第1回ケース実況中継「コンビニのキャッシュレス化」
就活お嬢様ですわ✨
今回は、ケース面接やGDの初心者の方に向けて、わたくしがケース問題を考えるときの頭の中身の動きをそのまま可視化する目的でnoteを書きましたわ。
ケース問題を目の前にしたときに、何からとっかかりをつけるのか、全くわからないという方のご参考になれば幸いですの。
ちなみに、このnoteは300円の有料設定ですが、全部無料で読める設定になっておりましてよ。
もし物好きな方がいらっしゃいましたら、わたくしのお茶代でもカンパしていただけると大変嬉しいですわ😊
とりあえず、さっと頭から読んでみてくださいまし。
以下、本編ですの〜❗️
はじめに
ケース問題のコツとは抽象と具体を行き来することですわ。
与えられた課題から、重要な論点を考えてそこから具体的な話へと降ろしてみたり、具体的な思いつきから抽象的な論点を逆に抽出してみたり…
第1回のケース対策講義では、まさにその発想が重要な代物を取り上げますの。
本noteは、直感や常識で考えればすぐ繋がるような内容も、一つ一つ丁寧に思考を追っていくような作りになっておりますわ。冗長な部分もありますが、ぜひお付き合いをお願いいたしますの。
お題
「コンビニを5年以内に完全キャッシュレスにする施策を提案して下さい」
こちらは、某総合コンサルティグファームの過去問ですわ。onecareerからとってまいりましたの。
皆さんならどこから手をつけるでしょう?自主学習用であれば、5分ほどで方針を考えてみてくださいな。
はい、では解説していきますわ。
前提確認
まずは最初に設定すべき前提を考えましょう。アプローチや論点を考えようとした際、コンビニ一店舗の取り組みなのか、企業の全体戦略なのかで規模感が全然違うことに気づかれると思いますの。とりあえず、普通コンビニ一店舗だけでキャッシュレス化を進めることも考えにくいので、今回は全体戦略ということにしておきましょう。
他に考えるべき前提はあるかもしれませんが、ひとまず思考を進めてみて、あとで不都合が出てきたらそのとき決めていきましょう。
さて、次に感じていただきたいのは、直感的に考えてみて、完全にキャッシュレスってリスキーでは?ということですわ。いまだに日本では現金払いが多いですわ、その中であえて現金に限る理由は何でしょう
(ここまで具体的な直感ですわ、ここから抽象的な思考に移りますの)
ここに思い至ったとき、今回の施策を打つ目的を考えばければならないだろうということになりますわ。客足が遠のくリスクを抱えてまで、なぜキャッシュレス化を進めるのか。
では、企業の最上位目的から考えてみましょう。企業の活動目的は利益です。今回の施策も何らかの形で利益につながるはずですわ。
(抽象的思考ですわ、ここから利益というものをだんだん具体的に掘り進めていきますの)
利益は「売上-コスト」で決定するものですわね。ということは、キャッシュレス化がこの二つの変数に何かしら影響を与えるのではないでしょうか。
まず、コストはわかりやすいですわね。キャッシュレス化を進めることは、工数の削減に繋がりますので、オペレーションを少人数でも回しやすくなりますわ。現金のストックが不要になることも、管理の面で楽になりそうですの。
では、売り上げには何か影響があるのかしら?これは、マーケティングに興味のある方なら思いつきやすいですが、キャッシュレス、すなわち電子決済やカード決済は、消費者の生活スタイル全般の情報を追いやすくなりますの。カード会社などと連携して消費者情報をさらに追いやすくする、ということはあり得そうです。
ここまで考えると、今回の施策は、工数のコストカットや消費者情報を追うことが目的ではないかと考えますの。
なので、少し考えれば当たり前の結論ですが、「キャッシュレス導入の結果、コストが上がるような施策はだめ」「消費者離れを抑えねばならない」という前提が改めて導かれますわ。
(具体的なお話を改めて、方針、前提としてまとめ直しましたの)
当たり前なのですが、極端な話、この前提をガン無視すればコンビニ全店でとりあえずキャッシュレスのみにするということも物理的には可能なのですわ。
では、なぜケース問題の題材にされるのか、というミソを探るためにも、一度確認する意味はあったと思いますの。
目的からお題を捉え直す
では次に、できる限りコストを抑えつつ、消費者離れも防ぐ必要があるという前提で、もう一度このお題を考えてみましょう。
まず、単にキャッシュレス化を進めると何が問題なのかを考えますわ。
完全にキャッシュレス化された状態とは、「お客さんがカードや電子決済でのみ支払いを行い、店側がその支払いを承認する」という状態です。
(↑キャッシュレス化された状態、という概念を具体的なシーンに移しましたの)
コンビニは、すでにほぼ全ての店舗でキャッシュレスの対応が可能であり、現金払いがなくなる分には問題ないような気がしますわ。
