★洋書怪読 彙報 • ラヴ、スターガールLove,Stargirl by Mr.Jerry Spinelli
▲扨。例によって去年のけふの日記よりの再録。ジェリー・スピネッリ氏の原書『ラブ、スターガール』の終盤を読んでおったのだ。それに関してツラツラ感じた諸々ネ。
ちなみに、本作は、当事者の儂の目で見ても『自閉症スペクトラム障害』としか思えぬ、奇行まみれの一作目『Stargirl』(コレも原書で読了)とはまるで異なる、感受性の強いごく普通の少女としてのスターガールの視点による、その周辺の魅力的な人物模様 (特に前作では殆ど触れられなかった彼女の父と母、就中、バーンアウトしてエンジニアを廃業し、憧れだったMilk man 牛乳配達になった父との活動について) と、自身の心理の揺れ動きが描かれるのだナ。前作において唐突な別離となった、アリゾナのレオ君への『決して届くことのない書簡』という型式で。
クライマックスに於ける、スターガールこと、Susan Caraway スーザン•キャラウェイの企てた冬至イヴェントの当日。この時、いはんかたなき崇高さと厳粛さが辺りを領し、この瞬間、まさにLove,Stargirlの全てが収斂されていくのだ…。
一作目、二作目どちらも大変楽しく、かつ含蓄に富んでいるのだが、どちらか一作というならば、精彩あるスターガールの描写に加え、ラストに深い余韻を残す、一作目を儂はとるであろう。
諸君も、是非、スピネッリ氏の傑作『スターガール』を一読することをお薦めする。出来れば原書で。もちろん翻訳でも構わない。確か、2作共に KADOKAWA より文庫本が出ている筈だ。
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【洋書 怪 読 彙 報 Love,Stargirl by Mr.Jerry Spinelli】
▲廢晩飯。けふもジワジワ Love,Stargirl ラブ,スターガール を読んどつたぞ猫殿よ。
広場恐怖症の Betty Lou ベティ•ルゥ。彼女の離婚したオヤヂは四年前に死んで、その死体が2階に横たわっとる。で、ベティはその屍體と寝て居る、、、世間ではさういふ噂なのだが、無茶苦茶言ふものよ世間といふものはナ、
一方、前作ではASDらしさ全開。しかし今回は感受性鋭いフツーの少女として登場するスターガールは「僕を探してるのかい?」がキャッチフレーズの、鬼ごっこに夢中になる余り精神に異常を来した Arnold アーノルド に、又しても道で遭遇するんだが、如何なる訳か、言葉と思いが油然と湧き出し、勝手に色んなことをアーノルドに向かつて喋りだすのだ。
で、スターガールは思ふ訳だ。過去を生き生きと甦らせる最上の方法は、それを話すに適した人に向かつて喋ることだとナ。
スターガールはすつかり嬉しくなつて、『あなたいつも『ボクを探してるのかい?』って、言ってるわね。答えはイエス、イエスよ!ずっとアナタを探してゐたの。見つけられて嬉しいわ』
要するに、Charlie and Stargirl are the same.
二人共同じ、といふか、人間とは、さういふモノなのだナ。必要な誰かを探していて、かつ必要とする誰かに見つけて欲しいのだ。
今作『ラヴ、スターガール』では、当初から Arizona Leo アリゾナのレオの野郎に未練たらたらであったスターガールであるが、広場恐怖症のベティ•ルゥ曰く『過去でも未来でもない『今日この瞬間』を生きることが大切』
"Yes, Live today. Not yesterday. Not tommorow. Just today. Inhabit your moment."
との言葉が脳裡を巡る。そして紆余曲折を経た後…スーザン•キャラウェイは、レオの野郎との未来の再会を期し、過去にとらわれずに前進していかうと思ひを新たにする。
…そして、幾年も経たある時、レオの野郎のもとに、ある贈り物が届く。それは、かつてアリゾナに移住したレオのもとに贈られてきた、スターガールことスーザン•キャラウェイからの贈り物を思わせる『ハリネズミ模様のネクタイ』であった…という具合に、第一作のラストに繋がって行くのだ。
第二作の要点はの、ツマリ、『過去や未来にこだわらずに今日この瞬間を生き抜け』といふことだナ。もひとつ。過去をほじくつてばかりゐてもイカンが、しかし思ひ出は思ひ出として大事にし給へ、といふコトだナ、猫殿よ、
▲るせーーーーーよ、ワザワザ旧仮名使う暇人変質変態猥褻自閉症野郎、サッサと寝ろい寝ねえか、ペッ!
(超猫殿)
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★第一作 Stargirl に関しては、コチラ↓