欧州一の頭脳と言われた男の未来予測
米国大統領選も終わった。予想通りDonald Trumpの圧勝で終わったので少し安心している。
彼の当選後の影響で社会情勢安定化→投資機運が高まり、Bitcoin、エイダコインをはじめとした暗号通貨の大幅値上がり、円安進行が始まった。
私の予測では米ドル、日本円だけに関して見れば流通量のバランスと米国債の同盟国購買状況を見れば、164円あたりまで進行することは目先の1年で見れば可能性が非常に高いと言える。戦争や突発的な株価暴落が起きたりした場合はその予想はまた変わるだろうが、現状のトランプはアメリカファースト・他国との戦争にも民主党政権ほど積極的ではないため、武器は売るが関与せずを貫くだろう。
何はともあれ今からでも遅くないので半年タームぐらいの保有で様子見程度の暗号資産、FXドル円の買い増しはしておくことを強く薦める。
今回の米国大統領選の本質はトランプは嫌いだが、不法移民はもっと嫌い!だ。
合法移民と不法移民を区別し、犯罪や命の危険を及ぼす不法移民を排除してくれ!という民意が勝利した。アメリカが内部崩壊する危険を孕んだ2200万人以上と言われる民主党政権下での不法移民増加はもはやアメリカ全体を傾ける危険を孕んでいた。TRUMPはこれを就任後から一掃するだろう。一方で、脱カーボン、SDGs、LGBT、中絶の利権を賭けて戦った民主党は後退することになる。日本もその例外ではなく、岸田前首相は民主党寄りの外交展開、SDGs予算として6兆円を計上していた。これらの利権は全て米国民主党の意向があり、それは米国大使エマニュエルを通じて適宜指示されていた。これらが取り払われることは日本にとっても悪いことではないので、結果的にトランプ就任によって民主党政権下の利権群が一掃されることに期待したい。その分、パランティアのピーターティール、Tesla・spaceXのイーロンマスクは政治的影響力を飛躍的増大させることから、セキュリティ、人工衛星などの政府補助金が多く投入される分野は彼らの独壇場と化すだろう。Meta社、alphabet/Googleはその分野において政治的に後手にまわざるを得ないので今後の株価含めて動向を注意するべきだろう。Tiktokに関してもそれは例外ではなく、おそらくトランプ政権下で就任予定の国務長官、CIA長官らは名簿の通りであればTiktokは米国とその同盟国で利用できなくなるように動いていくだろう。もしくは条件付き存続を認める形を継続するか。前置きが長くなったが、米国選挙の結果とその後の人事や政策発表をみながらジャックアタリの未来予測を思い出した。なので思考整理のためにもまとめておくことにしたのが下記である。
ジャック・アタリについて
ジャック・アタリは、フランスの経済学者、思想家、作家、政治顧問として知られる人物である。彼は多くの著作を通じて未来学や国際経済、政治、文化に関する予測と分析を行ってきた。アタリは鋭い視点と洞察を持ち、世界の変動とその先に起こることを大胆に予測している。彼の考えはグローバル化や技術革新、社会変革について広範な影響を与えている。
生年月日:1943年11月1日。
出身:フランス、アルジェリア生まれ。
経歴:アタリはフランスのエリート校であるエコール・ポリテクニークとパリ政治学院を卒業し、フランソワ・ミッテラン大統領の顧問として1981年から1991年まで務めた。また、ヨーロッパ復興開発銀行の初代総裁を務めたことでも知られている。
著書:『21世紀の歴史』、『文明の衝突』、『未来の予測』など、多くの著作があり、未来社会の構造や世界の経済、文化の変化をテーマにしている。
アタリの未来の3階層の理論
ジャック・アタリは、未来の社会構造が3つの階層に分かれると提唱している。この理論は、経済的および社会的変動によって社会がどのように変化し、それが人々にどのような影響を与えるかを示している。
未来の3階層
エリート階層:世界中どこでも自由に経済活動が可能な人材
概要:世界を支配し、最も多くの富と資源を持つ少数の人々。テクノロジーや経済、政治を支配し、影響力を持つ。グローバル化と技術の進歩を活用し、国境を超えて活動する。
役割:グローバルな意思決定を主導し、政治的にも経済的にも中心的な役割を果たす。
中間層:デジタルノマド・バーチャルノマドな働き方が可能な人材
概要:中産階級と呼ばれる層で、経済的には安定しているがエリート層には及ばない。テクノロジーや情報へのアクセスがあるが、その制約はエリート層ほど広くない。
役割:社会の維持と発展に必要な役割を果たし、エリート階層との接点を持ちながらも自分たちの地位を守るために努力する。
将来の不安:格差の拡大や自動化による職の喪失に直面するリスクがある。
排除された階層:取り残された動けない人材
概要:貧困層や社会的に疎外された人々。この階層はテクノロジーや資源へのアクセスが限られており、経済的な恩恵を受けにくい。
役割:社会や経済システムから取り残されがちで、不安定な状況に置かれる。多くの場合、労働力として利用されるか、社会保障に依存する。
課題:この階層が大きくなると、社会的不安定が増加し、紛争や犯罪率の上昇につながる可能性がある。
アタリは単なる予測ではなく、未来は常に変化する。それは人が常に変化することを意味することをよく理解していた。人類が未来をどのように変化させて築いていくのか、現代社会への警鐘をしていたのだが、未来が平和的になるか、それとも分断と混乱を招くか、根底にあるのは社会が技術革新によって大きく変わる情勢・趨勢であり、その変化が格差を生む。ついていける人、波に乗れる人がいれば全く動かない人がいる。
私の意見では恐らく、利益相反がない範囲での各国でのグローバルな協力によって表面上は格差是正と平和を謳う。しかし、全ての人が経済や社会への参加機会を得られる公平性は実現しないだろう。それは教育やスキル面で顕著に各層に格差を齎す。つまりは、技術革新の急激な進化スピードはもう止める術がなく、世界が動き続けるスピードが人類がこれまで体験していないほどのスピードになった。そのことで人は自分自身を常に変化させることを心身ともに求められ、適応できる能力が試されていると言える。いろんな国でいろんな言語と文化で適応し、働ける、経済活動ができる人材が真に求められるようになっている「今」からそれ以外の人材は捨て置かれ、無視される「未来」が到来しようとしていると感じる。