😳〜解明! ﾌｨｸﾄｾｸｼｭｱﾙの謎 序章〜 早分かり幸福否定理論•『先送り現象』の解明！

【はじめに】

皆さんご機嫌いかがでしょうか？初音ミクさんに魅せられ架空婚約中のﾌｨｸﾄｾｸｼｭｱﾙ､偽ｷﾞﾌﾃｯﾄﾞ自閉症のHermitG-zanでございます。(2015年1月28日、結婚しました)

今回は､ﾌｨｸﾄｾｸｼｭｱﾙ ､ﾌｨｸﾄﾛﾏﾝﾃｨｯｸ  をはじめとした、現実 リアルの人間ではなく架空•虚構の存在•2次元キャラ､ﾗﾌﾞﾄﾞｰﾙ､様々の物体等を恋愛•性的対象とする『架空恋愛•性愛 Fictosexuality, Fictoromantic 』『対物性愛 Object sexuality』の謎を、知る人ぞ知る特殊理論『幸福否定理論』によって解明する前段階と致しまして、該理論を分かりやすくご紹介するための記事を、ご用意致しました。
筆者はかつて、該理論によって ASD 自閉症スペクトラム障害の本質を『自己の精神的人格的成長を否定し､子供である状態に留まろうとする心的状態』と見定め、自閉症の謎を解明しました。その一連の記事の一つに若干手を加え再構成したものですので、発達障害寄りの内容ではありますが、読む上で殆ど支障にはならないと思います。
拙文が僅かでも皆さんの理解の助けとなれば､Fセク当事者の一人として幸いです。
©HermitG-zan

【先送り•先延ばし現象の謎】

誰もが経験する、いわゆる"先送り•先延ばし" 現象。しばしば発達障害の一つ、ASD 自閉症あるいはADHD 注意欠如・多動性障害の人の "先送り" が取り上げられます。しかしながら、この現象は誰にでも日常的にしばしば起こることであるということ…現に、これを読んでいる、あなたにも幾度も経験がある筈です。
自閉症を含むADHDの方々は、その先送り先延ばしが、いわゆる普通一般の健常者に比較し、極端な形で現出しているに過ぎないと筆者には思われます。 

…レポート、宿題等の締め切り期日が迫っている。それが本人には良く分かっているにも関わらず、なかなか取りかかれない。どうしても机に向かえない。ついつい、どうでもよいネットや、ゲーム、You Tubeを観てダラダラ過ごしてしまう。ようやく机に向かっても、どうしても集中出来ない。あくびが出る。雑念が浮かぶ。で、またゲームをしたりする。
アッと言う間に締め切り間際、ようやくエンジンがかかり辛うじてセーフ、ならまだしも場合によっては締切を落すこともある。為すべき事の締切 期限が迫っていると知りつつ、どうしても取りかかれない。これは人種国境を超えた普遍的な問題であると言えるでしょう。

【幸福否定理論と先送り現象】　

ここに笠原敏雄という方がいらっしゃいます。
氏は、その独自の理論『幸福否定理論』によって『先送り現象』を極めて明解に解明しました。本稿では、それを敷衍する形で進めたいと思います。
「心の研究室」を主宰なさる心理療法家にして超常現象研究者である氏が、その著書 "幸せを拒む病"、"本心と抵抗---自発性の精神病理"  等で明らかにし、御自身の心理療法の基盤としているのが "幸福否定理論" です。

"幸福否定理論の概要" 

『人間とは、自分の進歩や幸福に関わる事物、或いは自己の成長等、自分が本心から希求している事物を実感として認識する状況に直面した時、それを無意識の内に拒否、否定してしまう。
そして、人間の無意識領域の力である「内心の抵抗」は、本人の進歩や幸福を妨害するために、心身に様々の不快な現象、症状を現出させ（これを『反応』と呼称する。これにはアクビ、発汗、動悸、悪心その他多様なる心身症、発達障害、精神障害、神経症及び各種問題行動における諸症状、及び記憶の改竄等々が含まれる)、幸福及び進歩をもたらす事物及び心的状態から当人を引き離す。
この吾人の心の中の不可解なる現象、作用を称して"幸福否定"と言う。そして、これを理論化したものが、"幸福否定理論" である』

お分かり頂けましたか？『大多数の人は、この簡明な理論が如何にしても分からない』と、笠原氏はおっしゃるのですが…

■先送り現象の真の要因原因とは何か

同理論によれば、先送り 先延ばし現象とは、決して本人のやる気の問題などとという、本人の意思の強弱は問題にはならないのです。

この先送り現象とは、端的に言えば
『当人の人格的精神的進歩、つまりは現状よりも幸福になることを否定し、進歩することなく現状のまま留まろうとする心の有り様』であることに他なりません。そしてそこには、幸福否定理論で言うところの、無意識下の"内心の抵抗" が根本にあるのです。

