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ローカルニッポン万歳!

あるとき浅草に行った時に。
東京だし観光地だし、粋な手ぬぐい屋さんとか、それはそれはハイセンスに洗練された、江戸っぽーい都会的な、そんなお店がいっぱいある。

「シブ! かっこよ! オシャレ!」

素直に感動すると同時に。

「自分が作りたい田楽座のイメージとはずいぶんかけ離れてるなあ」と。

自分が期待する田楽座のイメージ?カラー?
なんかゴチャゴチャ散らかってて、
役者1人ずつのカラーがあって、
ビビッドな原色があって、
そしてちょっと貧乏くさい、田舎くさい。

田楽座の誉め言葉に「ダサかっこいい」ってのがあるんだけど。
正統派の伝統芸能的な美意識とか、戦国武将とか時代劇的なカッコ良さとか、昨今すっかり市民権を得た中2病的なトンデモ日本Cool JAPAN!とかとも全く違う、
地に足のついた、おダサなカッコ良さが、地方の郷土芸能にはあると思うのです。

とある郷土芸能大会で見た、富山の獅子舞にエラく感動したことがあり。
出演に向けて相当練習も積んで来たんだろうし、舞台芸としての完成度もすごい高いんだけど、それだけで感動したのではなく。

腰の下げ方、股の割り方が極端で、
下半身下げての地面の這いずり方とか、
まさに「That's地方民舞!」「ローカルニッポン万歳!」って感じで。
江戸や京都じゃ絶対こうはならんよねー、と。

江戸東京や京都が体現する「日本の伝統文化」とはちょっと違う、地方文化ならではの魅力、自分の愛する郷土芸能文化の魅力ってものがあるんだわなぁ、と。
そしてそれこそが、自分が民舞や田楽座と出会ったときに、強烈に感じた魅力なのではないかと。考えるようになってきたのです。


そうなると、これまで田楽座が無自覚に使ってきた、三つ巴や獅子毛などの伝統紋様も、「なんでもいいじゃん」というわけにはいかなくなってきた。

近年新調した舞台用の幕や、現在進行中の新規衣装のデザインを進める中で、「一般的な三つ巴じゃ、バランス整いすぎて田楽座っぽくないだろ」とか、「この獅子毛いいねー、地方っぽくて田楽座らしいな」とか、こだわりが出てきた。
やっぱり想いを持って舞台に立つわけだから、背負う幕や身にまとう衣装が、自分たちの想い・理念を後押ししてくれるものであってほしい。

10月27日は創立記念日! 田楽座は満58歳になりました。パチパチ。
60周年まで、あと2年。田楽座もいろんなことを整理・強化してパワーアップしていきたいと思ってます。
新たに整えた「三つ巴・獅子毛」と「楽」の字ロゴのデザイン発表をもって、58歳の抱負とさせていただきます。

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