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Apple M4pro M4maxを分解してわかったこと

ガジェットを購入するためだけに、2018年から友人二人と設立した法人を使って、複数台購入し、M4シリーズのM4 proとM4 maxの分解を試みた。

私は欧州に在住しているので、基本的に日本にいる友人二人に丸投げしただけなのだが、少年のように感覚で喜んでやってくれている。

特にYoutuberをやるわけでもなく、ただ単に三人のガジェット好きが趣味と秘密基地の組成を目的にやったわけなのでそこになにか金銭を求めたり、再生数を求めたりすることはしない。それをした途端にそれが目的になって三人の想いがバラバラになるのが分かるからだ。それぞれみんな稼いでるし、これは趣味だからね。ゆくゆくはビートたけしや所ジョージのようなガレージを仕上げたいねぇなんて考えている。

M4maxについてMacbook proのみの搭載だったので、これは時間がかかるとして、友人二人の時間の合間を縫って地道にやってもらうことにした。
なにせ、Macbook proは分解しようとすれば分かるのだが、Mac miniより圧倒的に時間がかかる。その点、今回発表された2024Mac miniは軽量コンパクトなボディと内部設計なので、比較的レビューがしやすい。

ということでM4 と M4 proのMac mini2台を分解して分かったことをここに書いていく。

M4チップについては私がレビューした記事はこちら。
https://note.com/gaku_tachibana/n/nf854021304f0
なのでチップ性能の詳細についての記述は今回は省く。

前回のMac miniと決定的に違いを生み出してるのは大幅に小型化したこと、電源ボタンが背面から底面になったことだろう。
大幅に小型化できた要因としては、改良された最新M4チップの性能、省電力もさることながら、新設計の大型ファンにもある。
M4モデルとM4proモデルで違いがあるのは冷却システムで、より高負荷に耐えられるM4 proはM4モデルよりも更に大きな銅製ヒートシンクを採用している。M4モデルのヒートシンクより大型のもので、これは排熱管理がモデルごとに異なることを意味している。基本的な構造としてのMac miniは周囲から空気を取り込み、底部から排出されるまでデバイス全体を循環できるように熱管理されているので設計者の苦労が伺い知れた。

なので冷却ファンもそうであるが、M4とM4proチップがただ違うだけではないということを伝えておきたい。内部では多くのモジュールや部品が異なっていることになる。付け加えるなら、M4チップとM4Proチップを入れ替えて起動することはできなかった。モジュールが対応していないのだ。


冷却ファンを取り外すと、NANDストレージカードがあるのだが、
これはストレージアップグレードが可能だった。同じSSD256モデルM4とSSD512モデルM4proのストレージは交換が可能だった。

スピーカーに関しては良い点を発見していて、修理がしやすい取り外し可能なモジュールであったこと。フロントポートから最初に取り外していくのだが、はんだ付けを解除することなく交換できるモデルであったのは評価点が高い。前面にあるヘッドフォンジャックもさすがAppleというか、ミュージックを愛する会社だということが分かる前面配置採用とモジュールの取り外し、修理ができることがDJする人や音楽関係を仕事にする人たちなら嬉しいと思う。しかし、リアのポート群は流石に厳しいようで、このあたりは少し間違うだけで機能しなくなる危うさがあり下手に触らないほうがいい。かなり繊細です。


M4シリーズのRAM・メモリは取り外しやアップグレードは難しいとの見解になった。上述の記事にもあるようにSoCアーキテクチャの緻密さ故なのか、M4チップシリーズではRAMを後から増やすことはできない仕組みになっている。Appleはよく分かっている。AppleSilicon M1からM2 Ultraに至ったときに性能比較や検討をしていく中で、実はApple Siliconはチップの高性能さを選ぶよりもそのRAMの容量の大きさ、つまりは大容量メモリにしたほうが性能を十分に発揮する代物だということ。
そのあたりをAppleはよく分かっていて、自前でSSDは容量アップできたとしてもRAMは弄れないようにちゃんと設計していたのである。M4 iPad Proでもそうだが、M4チップを最大限生かすには16GBは必須というか、最低条件だと考えている。なので理想を言えば64GBモデルを推奨したい。
M4初登場時はiPad Proで、8GB搭載 iPad Proが標準モデルだが、1TBモデルから16GB・RAM搭載になる。iPad proの排熱や熱管理が設計上、限界があると思われ、特に無限ノートと言われるフリーボードに大量に書き込んだ際にはM4モデルですらアプリが落ちていた。メモリが常時使い切った状態で発熱もすごかったことから、私はすぐに1TBモデルに切り替えたのだが、それで少し落ち着いた。こういう実体験もあって、先日レビューしたM4チップの性能から、今後もApple Siliconは用途上、メモリを増やすことが一番最優先事項だということは変わらないだろう。これは分解を改めて行ってみて、RAMの追加がモジュール的に不可能であることからも伺える。自前でハイスペック化させないように敢えてしている。

その代わり、それ以外の部分で修理しやすく、アップグレード可能なSSDモデル、ロジックボード・基盤が壊れない限りは耐久性としても10年以上は使えるモデルと考えればかなりのコストパフォーマンスだ。特にローカルオンプレLLMをするならこれ以上のモデルはないと言える。

今後は顕微鏡を使ってチップ写真を撮るようなことをしてみたい。
M4proやM4maxチップのチップ写真は未だに見たことないので、やってみたい。

AIアクセラレータはM1の頃から比べるとかなり進歩してると思われるので実際にチップの内部設計がM1の頃からどれぐらい進化しているのか見ていきたいと思う。


内部構造はこれで分かるのだが、実際の現物を顕微鏡で見ながら写真を取らないと分からないこともあるので、基本設計はM1から大きく変化していないが、チップ個々の数や性能について注目していきたい。

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