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【祝20周年】UNISON SQUARE GARDEN というロックバンド
こんにちは!Gaku-yomu編集部のだてです。突然ですがみなさん、UNISON SQUARE GARDENという日本のロックバンドを知っていますか?代表曲に「シュガーソングとビターステップ」や「オリオンをなぞる」などがあるスリーピースロックバンド。最近はTVアニメ『ブルーロック』の主題歌を担当するなど、活躍を続けているUNISON SQUARE GARDENは2024年7月24日で結成20周年を迎えました!!(拍手)
これを記念して、2024年7月24〜26日に日本武道館で行われた20周年記念ライブのレポも交えながら、筆者が中学生の頃から追い続けている彼らの魅力を少しでもお伝えしたいと思います……!!
プロフィール
UNISON SQUARE GARDENはギターボーカルの斎藤宏介、ベースの田淵智也、ドラムの鈴木貴雄からなるスリーピースロックバンド。田淵と鈴木は小学校の同級生、斎藤と田淵は早稲田大学での同級生であり、斎藤が田淵と鈴木を誘う形で結成された。
2008年に1stシングル「センチメンタルピリオド」でメジャーデビュー。2015年に発表した「シュガーソングとビターステップ」はアニメ「血界戦線」のED曲として、大ヒットし、その年のAmazonランキング大賞「デジタルミュージック」の総合部門で1位を獲得。その後もアニメのタイアップ曲を中心にヒット曲を連発する常に進化を続けているバンドだ。
ユニゾンスクエアガーデンのここがすごい!
ここからはユニゾンスクエアガーデンの魅力・特徴を2つに絞って紹介していきたいと思う。また、ここからは愛を込めてメンバーのことを斎藤さん、田淵、貴雄と呼ぶ。
1天才作曲家 田淵智也が作る中毒性抜群の曲
ユニゾンスクエアガーデン(以下ユニゾン)では、一部を除いてほとんどの楽曲をベースの田淵が作詞作曲している。その楽曲の特徴として、キャッチーなメロディラインに富んでいることが挙げられる。代表曲である『シュガーソングとビターステップ』の他にも、『オリオンをなぞる』や『君の瞳に恋してない』などの楽曲(どれもYouTube、サブスクで聴けるよ!)などはメロディラインがユニゾンらしさ全開なのでぜひ聞いて欲しい。(ユニゾンらしさってなんだよって思ったそこのあなた、騙されたと思って今あげた三曲を聞いてほしい。きっと分かるはずだから)また、田淵は時々本当に意味のわからない歌詞を書くことで有名。田淵本人曰く特に深い意味はないらしく、ただ気持ちの良い言葉を選んでいる部分もあるのかもしれない。筆者が特にお気に入りなのは『メカトル時空探検隊』より、「マダガスカルにだって首都はあるよ!誰も彼も準備だけはある 全人類に愛とチョコレートを!」という歌詞。本当に意味が分からなくて、大好きすぎる。意味は分からないけど、語感が良くて嫌な感じはしない。そこがファンを惹きつける魅力なのかと思ったりもする。
ユニゾンスクエアガーデン公式YouTubeはこちら→https://youtube.com/@unisonsgofficial?si=ieRq599gyEPykdR5
2 まさにライブバンド!驚異の年間ライブ数
ユニゾンは「ライブバンド」と言われるほど結成してから今に至るまで、ライブを重視している。単独ライブはもちろん、対バンやフェス出演など様々なライブをこなす。そのため、ユニゾンにちょっとでも興味があるのなら、一度ライブに行ってみるのがおすすめ!ユニゾンのライブではメンバーたちの「自由に楽しんでほしい」という想いから、掛け声やハンズアップをしないといけない雰囲気はなく、サークル・モッシュ・ダイブ等もないので初めてライブに行く方、一人で行く方も安心して参加することができるのが特徴。
筆者の調べによると、ユニゾンが2023年に行ったライブは客演・フェスも含めると80本以上(!)で、別バンドでも活動をしている斎藤さんと田淵は年間100本近い公演を行っているということになる。平均すると週に1、2回のペースでライブをしているというのは驚異的としか言いようがない……。この本数のライブを毎回最高のパフォーマンスで届けてくれるユニゾンは、まさに「ライブバンド」だ!!
