藤原 博史「猫の行動を読む」
私は行方不明になってしまったペットをご家族から依頼を受けて捜索するペット専門の探偵社「ペットレスキュー」という会社を一九九七年に設立し、全国から依頼を受け二七年間で約六〇〇〇頭の迷子ペット達を捜してきました。
開業当時は第一次ペットブームがようやく落ち着きつつあり、番犬やペットから家族の一員であるコンパニオンアニマルへと意識の変化が起こりはじめた頃でした。
当時は「ペット探偵」なる職業は全くと言っていいほど認知されておらず、新手の詐欺商法? とか変人扱いをうけることがたびたびありました。
ペットが行方不明になってもそのうち帰ってくるだろう、どこかで生きていくだろうとある意味現在より大らかで牧歌的に捉えられており、迷子のペットに関してはまだ危機感も希薄な時でした。
野良犬や野良猫達が徘徊していた頃はゴミの管理がきちんとなされておらず、食べ物を漁ったり人から餌を与えてもらい何とか生き延びていくことも可能でした。
現在、捜索の依頼は大半を猫が占めますが、犬、鳥、小動物の相談も多く稀に脱走した爬虫類や昆虫などの捜し方をアドバイスしたりもしています。
―『學鐙』2024年秋号 特集「“読む”の諸相」より―
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