Mac Mini M4 vs Mac Mini M4 Pro (ゲーム機としての比較)
3回目となるMac miniの記事。
あまり1つのガジェットで感動することは多くないのだが、Mac mini M4Proは近年稀に見る名機で、M1 Macbook air以来のコスパを兼ね備えている。
Macユーザーはゲーム機として弱いというのは昔からの習わしというか、
触れちゃいけない話題みたいな感じだったのだが、その暗黒期も終わるかもしれない。
Metal 3API は CrossOverというツールを用いてDirectX11.DirectX12のPCゲームを仮想マシン化する必要なく動かすことができるようになったからだ。
M4 M4Proの両チップモデルの比較や性能については私の他の記事を見てほしい。如何に凄まじいチップなのかを語っている。Geekbenchのスコアは私はカタログスペックとして見る分には良いのだが、実際に現場や高負荷処理をしていくとあてにならない事が多いので話半分程度にするようにしています。とはいえ、ほかに目に見える比較可能な数字もないため、ここでは各々の使用用途に合わせて比較もできないのでスコアを頼らせて貰う(笑)
比較対象した実機
M4 16GB RAM 256SSD 599$ (10core CPU, GPU)
M4 Pro 64GB RAM 512SSD 1999$(12core GPU,16core CPU)
後者のモデルを選択しているのはオンプレLLMとして実に優秀なスペックを持っているためで、これは Llama3.170Bパラメータは40GBメモリ以上が必須になるのだが、これらを走らせたオープンソースLLMを自社内に設置し、オンプレサーバー運用のためのMac miniとしてゴリゴリ使えるという最高の利点を持ち合わせている。
外見ほか、ポートは同じなのだが価格は3倍以上違うし、分解した前回書いた記事にもあるように、冷却ファン、モジュール、排熱設計がまるで違うものになっているので本当に別物だということはここで確認しておきたい。
GeekbenchでのCPUスコアから紹介する。
M4 15,000(3,600)M4Pro20,000(3,800)
※ ()内はシングルコア
GPUではM4 57,000 M4Pro 100,000
4K解像度のUnigineベンチマークではM4 21fps M4Pro 37fps
となっている。約1.7倍のGPUスコア差がある。
加えてSSDもM4Proが高速で読み書き可能で、速度は2倍弱あることも確認できた。
各種さまざまなゲームを試す必要があるのだが、
Windows11をParallels仮想マシンを用いてやろうとすると、CrossOverツールを使用したときよりもスペックが1/3ほどになってしまう。実際にM4でしか試していないが、仮想マシンが30fps程度、CrossOverは90fps以上であった。なので、仮想マシンは比較から除外する。
①MacOSのゲーム(AppstoreやSteamで正式プレイできるもの)
②CrossOver使用のゲーム
この2つを用いることで比較していく。
①の結果、
M4は70fps
M4 Proは150-170fpsという結果になった。
かなり大差がついたというか、2倍以上のグラフィック性能差になっている。
Counter-Strike2では100fps と160fpsという差だったので、ゲームによるが1.5-2倍近い差は確実にあることは分かる。
②の結果、
M4 30-40fps
M4 Pro 50fps
ストリートファイターの最大フレームレートもプレイ可能で、
こちらでも70-85fpsと150fpsという差になったので、大きな差と言える。
M4 Proはグラフィック性能としても一級品の性能を持ち併せているのでCrossOverツールを利用したWindows向けゲームも楽々に起動するだろう。
このゲームはどうですか?というものがあれば試してみるが、高負荷ゲームを最近やってないというか、最近発売されたcall of dutyすらもあまりできていない忙しさなので、時間があるときにやってみたいと思う。
とはいえ、M4モデルが劣ってはいるが、十分要件は満たしているため、599$という破格の安さだと個人的には思う次第だ。
詳細の比較は下記に載せておきます。
CrossOverを使ったWindowsゲームの結果です。
Cyberpunk 2077: M4 30-40fps、M4 Pro 50fps
The Takeover: 両モデル 120fps超
Street Fighter 4: 両モデル 60fps
Need for Speed Heat: M4 55-50fps台、M4 Pro 60fps
Redout: M4 90-80fps、M4 Pro 100-150fps
Ghostrunner: M4 70-80fps、M4 Pro 100-120fps
Portal 2: M4 70-90fps、M4 Pro 100fps超
Metro Exodus: M4 60-75fps、M4 Pro 100-170fps
Rise of the Tomb Raider: M4 71.8fps、M4 Pro 133fps
Everspace 2: M4 35-40fps、M4 Pro 40-55fps
Counter-Strike 2: M4 90-120fps、M4 Pro 120-160fps
Dirt 4: M4 57-75fps、M4 Pro 90-120fps
最後になるが、M4チップはAppleSiliconの最高傑作といえる。
分解して分かったことでもあるが、M3シリーズを試験石として省電力性と排熱性を徹底的に小型軽量化、静音を詰め込んでいるのが素晴らしい。
ゲーミング分野はMacでは無理、笑われたなんて時代もあったが、これからはゲーミングにおいてもサードパーティやツール、サポートが充実してMacでもWindowsゲームマシンと同じくらい快適にプレイできる時代がやってきたんだなと実感するMac mini M4シリーズでありました。