★洋書 怪読 Extra : ウッディ•アレン『ハンナとその姉妹』 そして 『ラブ、スターガール』Reading foreign books a lot extra issue:Woody Allen‘s finest film"Hannah and her sisters" and "Love,Stargirl"by Mr.Jerry Spinelli
◆ウッディ・アレン『ハンナとその姉妹』 そして 『ラブ、スターガール』Woody Allen‘s finest film"Hannah and her sisters" and "Love,Stargirl"
▲以下、2023年10月の日記(現在非公開)より抜粋。
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▲30数年ぶりに ウッディ・アレンの最高傑作『ハンナとその姉妹』Woody Allen's finest film "Hanna and her sisters" を観た。封切時に二度観て、才人アレンを発見したことに、タマラない興奮を覚えたものだ。以後「重罪と軽罪」まで、アレンの映画はかなり観たが、最初に観たハンナ~が、テンポの良さ、旨さでは一番だろう。全編を彩るジャズのスタンダード、Isn't it romantic?, Polca dots and moonbeams, I remember you, It could happen to you 等々がなんとも嬉しい。アレンが精密検査を受ける、Mt. Sinai hospital は、Bill Evans が亡くなった病院でもある。
感慨もひとしおだが、当然、人生経験も何もなかった当時と現在では、当たり前だが印象がかなり異なる。
当時はアレンともう一人の分別盛りの男の狂態を単純に笑っていたし、現在でもそうだが、シカシ。
本作は一見、ハッピーエンド的結末で終わる。しかし結局は、人間は死ぬまで男女の誤解と争いと嫉妬の中で、次の瞬間には脆くも崩れ去るところの束の間の安らぎを得て、自己を誤魔化しながら互いに生きている存在に過ぎない、、、そのはかない姿が、一見ポジティブな外被を纏って描かれているのだ。
真の心の平安を、不完全な人間の中に求めても、いつかは幻滅する。その幻滅を直視せずに、人間は人の中に自分の居場所を見つけようとする。
その人間の 儚い姿をコミカルに描き、成功したと言えるのが、この ハンナとその姉妹 であると言えよう。
更に。
先に原書で読んだ "Love, Stargirl"by Mr.Jerry Spinelli の中で、広場恐怖症の ベティ・ルゥが迷えるスターガールに 、
"Yes, Live today. Not yesterday. Not tommorow. Just today. Inhabit your moment."「今日、この瞬間を生きるのよ。昨日でも明日でもない、今、存在するこの瞬間をを生きるのよ。」
と、答えるシーンがある。『ハンナとその姉妹』がまさにそれで、ここには、過去にとらわれ将来を悲観し現在を生き抜けぬ、アレンを始めとしたハンナの一家の姿がある。
しかしアレンは、今この瞬間を生きることに徐々に目覚める。そして、移り変わる時とともに成り行きによって、諦めていた未来がほの見えるショットで終る。
「今この瞬間を生きぬけ。人生は何とかなる」。
これが 普遍的な?アメリカ人気質なのかも…知れない。
『ラヴ、スターガール』と 『ハンナとその姉妹』は、それを端的に見せてくれた作なのかもしれない。
*Post Script
The famous author by"Holes",Mr.Louis Sachar's one of masterpieces"Dogs don't tell jokes."
Gary W.Boon,the hero of this book is a fan of W.Allen as a comedian. Read
this funny book by original english version!
*追記
『ホールズ』で有名なルイス・サッカー氏の傑作のひとつ『犬はジョークを言わない』の主人公、ゲイリーW ブーンのアイドルの一人が、コメディアンとしてのウッディ・アレンです。面白い同書を、原書で是非一読読んでみてください。
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