問題があるとしたら、客側の方でしょう。何かしらの理由で、客側がキャッシュレスに対応できない、あるいは嫌がることがあれば、コンビニはお客様を失うことになりますわ。
ここで、鋭い人はどこまでの客離れであれば許容ラインであるのか、という考えに至ると思いますの。しかし、それを定量的に議論するには情報量が少なすぎますので、「できる限り防ぐ」という曖昧さの残るままとりあえず思考を進めていこうと思いますわ。
(具体的な思いつきはここまで、改めて抽象的な思考を働かせますわ)
今回のターゲットの確認
さて、ここまで整理したとき、今回の施策で注目すべきターゲットが見えてまいりましたわ。
コンビニでキャッシュレスを導入したら、離れてしまうお客様ですの。ここまでだと、なんの価値もない当たり前の提案なので、もう少し具体像を深めていきましょう。
なぜ、キャッシュレスを導入すると客が離れてしまうのでしょうか。
・キャッシュレス払いの用意がある客
・キャッシュレス払いの用意がない客
とりあえず分けてみましたが…
うーん、クレジットカードもsuicaもあるいはバーコード決済も利用できない人類ってどれだけいるのかしら…
(後で調べたら、クレカの普及率は85%ぐらいらしいですわ)
そう考えると、この分け方はあまり意味がなくて、なんでキャッシュレス支払いをあんまり使わないのか、その理由を考えた方が良いかもしれませんわね。
(↑具体的な想像から、論点をもう一度定めましたわ)
とりあえず、もう一度、キャッシュレス支払いをしない人の解像度を上げてみましょう。
・現金しか持ち歩く習慣がなく、スマホに決済アプリも入れていない
・クレジットカードを持っているものの、使わない(なぜ?)
・suica持ってるけど、残高が残っていない
適当にブレストしてみましたの。
うーん、ちょっとこれはキャッシュレス支払いの具体的な手段ごとにデメリットをまとめてみてもいいかもしれませんわね。
クレジットカード
・少額の支払いでいちいち番号を打ったりするのが面倒
・使った額がわからなくなる
・少額の支払いなら、現金で事足りる
suicaなど電子マネー系
・持ってるけどいつもは持ち歩かない
・残高がよく切れてる
バーコード決済
・導入の時の口座連携で作業止まってる
こうしてみると、支払いの際にキャッシュレス支払いよりも、現金の方が手軽、という方が現金払いを使っている可能性がありますわね。
支払うときの煩わしさが、人によっては
現金>その他決済手段となっている状態が問題だと改めて定義できますの
(↑再度、抽象化。そしてこれから具体を再び考える流れへ↓)
いざ、施策へ
では、煩わしさを軽減する策を考えてみましょう。
駅近のコンビニなどでは、suicaなどの保有率がほぼ100な上、チャージがされている可能性も高いので、suicaの利用促進で良いでしょう。
JRなどと共同して、万が一のチャージ切れの場合に備えて、チャージ設備を整えれば良さそうですわ。
クレジットカードは、利用促進をするかどうか迷いますわね。
他の決済手段に比べて支払いのテンポが悪いので、「不便」と思われてしまう可能性がある上、あまり促進の方法も思いつきませんの。
バーコード決済は、若者層を中心に普及が進んでいますわね。
そもそもの導入はpaypayなどが大量の宣伝費をかけてやってくださってるので、そこに相乗りいたしましょう。公式LINEとの接続でお得なクーポン、とかやったら面白そうですわね。
不便さの減少ではなく、使用するインセンティブの増加に訴えますの。
あとは、全般的な話として、既にキャッシュレスの利用が促進されている都市部を中心に完全キャッシュレスの店舗を試験運用。
5年変えて徐々に消費者になれさせると同時に、課題を発見するモデルとするみたいな話もできますわね。
そして、「キャッシュレス移行により他社に客が流れないようにする」という論点を思い出せば「大手コンビニチェーンで足並みを揃えて移行を行う」という話もできますわ。
(デジタル格差的な倫理的問題はありますが…)
終わりに
さて、こうやって頭から順に考えてみましたが、いかがでしょう?
実感して欲しかったのは、抽象と具体の行き来ですの。
実際、「キャッシュレスってリスキーでは?」という具体的な思いつきから、施策の目的という抽象的な上位概念に発想を飛ばしたり、キャッシュレスという概念を、店舗と顧客相互のやりとりとして具体的に捉えることでヒントを得たり。
具体的な事実を解釈し、抽象的な部分から発想を敷衍するという思考の広がりが、回答にヒントを与えてくれていることに気づくと思いますわ。
ケース問題は、まさにその抽象と具体の思考力が見定められています。ぜひ、このやりとりを楽しいと思えるよう、身近な商売にも興味を持ってみてくださいな。
それでは、第1回ケース講義はここで終わります。お疲れ様でしたの〜〜❗️
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