記念すべき20周年イヤーであった今年は2月のFCツアーを皮切りに、合計4ツアーを行う大忙しの一年だった。さらに加えて武道館公演(三日間)やフェスの出演、楽曲制作なども行っているので、その仕事量の多さには脱帽だ。
【7/24~26】20th 武道館ライブレポ
ここからは、2024年7/24〜26にかけて、日本武道館にて行われた20th記念ライブ『UNISON SQUARE GARDEN 20th Anniversary LIVE』のレポを簡単に書いてみようと思う。筆者はこの三日間を通して、ずっと好きだったバンドの今までで一番めでたい日を一緒に祝うことができて感無量だった。
①【7/24】ROCK BAND is fun
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2004/7/24に結成したユニゾンはちょうどこの日が結成20周年。そもそも同じバンドを20年間も続けるのがどれだけ難しいことか。筆者もちょうど20歳なので自分が生まれてから今までずっとユニゾンは存在し続けているんだって考えると、本当にすごい。「結成日に武道館でワンマンをやることに大きな意味があった」と語る田淵は、5年前からこの日の武道館を押さえていたそう。
筆者は残念ながらこの日のチケットを取れなかったので、自宅から配信でライブを見ていた。会場が暗転すると、ユニゾンがSEとして使用しているイズミカワソラ「絵の具」とともにステージに現れたメンバーの三人。「Catch up, latency」で始まったライブは、そのままノンストップで「フルカラープログラム」まで。時間の流れが一瞬のように感じた。ここでユニゾンにしては珍しいMCが入り、斎藤さんがメンバー三人の学生時代の暴露話(?)を面白おかしく紹介。ちなみに斎藤さんは早稲田大学在学中、パチンコに明け暮れ単位を落とし、彼女に捨てられたそう…笑(恐ろしい先輩……!) その後の「101回目のプロローグ」では本来の歌詞が「本当の気持ちを話すのは4年ぐらいは後にするよ」(この曲のリリースは2020年)のところを、「本当の気持ちを話すのは今日くらいしかありえないだろ」とアレンジするというファンは感動必須の粋な演出。曲が終わり、「本当の気持ち」を話すために始まったMCでは普段はあまりマイクを握ることのない貴雄が話すことに。話していた内容を簡単にまとめると「熱と循環」について。一人の客として足を運んだライブハウスで感じた熱量、ユニゾンの音楽を聴いてくれるみんなから得られる熱量が全て自分に還元されていて、その熱量を自分が叩くドラムで再びみんなに還元していく。そういった循環をこれからも続けていきたい、そんな話だった。毎回のライブでドラムを叩ける喜び、音楽を鳴らせる喜びを全身で表現している貴雄が言うからこそ、この話はとても説得力があった。
その後も何曲か演奏し、ユニゾン最大のヒット曲「シュガーソングとビターステップ」が終わると、田淵が満を辞して話し始める。ここでは田淵に敬意を表して、田淵が語った言葉をそのまま載せることにする。
「僕たちには才能があった。けど才能で、信念で、渾身の1曲で、世界は別に変わらなかった。20年間、信じる音楽をやり続けられたのは才能があったからだけど、それでもやっぱり世界が変わらなかったのはつまらなかった。楽しいことばっかじゃないからさ。ロックバンド続けるのってやっぱり大変なのよ。だからときにそれはロックバンドをあきらめてもいい理由になった。ときには前を向けなくて、誰にも気づかれないように後ろを向いた。そうしたら君がいた。……『ついて来てくれ』とは思ってなかったけど、ずっと見ていてくれることがこんなにうれしいことだと思っていなかった。君が好きなロックバンドは君がずっと好きでいてくれたからここまで来れた。ロックバンドをあきらめなくてよかった、ありがとう」
この渾身の一曲とはおそらく、2019年にリリースした「春が来てぼくら」のことを指している。ユニゾンとファンの関係性は今まで程よい距離感が保たれていて、特にユニゾン側から私たちファンに何か言うって言うのは滅多になかった。だからこそ、この時会場で、もしくは画面の前で田淵の言葉を聞いていたたくさんの「君」はきっと「ユニゾンを好きでよかった」と思ったはずだ。最後の一文に、田淵のその時の気持ちの全てが詰まっていたと、筆者は解釈している。
メジャーデビューシングル「センチメンタルピリオド」で幕を閉じたこの日のライブは、間違いなくユニゾン史に大きく刻まれるライブになった。筆者はライブ後しばらくパソコンの画面の前から動くことができなかった。それだけの熱量と感動を浴びた、ただただユニゾンに圧倒されたライブだった。
②【7/25】オーケストラを観にいこう
