映画『ブラックレイン』でご一緒した松田優作さんの命日に，奇しくも出て来た過去ノートの手記をここに記しました。

★【 松田美由紀　亡き夫・松田優作さんの35回忌を報告　長男・松田龍平も墓参りに「皆んな幸せに生きてます」】→ https://news.yahoo.co.jp/articles/02a6339f78d1fa9e229aebb9ac79d86e71c256d9

上記のニュースを見……。奇しくもこの所の断捨離の中，出て来たノートに書き記されていた事を，今ここに活字にして残しておこうと思い『note』に書きました……。『ブラックレイン』の撮影が終わって帰国した直後の秋でしたから，自分は当時29歳。今から36年前の手記になります。改めて優作さんには感謝と御礼と共に合掌です。 (　−」)φ~~ (ｖ_ｖ*） m(__)m -ps- そして厚かましくも・僭越ながら今，自分は自分なりに可能性がゼロでない限り，もうしばらく頑張ってみようと思います。(･_*)(￣□￣)!!

<「こちらは長いんですか?!」「英語は何処で覚えられたんですか?! 英語，教えて下さいよ」と話しかけて来た，身長181cmの私よりも，更に長身のその男は，正しく日本のアクション俳優の雄。松田優作その人であった……。

私は，1989年1月から渡米しサンフランシスコからロサンジェルス。ニューヨークと見聞し約半年後には帰国した。その間，サンフランシスコにおいて，映画『ブラックレイン』のオーディションを受け，およそ500人の応募者の中から4名が人選されたその中で，日本のヤクザ役として，松田優作，高倉健，マイケル・ダグラス氏らと共演することができたのは，自分にとって，ただ単に感動や感激。喜びや幸運だけのことではなかったろう……。

そんな私が，松田優作さんの死を知ったのは，昨夜飲みすぎて気持ち悪い思いをしながらも夕方，空腹をおぼえ商店街の小さな蕎麦屋に入り，何気なく新聞を開いた時の事だった。私は，正に飛び上がらんばかりの衝撃をおぼえた。呆然とする中，その記事が誤報でない事を更に押し付けられるように，テレビがその事を報じていた……。

何ヶ月か前に一緒に飯を食い，仕事をし，バカっ話しをしていたあの人が死んだ……。まったくそんな気配すらなかったあの頑強そうな男が。もうこの世の中にはいないのだ，何処を探してもいない。いないのだ!

私は，未だ親類縁者や親しい友人知人を，亡くした経験 がないので余計なのかも知れないが，実感として「死ぬ」という事が，こういう事なんだと眼前に突きつけられたのは初めてのことだった……。滔々とその死について考えふり返ってみると「壮絶」という言葉では足りないくらいの生き様であったろうと思わずにはいられない。

縁もゆかりもない人といえばそれっきり……。この世界でいうなら私は下僕ともいえる一番の下っ端。彼は真しく天上人……。そんな人が他界した事にただ涙した。一晩中泣いた。飲んだ。泥になるまで飲んだ。そしてひたすら悔しかった。改めて，彼の生き方・死に様に感動と畏敬の念を感じたというだけでは到底，言い尽くせない余りに悲しく切ない死だった。

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