投稿をはじめる私のこころ
10月6日は「憲政の神様」尾崎行雄(咢堂)翁の命日です。65回目の命日にあたる今日から、筆者自身の備忘録として、又同時に咢堂翁の思想を読者の皆様にご紹介するためにnoteに投稿を始めます。
咢堂翁の政治関係の著書には、選挙権の貴さとその使用方法を選挙人に向けて説く、今で言うところの主権者教育に関する記述が数多くあります。選挙の投票率が減少傾向にある今、読み直される価値があると筆者は考えています。
また、咢堂翁の著書の主題は、政治の関係に止まらず、世界平和に関すること、日本の文化や文字に関すること、翁の人生観など、多岐にわたりまが、当面の間は前述の理由から、政治に関すること絞ってご紹介して行こうと考えています。
本格的な記事の開始は次回に回し、今回は『民主政治読本』の一節をご紹介して終わりに致します。
私の記事が、咢堂翁の思想を一文倍増しに宣伝する一助となれば幸いです。
新日本75年10月6日 咢堂ファン/ガガガーガ・ガークドー
もしこの本をよんで,なるほどと合点し,われは奴れいにあらず,各種の基本的人権を所有する自主人であることを自覚した人ありとせよ.その人が,その得たる自覚をもって手近なもう1人の自覚を促し,その人がさらに他の1人に宣伝すると,あたかも池中に投ぜられた一石が先ず一波を生じ,これより千波万波を生ずるごとくなれば,全日本人の奴れいこん性を一そうし,封建思想を克ふくして,平和日本再建の大業を成就することも,かならずしも不可能事ではないとおもう.
(中略)
読者諸君の中,もし幸に私のいう所に道理があり,それが正しい国家再建の方途であるとみとめられる方があれば,どうぞ1文倍ましで次から次へ,これを宣伝し,目前の利害損得をすてて,国家再建の正道を日常生活の上で実行してください.
私はこの本が,山村のろばたで一家団らんのうちに読みまわされるように希望する.私は心ある人によりこの本のどこの一節でもが,農村のおひまちのつどいの中にその夜の話題のひとつとして,とりあげられることをねがう.
私はこの本の内ようが,男女青年の読書会等で,職場帰りの工員のグループの雑談で,或いは新教育制度の6.3.3中の最初の3(今の中学,女学校の低学年)あたりの公民教育の課外教材として,するどく批はんせられることを切ぼうする.
(引用者注:引用に際して、旧漢字・旧仮名遣いを新漢字・新仮名遣いに改めた。)
尾崎行雄『民主政治読本』(日本評論社,1947年)5ー7頁。
国立国会図書館ウェブサイトを参照:https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1438958
咢堂翁の略歴については、既に詳しい説明がネットでも閲覧できますので、そちらに譲ります。代表的なウェブサイトを以下に示します。
国立国会図書館『尾崎行雄 近代日本の肖像』国立国会図書館ウェブサイト https://www.ndl.go.jp/portrait/datas/47.html (閲覧日: 2020 年10 月6 日)
尾崎行雄記念財団『咢堂・尾崎行雄』尾崎行雄記念財団ホームページ https://ozakiyukio.jp/yukio.html (閲覧日: 2020 年10 月6 日)
『憲政の父 尾崎行雄の生涯』 youtube https://www.youtube.com/watch?v=LJ3hQWlWX80 (閲覧日: 2020 年10 月6 日)