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緊急事態宣言解除後に行きたい!京都”北野きぬかけの路エリア”をめぐる「嵐電沿線さんぽ」

はじめに


 この記事を執筆している2021年2月中旬現在、首都圏と中京圏、京阪神、福岡県は新型コロナウイルス感染症感染拡大防止のための緊急事態宣言下にあり、私たちは不要不急の外出の自粛を求められています。特に若者には社会から強い行動の制限が要求されている状況で、遊びたくても遊べない、旅行に行きたくても行けない、というストレスがそろそろ限界に達しそうだという大学生も少なくはないのではないでしょうか。

 そこで、この記事では、緊急事態宣言が解除された後のことを妄想することで何とかこの状況を乗り越えるべく、旅行ができるようになったら是非とも行っていただきたい”一人で楽しめる京都の散策ルート”をご紹介し、みなさんに宣言解除後の楽しみを一つご提案させていただければと思います。お昼過ぎから日没前までのだいたい半日でサクッと楽しめる範囲なので、宿泊を伴わない日帰り旅行にもオススメです。ぜひ参考にしてみてください。

紹介する散策エリア:”北野きぬかけの路エリア”とは?

 今回ご紹介するのは、京都の北西部・北野白梅町から太秦の間に広がる”北野きぬかけの路エリア”の散策ルートです。この辺りは、金閣を擁する鹿苑寺や五重塔がある仁和寺、石庭が有名な竜安寺、学業成就を祈願したい北野天満宮といった有名な寺社仏閣があり、かつ地域に根差したおしゃれなカフェなどが多く立ち並んでいる、一人で散策するのにぴったりな観光エリアです。

 この辺りは今も昔も京の玄関口である、京都駅/羅城門跡エリアや京都最大の繁華街である河原町から離れているため、非常に落ち着いた雰囲気と独特の趣があり、”密”になるようなこともほとんどありません。”北野きぬかけの路エリア”は、緊急事態宣言解除後にゆったりとした観光をするのにまさに打って付けの場所であると言えるでしょう。

散策ルートの目印:嵐電北野線

 さて、このようにゆったり散策にぴったりな”北野きぬかけの路エリア”を歩くにあたっての目印として最適なのが、この辺りの昔ながらの閑静な住宅街と名刹の間をゆっくりと走る単線のローカル鉄道:京福電鉄北野線(通称・嵐電)です。

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 このエリアは京都の中心地から離れていることもあり、散策するにあたっての目印が少なく、通りも”碁盤の目”のようにまっすぐになっているわけではないので、初めて訪れる人が地図無しで有名観光地を巡るのはなかなか難しいのです。しかもこの辺りは京都盆地の中でもかなり山の手のエリアなので坂道が多く、長時間歩いているとなかなかに疲れます。しかし、金閣を除くすべての有名観光地を結んでいる嵐電北野線沿いに歩き、疲れたら嵐電に乗る、という方法を取れば、地理と疲労の二大問題を一気に解消しつつ、快適に散策を楽しむことができます。

 では、嵐電に沿って歩くと、どのような観光地に出会うことができるのでしょうか?嵐電撮影所前駅を起点として、筆者が緊急事態宣言発令直前に実際に撮影してきた写真を交えながら順番にご紹介していきましょう。

①東映太秦映画村

 嵐電撮影所前駅からすぐの場所にあるこちらの施設は、時代劇や特撮ドラマ等の制作および映画配給を行う東映の撮影所に併設された映画のテーマパークです。テーマパーク全体が時代劇の撮影セットになっていて、まるで江戸時代中期~大正初期にタイムスリップしたかのような気分を味わうことができます。

 仮面ライダーやプリキュア、エヴァンゲリオン、そして鬼滅の刃といった東映が配給する特撮・アニメ作品のイベント企画等も随時行われているので、歴史好き・時代劇好きの方はもちろんのこと、”レトロ映え”を狙いに行くも良し、”推し活”の一環としてイベントを巡るも良し、幅広い年代の方に様々な楽しみ方をしていただけるイチオシの観光スポットとなっています。


