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ガクトラボ Culture Deck 誕生ものがたり

株式会社ガクトラボは、このたび「Culture Deck(カルチャーデック)」を策定しました。

私たちは創業当時から、「学生・若者」と「地域・企業」をつなげることをモットーに、金沢や北陸全体が挑戦と革新であふれるように、さまざまな事業を行ってきました。ありがたいことに組織が成長し、さまざまな人がさまざまな関わり方をするようになりました。

多彩なメンバーが増える一方で、組織が複雑になり、一人ひとりの繋がりが薄まる感覚も増えていきました。リモートワークの導入でそれは加速し、なぜガクトラボで働くのかを、メンバーが見失いそうになることもありました。

どんな地域の未来を迎えたいのか。そのために自分たちがなぜ必要なのか。ガクトラボに関わるメンバー全員が同じ方向を目指せるよう、私たちのあり方を改めて見つめ直し、言葉に託しました。

学都を育て、学都に育つ私たちの、Culture Deckものがたり。その一部をご紹介します。


顕在化した組織の綻び

はじめは、ちょっとした違和感からでした。

創業当時は地域の要になることを目標に、ひたむきに、がむしゃらに、メンバー全員が一体感を持って動いていました。その私たちを繋ぐものが、だんだんと薄まってきたように感じました。

仕事を「無難にこなす」ような姿勢が散見されるようになりました。
リモートワークの普及で、業務以外の会話をする機会が減っていきました。
創業メンバーの退職などもあり、社内の雰囲気が変わっていきました。

なぜ私たちはガクトラボにいるのか。なにをガクトラボで成し遂げたいのか。

それらの答えを言葉にできないまま、私たちはまるで霧の中を進んでいるようでした。

このままではいけない。「一人ひとりの挑戦が、地域の挑戦に」を掲げる私たちだからこそ、この状況を打ち破り、新しいガクトラボとしてビジョンを再定義したいと思うようになりました。

そんな中、Culture Deckの存在を思い出しました。Netflixが策定したものが最も有名ですが、近年ではメルカリなど国内外のさまざまな企業が、自分たちの組織文化を社内外に伝える手段として使い始めていました。

私たちガクトラボも、私たちが大切にしてきた想いや文化を言葉にし、共有することで、メンバーや地域と繋がっていけると考え、Culture Deckの策定に踏み切りました。

なにを、どうやって語り合ったか

ビジョンを再定義するにあたって、今までと同じようにオンラインでミーティングするだけでは、新しいモノの見方を得ることや、ガクトラボ自身を再発見することが難しいように思われました。

そこで私たちは、対面によるコミュニケーションの機会を設け、カルチャーの醸成を担うチームを結成することで、私たちの目的を深く問う、機会と仕組みをつくりました。

2度の合宿と3つの要素

リモートワークの普及で、さまざまな働き方ができる組織にはなりましたが、メンバーの多くが、対面でのコミュニケーションに飢えていました。より正確には、私たちのリモートでのコミュニケーションは具体的な業務の内容がメインになっており、理念やビジョン、やりがいなどを共有する機会があまりありませんでした。

そこで私たちは2度にわたって合宿を行い、ガクトラボの理念を再確認することにしました。対面で話し、飲食を共にすることで、チームを覆っていた霧が、少しづつ晴れていきました。

富山合宿でのグラレコ

1度目の富山合宿では、私たちがすでに備えている強みや、一人ひとりが大切にしてきた価値観を相互に確認しました。

自分たちが何者かを知るのは、想像以上に複雑で、時間がかかるものです。合宿で見つけたビジョンの種を持ち帰り、他のメンバーにもヒアリングをしながら、ゆっくり丁寧に練り上げていきました。次の合宿まで、約8か月を要します。

2度目の沖縄合宿では、一人ひとりの想いを束ねて、組織のあり方や価値観を言語化することをゴールに設定しました。そしてその際、私たちのCulture Deckの3つの柱として PurposeCultureGround Rules を置くことにし、その中身を検討しました。

多くの企業では、組織の理念を表すために Mission・Vision・Values を設定しています。当初は私たちもそれに則るつもりでいました。ですが、ガクトラボの過去・現在・未来を内包し、私たちが育んできたものを表すぴったりな言葉がほしい。そう感じた私たちは、ガクトラボならではの3要素を設定することに決めました。

Purpose
ガクトラボの中心にあるもの。存在意義。
望んでいく未来。
Culture
ガクトラボの「らしさ」がにじみ出たもの。
過去からの積み重ね。
Ground Rules
ベースとなる心構え。
これまでも、そしてこれからも大切にしたいこと。

