

…しかし一方、エヴァンスの友人にしてリヴァーサイドレコードのプロデューサー、 故オリン・キープニューズ曰く、
But meanwhile the late Orrin Keepnews who was Evans' friend and the owner,producer of Riverside record said,“Above all : listen. For that is the only way to have a chance to know the real Bill Evans."
『何よりも、彼の音楽を聴くことが肝要です。それが、本当のビル・エヴァンスを知るための唯一の方法なのですから。』
蓋しそのとおりであろう。
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真の天才ならば逃れ得ぬ、凡人には伺い知れぬ『悲劇』という名の代償がある。
例えば、ジャクリーヌ・デュ・プレは十代にして名を馳せた天才であったが、彼女は"本当はチェロなど大嫌いだ“と言いつつも弾き続け、その挙げ句、多発性硬化症に罹患し夭折した。或いは、フルトヴェングラーは戦後ナチ協力者として糾弾され、復帰はしたものの指揮者としては致命的な難聴に襲われ、亡くなった。
エヴァンスも、その例に漏れない。そして、ビル・エヴァンスの天才は、一人の人間が負うには余りにも厳しく悲惨な重荷、代償を要求したのだ。
魂を震撼させる真の大芸術とは、苦悩の深淵からのみ生まれる。
ビル・エヴァンスの悲劇的な人生に思いを致しつつ、その苦悩と生と死のあわいで遺された音楽を、魂のドン底の底まで篤と味わいたいものではないか。

written by HermitG-zan
2023©HermitG-zan
 All rights reserved

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15.Sep.is Bill Evans' memorial day. 
It was my habit to listen to“Bill Evans the final recordings at Keystone korner all eight days 31.Aug〜7.Sep in '80“every years remembering the tragic life of Bill Evans,genius of the self-distructive type.