②仁和寺

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 映画村を出たら、撮影所前駅から嵐電に乗って常盤の住宅街を走り抜け、御室仁和寺駅で下車します。駅舎の目の前に真っすぐに伸びた参道の先に、仁和寺の二王門が聳え立っています(ちなみにこの参道にはおしゃれなカフェが何件も立ち並んでいるので、寄り道してみるのもオススメです!)。

 仁和寺の魅力は何と言っても巨大な五重塔と江戸時代中期の儒学者・貝原益軒が「洛中洛外にて第一」と称賛した”御室桜”でしょう。筆者が先日訪れた際は真冬の時期だったので桜の季節には程遠く、桜の写真を撮影することはもちろん叶いませんでしたが、澄み切った冬の空に向かってすくっと聳え立つ五重塔の雄姿を撮影することができました。カッコいいですね。

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 新幹線から見える東寺の都会的な五重塔も素敵ですが、山の手の仁和寺の五重塔の精悍な佇まいは現地に行かなければ味わえないものですので、是非ともこちらの五重塔も実際に拝んでいただければと思います。


③龍安寺

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 仁和寺の二王門を出て、「きぬかけの路」を東(撮影所前から御室仁和寺まで乗ってきた嵐電の進行方向)に15分ほど歩くと、枯山水の石庭で有名な龍安寺の山門に行き着きます。

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 山門入り口で拝観料を支払って龍安寺の境内に入ると、巨大な回遊式庭園が広がっています。この圧倒的なスケール感は京都の中心地の寺社では味わえないものです(洛中は平安京の時代から広い土地を確保するのがなかなか難しかったので、これだけの規模の庭園を持っている寺社はほとんどありません)。そう、龍安寺の魅力は本殿の石庭だけではないのです!龍安寺を訪れたら石庭に直行するのはあまりにも勿体ない。石庭をゆっくりと半周してその趣を堪能した上で、本殿に向かいましょう。

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 本殿の石庭の美しさについては、言うまでもないでしょう。歴史の教科書や資料集に必ずといっていいほど掲載されている枯山水の代表例ですが、実際に見てみると、その”流れ”に圧倒されます。「ただ石が敷いてあるだけ」の庭で、山河があるわけではないのに、確かにそこには、山から湧き出た水が川となって海へ流れ出る、ドラマチックな”流れ”があるのです。本殿を訪れたら10分ぐらい縁側に腰を下ろして、”流れ”を体感するのがオススメです。

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 石庭の”流れ”を心ゆくまで味わったら、石庭の残り半周を堪能し、山門から竜安寺を後にします。


④北野白梅町駅~北野天満宮


 龍安寺山門から南へまっすぐ下ると、嵐電龍安寺駅にたどり着きます。そこから先は嵐電沿いに歩くもよし、嵐電に乗って一休みするもよし、どちらにせよ、終点の北野白梅町駅はすぐそこです。

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 北野白梅町は北野エリアの生活の中心地であり、大型スーパーなども出店している賑やかな町です。嵐電北野白梅町駅から15分ほど南へ歩くとJR嵯峨野線の円町駅があり、そこから嵯峨野線に乗って京都駅まで行くことができるのですが、北へ歩くと地元で有名なおしゃれなカフェ・ハーバーカフェがあります。こちらでコーヒーとアイスクリームをいただいてから帰りましょう。散策の後のカフェタイムは最高です。QOL爆上がり間違いなし。いやぁ、いいお散歩だったなぁ。

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 ちなみに、ハーバーカフェから6分ほど道なりに歩くと、合格祈願で有名な北野天満宮があります。筆者も中学受験と大学受験の合格祈願でお世話になりました。余力があれば、北野白梅町から北野天満宮まで足を伸ばしてみるのもいいかもしれませんね。

まとめ:嵐電沿線は魅力たっぷり!!


 今回は嵐電北野線沿線を散策する観光ルートをご紹介しました。”密”を避けつつも魅力たっぷりの観光地をゆったりとめぐることができるこのルートでの京都観光は緊急事態宣言解除後の一人旅行をより良いものにしてくれること間違い無しです。大手を振って旅行できるような社会情勢になったら、是非とも嵐電沿いの京都を散策してみてください!

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〈文・ねも〉


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