沖縄合宿前のブレインストーミング

すでに世の中にあるフレームワークではなく、独自の要素を再構築したため、より多くの時間とエネルギーを必要としました。その分、より強い一体感と、より鮮明な納得感を得ることができたと自負しています。

カルチャーガーデニングチームの立ち上げ

1度目と2度目の合宿の間に、私たちは「カルチャーガーデニングチーム」を発足しています。

近年ではCCO、"Chief Culture Officer" という担当役員が存在する企業もあるほど、企業文化の浸透と発信は欠かせないもの、という考えが広まっています。私たちも、事業領域の拡大やメンバーの増加、時代の変化に合わせて、私たちのカルチャーに対する認識を改善していきたいと考えています。そのためには、カルチャーを継続的に考え続けるチームが必要でした。

企業のカルチャーは、どこか別の場所から無理やり持ち込まれるものではありません。企業に所属している一人ひとりと、その関わり合いから生まれるものです。かといって、自由奔放に放置していいかというと、それもうまくいきません。

チーム発足前のガクトラボは、言うなれば野生の山、むきだしの自然のような状態でした。各々が個性を発揮するものの、うまく噛み合わないこともしばしば。

自然の良さを活かしつつ、枝を剪定したり、小川を流してみたり、種を集めて芽吹かせてみたり。新しく発足するチームは、成長する場所を整える庭師のような存在でありたい。
そんな想いが、カルチャーガーデニングという言葉には込められています。

対話を重ね、想いをブラッシュアップ

Purpose・Culture・Ground Rulesという3つの要素も、ガーデニングの活動から生まれました。振る舞いを会社が規定するのではなく、ありたいように振る舞うことが、会社と地域に還元されるように、その場を編んでいくことを目指しています。

2度の合宿とチームビルディング、全社的なアンケートも経て、Culture Deckはできあがりました。

完成したCulture Deckと、込められた想い

こちらが、完成したCulture Deckです。

ビジュアル化したCulture Deck

Purposeは、「学都を耕し、挑戦を育てる」。
私たちは、私たちの地域の力を信じています。地域とそこに住む人々の成長を信じ、後押しする存在でありたい。ガクトラボ自身が地域を変えていくのではなく、地域が変わっていく土壌をガクトラボが耕す、という立ち位置を大切にしています。

Cultureは、ガクトラボからにじみ出る、私たちの「らしさ」。次の3つを選びました。

コーディネーターマインド
対話・多角的・価値創造
ガクトマインド
地域・応援・未来
ボーケンマインド
好奇心・色・挑戦

これらはすべて、ガクトラボが創業当時から現在にいたるまで大切にしてきたあり方です。そしてこれからも、このマインドを育んでいきたいと思い、ガクトラボに通底する文化として、言葉に表しました。

Ground Rulesでは、そのようなガクトラボのこれまでとこれからを支える心構えとして、次の3つを選びました。

Will
個とチームの色を出す
Believe
可能性を信じ切る
Playful Try
挑戦と少しの遊び心

行動の一つひとつに、ここで示された心構えが生きているか。その姿勢の積み重ねが、私たちの事業を意義あるものにし、「学都を耕し、挑戦を育てる」ことに繋がっていくと考えています。

完成したCulture Deckには、メンバーからさまざまな感想が寄せられました。

耕すと育てるという表現が特徴的で、ガクトラボのスタンスが溢れている言葉。自然発生するもので、あくまで育ちやすい環境整備をする立ち位置であるというところが、コーディネーターのスタンスに表れていると感じた。

学都や挑戦という言葉は、ガクトラボを象徴する言葉だと感じていたので「ガクトラボ」らしさが表れていると思った。改めて言葉にすることで自分が何のためにガクトラボで働いているかを再確認できると感じた。

「学都」が金沢とガクトラボを連想させ、「耕し、育てる」が一方的なサービスではなく、一緒に良い未来を作り上げていく感じが伝わってくる素敵なパーパスだと感じました。

もちろん、Culture Deckは作成して終わりではありません。メンバーが同じ目的に向かって歩み続けられるよう、全員の想いを共有し、汲み取っていくことで、Culture Deckそのものを育てていくことが大切です。

これからさらにメンバーが増えたり、世の中の流れも変わったりするでしょう。柔軟に、しかし意志は強く。引き続き、時代や環境に合ったCulture Deckにアップデートし続けていきます。

私たちが大切にするこの地域から、新しい挑戦の種が生まれ、育ち続けるかぎり、私たちガクトラボはその成長を誰よりも信じ、この地域を耕し続けます。 



株式会社ガクトラボ
https://gakutolab.co.jp/
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