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[座談会]ジャック・モーメント

アメツチ安藤×小出恵介×窪塚俊介×中島健×細川博司(脚本・演出)

ジャック・モーメントビジュアル撮影時
ジャック役:小出恵介
マッデン役:窪塚俊介
フロッグ役:中島健
演出・脚本:細川博司
聞き手:アメツチ安藤匠郎


安藤:よろしくお願いします ! では 、まずは皆さんの接点についてお伺いしたいのですが 、皆さん初めましてですか?
小出:窪塚さんは共演したことはないです。
窪塚:ないですね。今作が初めてです。
小出:中島さんとはドラマで共演したことがあります。
中島:共演はしましたが、空き時間とかで会話したかもわからないくらいです。ちゃんとお話しさせてもらうのは初めてなので緊張しています。
安藤:小出さんと 窪塚さんはどこかで一緒にお仕事されていそうなイ ーメジでしたが、意外とないんですね。皆さん映像のお仕事もあれば舞台にも出演されていますよね。
小出:昔は舞台に出させていただくということに対して、自分の中でイメージがなかったの ですが、20代の時に蜷川幸雄さんの舞台に出演させていただいてから舞台の世界にハマっていったんですよね。シェイクスピアもそうですし、清水邦夫さんや、寺山修司さんの濃い世界も含めて理解していき、舞台の奥深さに今はハマっています。
安藤:中島さんは舞台の経験が結構多いなっていうイメージですけれども。
中島:自分で見返してみたら意外と舞台やってきていたんだな、って思いました。
安藤:舞台は好きですか ?
中島:大好きです。
安藤:よかった!窪塚さんは青年座さんが舞台のイメージがすごく強いですがどうですか?
窪塚:そうですね 。でも僕は劇団員ではないので青年座の舞台との接点はないですね。
安藤:青年座に入られたのは?
窪塚:きっかけは新国立劇場の芸術監督でいらした宮田慶子さんとのご縁でした。
安藤:2014年版のジャックモーメントの脚本に目を通されたとは思いますが、本を読んでみての印象を聞かせてもらえますか?
小出:普通の青年たちがマフィアと関わることによって人生が狂って展開していくという構図だと思いますが、 「向こう側には向こう側の事情があったり」っていうドラマがある、ということがすごく明確に描かれていて、「群像劇だな」と思いましたし、「すごく読みやすいな」と思いましたね。「とても映像的な本だな」と思ったのでスタイリッシュな感じが出ると多分素敵なんだろうな、と思います。台本を読んだだけで1つ1つのシーンがまず映像で浮かびますよね。味わいました。
細川:それをどうやってライブでやるか、というのがこの演劇の課題だと思っています。
小出:そうですね。棲み分けができるって素敵だなと思います。
細川:もう勝算はあります。
(一同笑)
細川:そして今日キャスト皆さんに会えて間違いないと確言しました。
安藤:ビジュアル本当にかっこいいですよ!キャラ被りがないというか、見た目の雰囲気から被っていない状態で揃うので、それがずらっと並んだらその画だけでもいけるんじゃないかなって思うので楽しみですよね。窪塚さんはマッデン、どうでしたか?
窪塚:確かにすごく映像が浮かぶ戯曲だな、と思いました。ボスということで、年齢的にもう少し上の人が演じた方が説得力や有類性が高いのかな、とも思いつつ。でも、このキャストでどうヤクザにならずリアリティのあるギャングを演じられるのか、ということが僕たちの課題でもあるし、面白いところでもあります。僕が演じるギャングのグループと小出くんたちのグループはまたちょっと違う。ギャングを演じるのだけれど、演じてはいけない。芝居の根幹みたいなことですが、舞台上で生きるための材料を集めています。マフィア映画を見返したりしたのですけれど、結局「面白いなぁ... 」って普通に観ちゃいました(笑)
(一同笑)
窪塚:でもあの有名な映画を追いかけたらもうアウトじゃないですか。絶対にあんな風にはなれない。日本人だし。全然違うっていうところで「どうしたら僕たちのものとして表現できるかな」とか、「どう表現したらこの作品ができるのかな」っていうところを模索することになるのかな、と思っています。座長はもうね、しっかり連れていってくれるから安心ですね!
小出:いやいやいや!
