ホテルマンと宿泊客が共に築く時間、ホテルに生まれる新たな共有スペース|里山リゾート「OOE VALLEY STAY」から巡る、鳥取の旅。
吹雪に見舞われた2021年1月29日。
暖房で温まった部屋のデスクにパソコンを広げる、ここは鳥取県鳥取市にあるアパートの一室。
私と同じように全国各地から参加する6名と今から2時間、ここから一歩も動かずに鳥取県八頭町にあるOOE VALLEY STAYヘ遊びに出かける。
朝の会、そしてはじまる校内案内
「皆さん、こんばんは!朝の会ということで皆さんに集まってもらいました。OOE VALLEY STAY がもともとが小学校だったということもあって“朝の会”と(させていただきます)。最後のお別れのときは終わりの会ということにさせていただきたいと思います。」
こう話すのは案内人の石橋さん(以下ばっしーさん)。
生まれも育ちも鳥取県で旅をすることが大好きだという。
ばっしーさん:「それではチェックインの方をさせていただきます。こちらがフロントです。OOE VALLEY STAYって書いてあるこちら、わかりますか?銅板になっているんです。鳥取県の職人さんが手掛けたものでして、館内の至るところにこうした匠の技が見られます。そういったものを探すのも面白いのでぜひぜひ探してみてください」
(本日の案内人。OOE VALLEY STAY のばっしーさん)
チェックインを行うフロントの紹介とともに館内案内が始まった。
まず二階の女子ドミトリーの紹介。
こちらはロフトタイプで清潔感のある可愛らしいデザインとなっている。
ばっしーさん:「女子ドミトリーの特徴的なところがございまして.....ジャジャン!これが洗面台ですね。そして奥にトイレがあります」
(女子ドミトリー最大の特徴は洗面台の数がたくさんあること。
大人数で宿泊しても安心です)
洗面台の鏡の奥には小学校時代から使われている大きな窓があり、光がきれいに差し込むデザインになっているとのこと。
共有の洗面台...と聞くとなんとなく使うことをためらわれる方もいるのではないかと思うが、こちらはそんな心配を払拭してくれるほど清潔感が保たれているのが画面越しにも伝わった。
続いて、ロフトのお部屋へ。
こちらは最大5人の宿泊が可能なためグループで利用するのに最適だ。
木が多く使われておりあたたかさを感じるこのお部屋では、話に花が咲きついつい夜更かしをしてしまいそうだ。
(木が醸し出すアットホームな温かさ。普段は言えない言葉も口にできそうだ)
三階へ上がる階段とその上にある窓は小学校時代のもの。
高い天井が印象的な三階の廊下は二階とはまた異なった雰囲気を醸し出していた。
まずはツインルームから。
シンプルだけれどところどころにこだわりを感じられるお部屋はゆったりと心休まる時間を過ごせそうだ。
(シンプルの中にもしっかりこだわりを感じられるツインルーム)
ばっしーさん:「本日は生憎の天気で、焚火ができないということもあって...」
ばっしーさんが扉を開けると、奥にはOOE VALLEY STAYの中で最もグレードの高いジュニアスイートのお部屋が広がっていた。
落ち着いた色のインテリアで彩られたお部屋は高級感はあるものの心からくつろげるような、そんな印象をもった。
ばっしーさん:「本当なら校庭にタープを張って焚き火をしたいんですが、本日は雪のためプログラムを変えまして、ここで石橋もお話をさせていただきたいと思います」
焚き火がなくてもクイズに火はつく
降り積もる雪を尻目にジュニアスイートのお部屋から始まった団らんタイム。
ばっしーさん:「もう召し上がっておられる方もいらっしゃいますかね、お送りしたささみやバームクーヘンをつまみながらぜひぜひ団らんを楽しんでもらえたらと思います」
(美味しいバウムクーヘンの食べ方を伝授するばっしーさん)
参加者には事前にささみの燻製とバウムクーヘンが届けられた。
大江ノ郷自然牧場の天美卵という高級卵を使ったバウムクーヘン。
こちらは火で炙ると香ばしくなって美味しいそうで、通常の焚き火体験では串に刺して炙ってから召し上がってもらうそうだ。
もう一つは、鹿野地どりピヨという鳥取県のブランド鶏を燻製したささみの燻製。
こちらは大江ノ郷自然牧場にある燻製工房で作っているもの。
各々が商品を楽しむ中、ささみの燻製を狙う猫が画面に映り込む様子も見られ、場が和やかになってきたころ参加者の交流が始まった。
今回は愛媛県、高知県、兵庫県、鳥取県、東京都と日本各地から参加者が集まった。参加者の中にはOOE VALLEY STAYに宿泊されたことがある方もいらっしゃった。
旅行が好きだがこの状況下では行けないために参加された方がほとんどだった。
皆さんが和気藹々と団らんを楽しんでいると、OOE VALLEY STAYクイズが開催された。
クイズ内容はばっしーさん曰く「簡単」だという以下の4問。
(第一問) OOE VALLEY STAYは7月◯日にオープンしたでしょう?