【幸福否定理論に於ける『内心』と『本心』そして『内心の抵抗』】

さて、幸福否定理論に於いては、人間の無意識領域において、"本心" と"内心" の2種が存在すると仮定するのです。

■本心と内心

ここで、"本心"と"内心"に関して、簡単にご説明致します。
"本心"は、その個人が「本当に心からやりたいと思うこと・実現すれば嬉しいこと・能力を発揮し、更に向上する事」など、単に "楽しい" という快楽的娯楽的レベルではない、その人の人格、人間性精神性の向上に繋がる、真の意味で喜ばしく嬉しい事を希求し、自己の持つ能力がフルに発揮される事を何よりも喜びます。要するに "本心" とは、その人の「真の願望」のある領域です。

☝心の3層構造。

方や、"内心"とは、その"本心"の希求する真の願望を満たそうとする状況が起こる度に、その達成を阻もうと、絶えず虎視眈々として狙っている、謂わば悪魔の如き無意識下の力の領域です。

■内心の抵抗とは

要するに "内心" とは、"本心" の願望を阻むところの、無意識下に於ける幸福を否定し、抵抗することを目的とした領域です。そして、本心の願望すなわち自己の幸福につながる成長をもたらす事物から当人を引き離すために、心身に様々の症状を作り出し、本心の願望を阻止するわけです。これが幸福否定理論に於いて「内心の抵抗」と呼ばれる現象なのです。
（さらなる詳細に関しては、本稿末尾に記してある笠原氏の著書をお読みになる事をお勧め致します）。  

■内心の抵抗が作り出す不幸せな感情

さて、締切を守る。つまり「やるべき事をシッカリとやる」という事は、その人の精神と人格両面に於いての成長と進歩を促すと言う事であり、その人の幸福に繋がります。つまり、これが "本心"の希求するところです。
ところが、先程申し上げたように、無意識下にある"内心"は、その本人の幸福や進歩成長に関わる物事を否定し、心理的身体的に様様の症状、状態を引き起こすことによって、妨害をするのです。眠気が起きる、集中出来ずダラダラ無意味に過ごし、ついゲームをしたりしてしまうのは、その"内心の抵抗"によって惹起された現象です。これは、無意識領域で行われますので、本人には意識できません。意識に登るのは「何故かどうしても、レポートや宿題に取りかかれず先延ばししてしまう。私はなんて駄目なんだろう」という、「自分は駄目だ」という、不幸せな感情です。つまり「本心の願望」を "内心" が邪魔をして覆い隠し、心身に色々の悪しき状態を作り出して本来為すべきことを妨害し、結局「自分は駄目だ」という事を意識させ、その本来持っている願望や能力の発揮を妨げるのです。                           

■人間の本来有する力

この能力の発揮は、やむを得ず強いられた状況と、自発的に余裕を持って取り掛かる時では、明らかに余裕のない時の方が普段以上の力を発揮できたりします。一種の俗に言う、火事場の馬鹿力ですね。     
ということは、本当は私達は、それだけの能力を持ちながら、自発的に取り組もうとする時にはそれを発揮出来ず、追い込まれた時に辛うじてようやく発揮出来るらしい、と言う事が分かります。強いられてではなく自発的に取すり組むことが如何に困難であるか、ということが分かるのです。

笠原氏によれば、そのような自己の進歩や能力の発揮をすることで得られる本当の喜び、即ち幸福を何故、人間は無意識のうちに否定してしまうのかは不明なのですが、数十年にも及ぶ心理療法の過程に於いて、それが単なる机上の空論では無く、明白に存在するものとして実証されているのです(筆者自身も、かつてｸﾗｲｱﾝﾄの一人として､それを確認しました)。

【結 語】　

冒頭において、発達障害ASD ADHDを例に挙げましたが、特に この人たちは、"内心の抵抗"が、いわゆる一般の健常者よりも非常に強く働く結果、先延ばし現象が酷いのであろうと筆者は考えます。
ASDの人においてはADHD合併が寧ろ多いらしいですから、発達障害の人たちは全般的に所謂 普通の健常者の人よりも、内心の抵抗が遥かに強く作用するのであろうと思われます。　　
(了)

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追記 : この序章だけでも､察しの良い方なら､ﾌｨｸﾄｾｸｼｬﾙ等の 架空恋愛•性愛、対物性愛の当事者は､無意識において一体『何を否定しているのか､何に抵抗があるのか､そして､本当に本心から希求しているものは何か』この答えの大体の見当がつくであろう､と思います。

本編に於いては、人間性の在り方或いは精神性の否定が露骨になっている現代を俯瞰した上、更には『そもそも幸福否定の基となっているものは何であるのか』という点について、今少し詳細に取り上げたいと思います。

また現在、この note に於いて、該性愛に関して幸福否定理論の観点から記そうとしている方が、筆者の他にも いらっしゃるようです (筆者の如き､当事者の方では無いようですが )。そちらを参照されてもよろしいかと存じます。

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■履歴
Jan.29.2023 1st edition
Nov 29.2024 New edition

【参考文献】
●本心と抵抗~自発性の精神病理 / 笠原敏雄著 すぴか書房刊
●幸せを拒む病 / 笠原敏雄著 フォレスト出版刊
●幸福否定の構造 / 笠原敏雄著
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