窪塚:助けてもらいますよ、座長。
小出:振り回される役でもあるし…
安藤:確かに複雑ですよね。座長でもあるし、振り回される役でもある。
窪塚:大変だよね。
小出:そうですね…状況がどんどん展開します。
窪塚:美術とかはどういうものになる予定なんですか?
細川:美術は結構シンプルになる予定です。ブラックボックスみたいにして、椅子10脚用意します。その椅子の配置を変えていくことでその場面場面の絵を直感的に見せる、というやり方を取ろうと思っています。僕はずっと10年くらいその手法でやってきましたね。それを経て今、様々な技術を手に入れたので、それを1回全部出したいなと思っています。
窪塚:ではその椅子で数あるシーンを構築するっていうことですね。
細川:はい。なので、マルチキャストの皆さんが重要です。場面転換自体も見せ場になるような作りになるので。
窪塚:贅沢ですね。
小出:メインキャストだけでも14人いる中での8人はすごいです。
細川:場面転換も見せ場なんです。お客様を1分1秒退屈させない。そういう演出をつけていきます。
安藤:昔から僕は細川の客として見てたんですけど、場面転換を退屈させないっていうのは昔から徹底してましたね。
細川:そうですね池袋新宿の界隈では場面転換が上手いっていうので有名です。(一同笑)
小出:界隈があるんですね(笑)
窪塚:場面転換が上手い界隈なんですかね(笑)
安藤:今回品川まで広がるね(笑)
細川:広がる!皆さまのお力をお借りして今後も広げていきたいと思っております。
安藤:何か座長からメッセージをお願いします。
小出:とにかく楽しみです。多彩な方々がそれぞれフィールドで少しずつみんな違う感じもします。皆さんが集まった時にどんなハーモニーというか色味を帯びるのかな、とそして皆さんそれぞれの良さが出るといいな、と思います。結構物騒なストーリーではありますが、1個1個ちゃんとポイントが絶対あるので、そこがちゃんと光るようになると凄く綺麗な作品になると思っています。
安藤:そうですね。普段会わなさそうな方をあえて呼ばさせてもらいました。一方で細川の作品過去に出演している中で慣れている人もいたりしているので安心感はあるかと思います。
窪塚:前回のジャック・モーメントに出演されてる方もいらっしゃいますか?
安藤:ダニー・ビンゴ役の福地教光さんは過去のジャック・モーメントはもちろん、細川の劇団員としてやっていますね。マイキー・ザ・ボス役の土田卓さんは劇団員ではないけれど、細川の作品にたくさん出ています。
小出:そういうことなんですね。
安藤:その2人みたいに世界観を理解してくれている人たちもいないと成立しないと思っています。
小出:そうですね。そういう方々がいらっしゃると具現化しやすいです。
安藤:そういった安心できるいつものメンバーに加えて、小出さん、中島さん、窪塚さんはもちろん、山本さん(キット役の山本博)といった違うジャンルの方が入ることでいい刺激になるな、と思います。
小出:山本さんは舞台にはよく出られているんですか?
安藤:舞台はそこまでやられていないですが、コントでよく芝居していますよね。あとは元ボクサーの役なのでピッタリだな、と。
細川:役を説明したら一瞬で顔つき変わったんですよね。
小出:ヘえ〜!コントはすごく短い時間で役とかを作るんでしょうね。
安藤:なにか不安なこととかありますか?
中島:舞台って顔合わせがあるじゃないですか。僕…とてつもなく人見知りなんですよ。
細川:人見知りなら今回の役にバッチリなので大丈夫です!
中島:そうなんですよ。近い性格を持ってるのかなと思っているので、こういった機会をいただけただけで嬉しいです。ただ本当に顔合わせの空気が緊張するので苦手で…
細川:マネージャーさんがずらっといたりするもんね。
小出:あの空気でふざけたりすると「あいつ緊張してるぞ」とか思われるんじゃないかって不安になりますよね(笑)
細川:後で距離が縮まってから振り返るとあの空気なんだったんだ?ってなりますよね(笑)
小出:そう考えるとこうやって皆さんとお話できてよかったです。
安藤:そうですね!次にお会いするときは今よりもっとフレンドリーな感じでいけますね(笑)本当に座組み全体が仲良くなって作り合っていけたらと思うので、よろしくお願いします!ありがとうございました!