武道館ライブ二日目はユニゾンの実際の楽曲「オーケストラを観にいこう」をそのままタイトルにしたライブ。いつもはシーケンスを流し演奏している楽曲を中心に、ストリングスとブラスセクションの生演奏で送る一夜限りの豪華すぎるライブ。メンバー三人は黒のセットアップに身を包み、いつもとは全く違うスタイルに観客は湧き上がった。この日はいつものSE「絵の具」ではなく、モーリス・ラヴェルの「ボレロ」で開演。前半はストリングスセクション、後半は「USGフィル」とホーンセクションで構成されたスペシャルなライブには、多くのゲストがユニゾンの20周年を祝うべく、武道館に駆けつけた。まずは今年のFCツアーをユニゾンと一緒に駆け抜けたイズミカワソラ。お祝いの言葉を述べた後は、彼女もレコーディングに参加した「mix juiceのいうとおり」を演奏した。その後もBIGMAMAのドラマー・ビスたん、ハンブレッダーズのギタリスト・ukicaster、そして事務所の大先輩である東京スカパラダイスオーケストラが登場した。筆者は中でもスカパラが登場した時の会場の湧き上がりを鮮明に覚えていて、「君の瞳に恋してない」は過去最高レベルのクオリティであった。「今日が生きてきて最大のご褒美かも」と語った斎藤さんの言葉通り、メンバーにとっても観客にとっても贅沢すぎるライブだった。
③【7/26】"fun time 歌小屋"
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武道館ライブのラストはインディーズ時代から下北沢のライブハウスで互いの音楽を鳴らし続けてきた盟友・クリープハイプとの対バン。前半がクリープハイプ、後半がユニゾンという構成。ボーカルの尾崎世界観は「ユニゾンはすごく大事なバンド」と語った。クリープがうまくいっていなかった時に田淵に話しかけられたことで「もうちょっとやろうかな」と思えたという話に筆者が泣きそうになったのはここだけの話……。クリープハイプはヒットナンバーに加えて、インディーズ時代の曲「ねがいり」、ユニゾンのトリビュートアルバムにてカバーした「さよなら第九惑星」を披露した。
それに応えるようにユニゾンも開幕三曲はインディーズ時代のミニアルバム「新世界ノート」から披露。そして、この日1番の盛り上がりを見せたのがクリープハイプの「イト」をユニゾンがカバーした瞬間だった。クリープハイプが今年8月に初のトリビュートアルバム『もしも生まれ変わったならそっとこんな声になって』を発売したことを知っている人も多いと思うが、この日はまだアルバムの発売前。ユニゾンが参加することはすでに発表されていたが、一体どの曲をカバーするかはまだ明らかになっていなかった。そんな中での「イト」のカバー。「シュガーソングとビターステップ」のイントロ部分のセルフサンプリングから始まるアレンジに観客が熱狂したのも束の間、なんと2番は田淵がボーカルを務めるというさらなるサプライズに会場全体が驚きと歓喜に包まれた。実は筆者はクリープのトリビュートアルバムにユニゾンが参加すると知った時から、クリープの曲でユニゾンに一番合うのは「イト」だと確信していたので、武道館で期待通り、いやそれ以上の「イト」が聴けて大満足だった。まさか田淵がボーカルだとは全く想像していなかったけど笑。
インディーズ時代から下北沢で互いに頑張ってきた2バンドが今や日本のロックシーンの前線で走り続けているというのは、本当に奇跡のようなことだと思う。それは間違いなくユニゾンとクリープに才能があって努力を続けてきた証だ。
随分と長くなってしまったが、結局何が言いたいかというとユニゾン20周年本当におめでとう!というのと、いつも本当にありがとう!ということだ。筆者はこれからの人生でユニゾンに飽きるとか嫌いになるってことは絶対ないだろうし、ユニゾン側も音を鳴らすのを止めることはしばらくはなさそうだ。もし、この記事を最後まで読んでくれて(読んでいなくても)ユニゾンにちょっとでも興味を持ったり、ユニゾンいいじゃん!って思ってくれたりした人がいたら、今すぐこの記事から離れてユニゾンの曲を聴きに行って欲しい。きっとユニゾンのかっこよさに痺れるだろうから。
参考:
「日本武道館と初ベストアルバムで飾る結成20周年 観客と、リスナーと共有したい記念日の思い」https://natalie.mu/music/pp/unisonsquaregarden19
「UNISON SQUARE GARDEN結成20周年武道館ライブ、観客と共有したロックバンドの幸せの形」https://natalie.mu/music/news/584025#NA_article_main_h2_4
「ユニゾンとオーケストラが五線譜を飛び回った特別な一夜、サプライズゲストも駆けつけ20周年祝福」https://natalie.mu/music/news/584401
「ユニゾン×クリープハイプ、お互いの存在へ感謝を示した武道館アニバーサリー対バン」https://natalie.mu/music/news/584561
(文・だて)
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