縁の下の力持ち
2016年12月、サッカーのクラブW杯の決勝が行われ、日本の鹿島アントラーズがスペインの強豪レアル・マドリードと試合をし、負けはしたものの世界中を驚かせる結果となった。
筆者は「やっぱりロナウドはすごいな」と思いつつも、ある解説者の「あのレアルの攻撃陣を相手に健闘した鹿島の守備陣を讃えたいですね」という発言に大変共感を覚えた。
サッカー素人の筆者は、どうしてもゴールシーンばかりに目が行くが、その一方でチームを支えている人の存在を忘れてはいけないということだ。
筆者は、中高6年間バレーボール部に所属していた。
バレーボールは華麗なサーブやスパイクを打つイメージが強いと思うが、それらをただひたすら拾い続けるという非常に地味なポジションがある。
それこそが、リベロである。
バレーを始めた当初は「華麗なスパイクを打って活躍したい」という思いもあり、リベロというポジションに本気で取り組めていなかった。しかし、練習を重ねるうちに少しずつ上達しているのを感じ、また、チームを陰から支えるというポジションの特性が自分の性格にも合っており、どんどんハマっていった。
目立つことこそできなかったものの、チームメイトから感謝されたことは忘れられない。まさに「縁の下の力持ち」のような存在だったのだ。
人が何かをしようとするとき、そこには他の人の助けがある。だからこそ成功に近づいていくことができる。
周囲を見回すと、光の当たるステージばかりが目立つが、そのような舞台を成立させるために、いろいろな人の努力が見えないところに隠れている。
今後も様々な活動の中で、見えない努力への感謝を忘れないようにしたい。
(数学科教諭)
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