オンライン合同説明会「マドゴシ」誕生物語
北陸三県に特化したオンライン合同説明会「マドゴシ」。
2020年のサービス立上げから5年目に突入しました。
「マドゴシ」が地域企業へ提供できる価値とは。
誕生秘話からこれまでの進化、今後の展望について、弊社の仁志出と広瀬が語ります。
立上げ期
― 「マドゴシ」を立ち上げた経緯について教えてください。
広瀬:
きっかけは新型コロナウイルス感染症の流行です。
ちょうど就職活動が解禁される時期で、これまで対面で実施されていた合同説明会などの就活イベントが軒並み中止になりました。
学生も企業も「どうやって出会えばいいのか・・」と困っており、僕たちのところにも多くの相談がありました。地域のコーディネーターとして何か出来ることがないかと考えたのが始まりです。
仁志出:
実は、合同説明会のオンラインでの実施は、待っていればいずれ行政等が動き出すことも予想していたんです。ただ、学生からも企業からも不安の声が続々と届く中で、これはもう待っていられないぞ、と。
また、オンラインであっても双方向にコミュニケーションを取れるようなイベントを設計する自信もあったので、僕たちがやるしかない、という使命感もありました。
― 立上げにあたり、苦労したことはありますか。
広瀬:
とにかく時間がなかったので、サービスの設計から出展企業・参加学生の集客など、0~10まで急ピッチで進めました。寝る間も惜しんで取り組みましたが、不思議とそれを苦労とは感じなかったです。
コロナ禍で社会全体が大変な時だったので、自分にやれることがあるのはむしろ有難かったし、これまで積み上げてきた経験やスキル、地域の人たちとの繋がりを最大限に発揮できる機会だと感じていたのかもしれません。
サービスの名称は、仁志出さんが1分で考えてくれましたよね。笑
仁志出:
はい、ある朝窓の外を眺めながらヨーグルトを食べていた時に、降りてきました。笑
ガクトラボが大事にしたいのは、学生と企業との対等で程よい距離感と、企業規模や知名度に左右されない本質的なマッチング。事業内容などで機械的に結びつけるのではなく、会社や働く人の魅力がしっかり伝わってほしいし、敷居の高いイベントにもしたくなかった。
いきなり真横に座るのではなく、窓越しに「あ、こんにちは」と話しを始められるような距離感と、PCやスマホの画面越しに出会うというデジタル性をかけて「マドゴシ」というネーミングにしました。
― 2020年3月から準備を重ね、6月に本番を迎えた初回の「マドゴシ」。反響はいかがでしたか?
広瀬:
準備期間も短く、当時は企業側のデジタルリテラシーも追いついていない状態でしたが、16社の企業に参加いただき、学生も80名近く集客することができました。想像以上に皆さんに感謝されて、本当にやって良かったと思いました。
初回は無償で開催しましたが、参加企業の方が「こんなに良いマッチングイベントならお金を払ってでも出たい」と言ってくれたことが一番印象に残っています。
仁志出:
事業化に踏み切ったのは、北陸企業のデジタルリテラシーを上げていきたいという裏テーマもありました。
オンライン化が加速すると、下手をすれば都市部との格差がより広がってしまう。北陸を魅力的な地域にしていくために、ここは未だに課題であり、「マドゴシ」を続けていく意義の一つだと思っています。
また、副業人材・プロボノ・インターン生など多様なメンバーで立ち上げたこともチャレンジでした。オンラインのメリットでもありますが、国内外問わず色んな人が力を貸してくれて。だからこそ面白いし、難しい。いかにチームビルディングできるかというリーダー力が問われるし、すごく次世代的なチームだったと思います。そこは広瀬ががんばってくれました。
進化したこと
― 「マドゴシ」サービスを継続して5年目。これまでにどのような変化がありましたか?
広瀬:
対企業への伴走サポートは年々手厚くなっています。
必ずコーディネーターと現役の学生が1名ずつ付いて、出展前から複数回打合せを行っています。立上げ当初からプレゼンテーションや交流会の内容のブラッシュアップは行っていましたが、どの企業にも安定して伴走できるようになったのは大きな進化だと感じます。
また、現役学生の意見を反映できるところも「マドゴシ」の価値であり、強化してきた部分です。
事前ブラッシュアップは勿論、イベント実施後も当日の動画を見ながら「ここはこういう風に喋った方がいいです」など気づきを伝えたり、事前に立てた目標に対するフィードバックも学生と行ったりしています。
仁志出:
このように進化してこれたのは、立上げ当初から一緒につくってくれている方々の存在が大前提にあります。参加してくれる企業や学生からのフィードバックが「マドゴシ」をここまで育ててくれました。
一方で、運営サイドで携わっている学生にとっては、学びや挑戦の場になっていることも自分視点では大きな進化かなと。自発的にPDCAを回してトライ&エラーする姿も見せてくれています。
― 学生との接点機会の多さは、ガクトラボらしさですね。
広瀬:
そうですね、学生視点は常に大切にしています。
「マドゴシ」へ参加してくれた学生に対しては、様々な価値観やフィールドで働いている社会人との出会いを通して、自分のキャリアについて考える機会にしてほしいと考えています。
そのため、イベントの前後で希望者はコーディネーターとの面談を受けられるようになっていて、例えば「気になる企業と出会えたけど、自分からは中々連絡しづらい」といった気持ちに寄り添い、企業との橋渡しをするなど、ネクストアクションに繋げていけるようなフォローアップ体制も年々良くなっています。
「マドゴシ」のこれから
― 「マドゴシ」を通して、今後も提供していきたい価値について教えてください。
仁志出:
そもそも今の就職活動には色々と不合理な部分があると思っています。企業も学生もそれぞれ一生懸命だけど、お互いに辛い思いをしていることがある。
もっと気軽に、早い時点で企業と学生がお互いを知る機会が必要だと感じて「マドゴシ」をつくってきました。その本質はずっと変わらないと思います。
ただ、形はどんどん変わってもいいと思っていて、例えば今はZoomを使っているけど、もしかするといずれはメタバースでの開催になるかもしれない。もっともっとできる、まだまだやりようがあるだろうなと思って、ちゃんと進化させていくことが必要だと感じているかな。
広瀬:
「マドゴシ」を始めたきっかけはコロナでしたが、今年は能登の大震災もあって・・やっぱりその時々で手段とか武器を柔軟に変えていくことは大事ですよね。手段は何でもいいので、常に自分たちに求められていることは何かをキャッチしていきたい。
また、地域の未来を考えると、「マドゴシ」だけではやれることにも限りがあります。
より深く企業の採用課題へ入り込んだ伴走支援や、「マドゴシ」で培ってきた学生との接点機会やイベント設計のノウハウ活用は、地域で必要とされる場面があれば引き続き挑戦していきたいです。
― ずばり、どういった企業の方と「マドゴシ」でご一緒したいですか?
広瀬:
今まで採用の手法を色々試してみたけど上手くいかず、ちょっと変わった手段・アプローチへ挑戦してみたい企業の方ですかね。特に、「イマドキの学生が何を考えているか分からない」「学生の気持ちに寄り添って採用のやり方を見直したい」というお悩みがあれば、僕たちの強みを発揮できると思います。
仁志出:
マッチング件数など数字を追うことも大切ですが、どうやったら自社の魅力がうまく伝わるだろう、学生は何を考えているんだろう、とプロセスにもこだわって、一緒に試行錯誤できる方だったら最高です。
実際のイベントの様子や、出展企業インタビューはマドゴシnoteマガジンからご覧頂けます。
参加のご希望やお問い合わせは、こちらからお気軽にどうぞ。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!