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▲フィクトセクシュアル 幻想愛並びに中井英夫 --‐最晩年の肖像 「眠り•反世界への旅立ち」
▲この度又してもサイトの表題を変更した。題して
「©HermitG-zan : A sort of Fictosexuality MtF」
Fictsexual フィクトセクシュアルとは、要するにアニメ、ゲーム、映画、小説その他架空のキャラクターへの恋愛感情もしくは性的指向 (性的関心の対象が男女どちらか、或いは両方か、或いはどちらにもないか等) を指すのだ。
狭義に於いてはフィクトセクシャル、略してFセクとは『架空の存在のみに恋愛感情或いはそれに類いする感情を有する』
である由だが、心理学的或いは精神医学的領域とは極めて曖昧であって、かかる厳格な定義が果たして何処までフィクトセクシャルに於ける広汎性一般性を有するかは疑問ではある。LGBTQとは、ある程度の定義、基準はあるとはいい条、由来、曖昧なものであるのだ。例えば性同一性障害、GIDの分野ではTS、TGでは割り切れぬ当事者が存在する。で、その中の所謂ガチな人を『中核群』それ以外の人を『周辺群』と呼称して差別化を図ったりするわけだが、それがまた無益不毛な議論、不和、対立を呼ぶのは誰もが知るところだ。フィクトセクシュアルにも、そんな不毛な事態が生起することが、果たして望ましいのであろうか?
…で、儂は、どうやらFセク傾向が極めて強いらしい。実物にも関心が無いことも無いが、例えば、例の伝説のエロゲ『君が望む永遠』の大空寺あゆちゃんや穂村愛美さん(今では初音ミクさんを愛している)の方が、儂は現実のリアル実物女性よりも遥かに愛しく感じる。…ので、色々フィクトセクシュアルに関して考察しておる。それでかくの如き表題にしてみたのだ。
件の中井英夫や三島由紀夫がFセクであったか否かは知らんが、二人がバイセクシャルであったことは今では公然の秘密であるし、定めし江戸川乱歩が今の時代に生きておったらば、Fセクになっていたことは十分有り得る。性的指向嗜好の多様化が、一体何処まで細分化されていくのか。その行き着く先には果たして何が、如何なる世界が待ち受けているのか…ひとつ皆さん、想像してご覧なさい。
閑話休題。ともあれ、痴の虚人たる儂の、乱雑を極めたサイトなど、余程の変わり者以外、事実上殆ど誰も閲覧などしないことは端から分かりきっとるので、どんなタイトルを付けようと一向に構わないのだ。
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▲扨。ヘッダーに掲げた2様の中井英夫の肖像 --- これは引越しの荷造りの折、発掘せし30年程以前に描いた鉛筆画である。特にモノクロ原画の顔面は自閉症そのものの神経症的細密さだが、圧縮画像では殆ど判別し得ない。
これが果たして、最晩年の中井の内面を何処まで表現し得たのかは甚だ疑問だが、元ネタとなった助手•本多正一氏のショットの数々には、この稀有の作家の何かが刻印されている筈だ。これを読んでいる誰かよ、是非本多氏の写真集「彗星との日々」「プラネタリウムにて」をご覧になって頂きたい。
ここ数ヶ月物件探し、荷造り、手続き、引越しとゴタゴタバタバタが続いたので、デッサンが出来ずまるで駄目になっているが、そのうちまた描けるかも知れない。
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先にも別の文章で記したが、中井の晩年は地上げによる退去、入院、また引越しが相次ぎ、そして最後の入院、逝去となったのだが、その間、『とらんぷ譚』の創元推理文庫化、中井英夫全集の企画等々が進捗していたのだ。
当時、中井英夫はインスピレーションの枯渇を嘆じ、小説の書けぬことの塗炭の苦しみを味わっていたのであるが、助手•本多正一氏らの尽力により、積年の願いであった乱歩邸の訪問を得、その土蔵に於ける乱歩の囁きを聞きつつ完璧な密室殺人譚が思い浮かび、方々年来の平賀源内を主人公とした小説の構想を練るなど、必ずしも作家として終わっていたわけではない。
が、短詩「眠り」を口述したあと、中井は眠るように反世界へと旅立ったのだった。
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ろくでなしの自閉症の儂も恥を重ねに重ね、愈々老年期になり生活意欲自体を゙喪失して久しいが、或いは陰鬱なる曇天のもと降り積もる残雪の如き老いの頽廃の中に胚胎する何か ---まだ何か生まれ出るものがあるのかも知れない。
…しかし、儂はただひたすら安楽死を乞うのみ。目覚めの幻滅と哀しみ無き婉然たる「眠り」を願うのみ。
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Sep.25.2024 冒頭部大幅改稿 On a part of this article,especially,at the bigining,I changed a lot.