先週RJスカリンジと会って話した
2009年に設立され、2021年にナスダック上場したEV企業がある。
Rivian Automotive Inc.
現在では最も注視すべきEV企業のTeslaとゆくゆくは肩を並べる企業に成長するだろうと業界では噂されています。
創業者のRJスカリンジは議決権株はわずか9%しか保有していないが、パートBに関して100%保持しているらしく、上場後も株主総会の議決を覆しての方針転換が容易にできることから、赤字を垂れ流してきたのだが、フォルクスワーゲンやAmazonの強力なサポートによってこの業界でTeslaを超えるイノベーティブなEVを作れる会社として評価をされている。
実際に会うのは2回目なのですが、MITの博士号を取得した人物で非常に博識なことに加えてユーモアというか、仕事で楽しむことを非常に重要視していることに私は1番惹かれた。そういう面もあってイーロンマスクとは対照的なのかもしれないし、離職率が低いのも頷ける。
日本人として悲しくも思うのは急成長過程の地盤として2017年に三菱自動車のイリノイ州工場を18億円という破格の安さで買収しており、生産拠点にしたことで、彼にそれを伝えると日本人の私に同情するかのようなジョークで笑い飛ばしてくれましたが、2017年当時は全く採算や他の企業と盤石なパートナーシップが組めていないことからリスクを取ったことを強調していた。それでもあの工場が18億円は安過ぎるよって伝えてデザインも三菱そっくりだよ!と伝えると、誤魔化されました笑
日系企業の北米での没落は最近だとNISSANが顕著ではありますが、
ずっとそれ以前から始まっており、三菱グループがバブル期に築き上げた資産は北米エリアにもうほとんど残っていないことを改めて知らされるばかりです。
RJスカリンジは
2019年にはAmazonやフォードなどから15億ドル以上を調達。
2024年には米国エネルギー省から66億ドルの融資、それをうけてジョージア州に新工場を建設。加えてフォルクスワーゲンが投資額を58億ドルに引き上げ。EVとその設計アーキテクチャ(特にSUV)、
ソフトウェア開発の合弁事業をスタートさせた。
私とRJスカリンジが出会ったきっかけはオランダで知人に紹介されたときだった。ちょうど、Waymoに搭載されたソフトウェア開発に携わった経験を話してその話になると、彼がそのことに非常に興味深く関心を持ってくれて、技術的な深い話ができた。
更に彼が非凡な経営者の資質を持ち合わせていて、それは人を惹きつける力と彼の哲学、美学によるところが大きいと感じる。
一流の技術者でありながら経営者であることは非常に難しいのだが、嘗ての日本ではそういう経営者が多かったように思う。今では分業と技術を知らない資金調達上手の経営者が上にいるのが常ではあるのだが、彼は全てを備えていると言っても過言ではない。
Waymoの話をした際にソフトウェアのアーキテクチャや特許の話になると彼も察してくれてそれ以上の話を控えたりする部分も技術者としては節度があった。彼とはそういう距離感の付き合いから始まり、先週、欧州に来るとの連絡があったのでそれに合わせて彼と昼食とtea timeを一緒に過ごした。家族のことや最近増えた子供のことなど、ざっくばらんに話をしたのだが、彼が日本の先端技術に非常に興味を持っていることやセンサーをはじめとした町工場レベルで先端技術を扱ってる中小零細の話を聞いてくれるのは非常に嬉しかった。
来年あたり日本に一緒に周って案内してほしい&意見を欲しいとのことだったのだが、遠回しにソフトウェア開発など協力させられるのではと危惧している・・。