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Jeep Wranglerの世界 - 導入編

カルフォルニアに引っ越した際にJeep Wranglerを購入し、長年の夢を叶えることが出来ました。購入後、車やオーナーとしての体験などについて質問を貰うことが多々あったので纏めてました。

Wranglerって何?

Jeep社のクロスカントリーカーのことです。多くの人は「ジープ 」として連想する車かもしれないですが、モデル名はWrangler(ラングラー )です。

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型式やモデルが複雑

Wranglerの特徴として型式やモデルが複雑で、最初はとっつき難いかもしれません。これは製造された年代によって順にYJ、TJ、JK、JLという形式があります。モデル・チェンジをすることによって型式が変わるイメージですね。2018年にフルモデルチェンジをしたので現行型はJLですが、中古の購入を検討されていない限り、これは無視して大丈夫です。

型式以外に、スポーツ、サハラ、ルビコンというモデルがあります(米国では更にSports Altitude、Willys、Islander、MOAB、High Altitudeなどのモデルや、Pick Up型のGladiator、ハイブリッドモデルである4xe、V8エンジン搭載のRubicon 392なども存在しています)。モデル毎の違いは「オフロードスペックへの改造度の違い」と理解すると分かり易いと思います。スポーツはベースモデルで、ルビコンは本格的なクロスカントリーモデルとして改造されており、サハラはその中間と理解するのが良いと思います。

ところがラングラーの複雑さはここで終わりません。次に、ハード・トップとソフト・トップがあります。ハードは屋根が車体と同じまたは同様の素材でソフトは布製です。やり方や簡便さは違ど、いずれも上の写真の様に、屋根を取り外すことが可能です。JLからはSky One Touchという、天板が布の屋根がボタン一つで開くオプションが加わりました。

あと、4ドアのことをアンリミテッドと呼びます。なんでかは知りません。

日本で購入する場合はFCAジャパンのディーラー経由で購入するのが一般的だと思いますので選択肢は限られてしまいますが、米国で購入する場合はこれ以外に3種類のエンジン、トランズミッション、各オプションなどなど、色々と検討して購入することになります。

なぜ種類がこんなにあるのか?

オーナーになる上で、Wranglerは「クロスカントリー用のスポーツカーである」ということを理解する必要があります。クロスカントリー、つまり道なき道を運転することを想定してデザインされています。なので、求めらるパフォーマンスが運転する環境に応じて異なるため、様々なオプションが用意されている、ということです。

米国でも以前はスポーツ、サハラ、ルビコンしかなく、ベースモデルであるSportsを最低限のオプションで購入して、自分(またはショップと)で独自に改造するというのが一般的です。これは今でも変わっていないと思います。ただ、現行のJLからは上記の通りカテゴリーが劇的に増えており、これにより、Jeepは(私の様な)初心者やLight User層にも進出することが出来たと思っています。実際、JLのルビコンを見ることがとても多くなりました。

JLRU

私の愛車はJLRU(=JL型式 RubionのUnlimited(4ドア))で、色はGranite Crystal Metallicという暗めのグレーっぽい色です。

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↑筆写愛車。最高に格好良くないですか?笑

ルビコンは「本格的なクロスカントリーモデルとして改造されている」と前述しましたが、具体的にはGQさんのこの記事を読んで頂くのが良いと思います。とても素敵な記事です。

「読むのちょっと後にするわ」という方は、ルビコンは① クリープ力がハンパない、②車高が高い、③ロックスライダーが付いてる、④インテリアが赤で格好良い、と理解して頂ければとりあえずは大丈夫かと思います。

え?それでルビコンの性能は他とどう違うのか?

カルフォルニア北部にルビコン・トレールという荒々しいトレールがあります。同トレールを走破出来るように作られている、というのがルビコンのコンセプトです。カルフォルニアは海岸、山岳、岩山、砂漠などが入り混じる環境で、高低差や岩が多いことが特徴です。つまり、山の斜面などに岩がゴロゴロ転がっておりこれらを超えていける走行能力が必要です。

岩を上る。日本ではなかなか味わえない環境ですが、15〜20cm程度の大したことない岩であってもアクセルをふかして勢いで登ることは出来ません。タイヤでグリップして、トルクが高くなるクリープ(クリープ現象のクリープで、這う様にゆっくりと)で上ります。だから、クリープする力が強い必要があります(ちなみこれによりブレーキが重くなるという欠点があります)。クリープ力が高い=乗り越えられる走破能力が高いということです。

またそれだけでなくクリアランス(地面から車体までの高さ)が高いことも重要です。これは、車高を上げるまたはタイヤを大きくすることで達成出来るので、ルビコンは17 inch(約43cm)を標準タイヤとしています。標準タイヤはAll Trainsなので溝の深さも普通のタイヤよりだいぶ深いです。

尚、オフロードを本格的に楽しむ場合はそれでもタイヤを履き替えることをお勧めします。行くトレール、頻度、どの位の安心許容度を確保したいかにもよりますが、やはりクリアランスが高いことと、グリップ力が高いのは安心と走破能力に直結します。

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普通の車は下を擦らずにこの段差を上ることは出来ない

それでもカルフォルニアのトレイルでは「腹をする」ことがあります。一回や二回ではなく、何度も。。。その度に家族で悲鳴を上げてます。

でも大丈夫(?)ルビコンにはロック・スライーダー(直訳:岩滑り)が付いています。下腹部は全て鉄のガードレイルで守られており、滅多なことがない限り駆動系にダメージを与えることはありません。ロック・スライーダーがあるかないかは(精神的にも)大きな違いです。ただ、アリゾナなどの岩山が中心の環境下で本格的にオフロードをやっていこうと考えている場合は全面ガードに改造することをお勧めします。日本での障害物は基本的に土や木なのでこれで十分かなと思います。

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精神安定剤

この様にルビコンは直ぐにカルフォルニアのトレイルを走る準備が出来ているのですが、他のラングラー との最大の違いはインテリアが赤で最高に格好良いことです。自己満足を更に満足度の高い自己満足にしてくれます。

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赤のインテリアはルビコンだけ

冗談抜きにこの差は大きいと思っています。車を運転している時に乗っている時に視野にあるのは車の中なんです。フードが違うなど、ルビコン「だけの」エクストリアももちろんあるのですが(家族を半ば言いくるめて)自分のQOLを爆上げするために買った車の格好良いところが日々の視野の中に見えることはオーナー体験を著しく上げている要素であり、またラングラーの悪いところをいつの間にか「手間の掛かる子供ほど可愛い」風な感覚に変化させる不思議な力があります。

次回はラウグラーの良いところ、悪いところ、オーナーとしての体験をお伝えしていきます。

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