(第二問) 校庭の桜は樹齢何年でしょう?
(第三問) 大江ノ郷で2019年に一番売れた商品は?
(第四問) 卵を使った商品は何でしょう?
...しばらく唸り声が響いていた。
参加者:「ちょっと難しすぎじゃないですか?ヒントください!」とヒントを求める声も上がる。
すると、推理しましょ!みんなで!と参加者のひとり。
皆さんの答えが出そろったところで正解発表にうつった。
(第一問) 7月20日
(第二問) 70年
(第三問) プリン
(第四問) 大江ノ郷で販売しているスイーツや食事(シュークリーム、フィナンシェ、パン、釜玉うどん、だし巻き卵など)
参加者のひとりがOOE VALLEY STAYのオープン日と同じ日が誕生日だったようで、場は一気に盛り上がった。
参加者:「なんだか縁を感じますね!」
参加者:「7月20日にみんなでOOE VALLEY STAYに集まりましょう!」
感染症を乗り越えた世界の7月20日、対面で笑い合えることを祈った。
思い思いの鳥取が、思い出になる鳥取に
ばっしーさん:「こちらが、一番売れているプリンです」
クイズにも登場した大江ノ郷でいちばん売れているプリンは鳥取空港内のHANAREでも購入可能だそうだ。
そんな大江ノ郷の美味しい食べ物をたくさん紹介してくれたばっしーさんの一押しは、大江ノ郷ヴィレッジで食べられる釜玉うどん。出汁にこだわりがあるだけでなく、一緒に食べられるたまご天が絶品だそう。
一回に一食しかたべられないのに美味しそうなものがたくさんある!と嘆く参加者も。
オンライン宿泊も終わりに近づく中、ばっしーさんは鳥取県の観光スポットをシェアしてくださった。
フルーツが有名な八頭町ならではの収穫体験や竹林公園の話から、鳥取の自然についての話へ移り変わっていった。
鳥取県東部にある浦富海岸は、今回の参加者の多くが訪れたことがあるそうで、その美しさに感動したといった声があげられた。
ばっしーさんは参加者から浦富海岸のクリアカヤックを勧められ、次の夏には訪れたいと目を輝かしていた。
(鳥取県東部に位置する浦富海岸は参加者一押しの観光スポット。Google写真検索より引用)
案内人のばっしーさんを含め参加者それぞれが全国のおすすめスポットを紹介し合い、場が賑わったところで惜しくも終わりの会が開かれた。
参加者からは「オンライン宿泊とは一体何をするかわからなかったけど、交流ができてすごく楽しかった。あっという間でした」という声。
「これから鳥取に行った際に遊びに行きます。楽しみにしています!」と実際に足を運びたいといった嬉しい感想も。
(外では雪が吹雪くなか、心温かなままオンライン宿泊は終わりの会で閉じられた)
会議も、講演も、友人との飲み会も。多くのことが“オンライン化”された昨年以降。
「宿泊までもがオンラインになって何をするの?」といった意見を持つ方も少なくないと思います。
ただ、普段は挨拶くらいしか交わさないホテルマンと宿泊客。
その関係が崩れたところにホテルの本当の姿があらわれる、そんな気がしました。
オンライン宿泊、それはホテルマンと宿泊客が共に築き上げる新しい共有スペースなのかもしれません。
旅行にいきたくても行きづらい...我慢している...という方。
オンラインで新しい旅の楽しみ、体験してみてはいかがでしょうか?
この記事は、「仕事がめぐる、前へすすむ。」をコンセプトに運営するYELL FORのプロジェクトメンバーが一部制作をしています。
YELL FORについて詳しくはこちらからご覧ください。
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