C;ON(シーオン)武道館への道 #21 がきおの「シノゴノ云わずファボります」24.09.04.
全力で駆け抜けた夏。見つかるために残されたピース。0811ワンマンライブを終えて
8月11日に開催されたシーオン、ワンマンライブ「”phoen;X”in Spotify O-EAST」からもうずいぶん経ちました。その間にもシーオンはビアフェスティバルに呼ばれたり、吹奏楽団USB(Union Symphonic Band)との共演もあったりと、対バンイベントに加えて精力的な活動を重ねてきました。
圧倒的な映像美、それに負けないライブの力
もう前の話になってしまうのですが、記憶をたどった率直な感想としては、今思い返しても素晴らしいステージでした。
セトリはこの夏のシーオン、今のシーオンをよく表していて、「Noisy」がラスト前なら「サマラブ2024」だろうと予想していましたがその通りに。
でも自分はいい意味で「お約束を守った」かたちだったと思います。
針NEEDLE制作による映像と照明はかつてのワンマンライブのタイトルである「幻想的インパクト」を想起させるものでした。
シーオンの持つ格好よさを、迫力ある映像で表現していましたが、バラードの「もしも」では映像そのものを控えていて、そのあたりシーオンありきで考えているのがよくわかりました。
正面後方からの定点配信によって、自分がよく追えていなかった部分がわかり、それを知ることができたのはありがたかったのですが、現地では映像を観たいけどメンバーも直接観たいというジレンマもあったのが正直なところです。
それはO-EASTの大型モニターだからこそできたものの、満員のライブハウスで開催したことで、そのよさを100パーセント体験できなかったというジレンマもありました。
Lucky 7Stage
シーオンのライブに行われたLucky 7Stage も印象的でした。
シーオンの呼びかけに、シーオンをリスペクトするグループが集まって、ライブ前に盛り上げてくれました。持ち時間7分の中にそれぞれの個性が詰まったステージ!
とはいえ、7分の持ち時間。メインのステージではなく上手側にあるステージで、自分が確保した下手側からは見えずらかったのがもったいなかった。
ただ上手の方ではLucky7Stageに登場したアイドルのファンは盛り上がっていたので、そこは安心できました。
今回のLucky 7Stageですが、細かいところは変わっていっても続けていって欲しいと思っています。
よくシーオンのメンバーは、自分たちのストイックさを体育会系と表現しますが、どこか「ももクロ」っぽいなというのが私の第一感です。
ももいろクローバーZも大きなライブでは外周にアイドルを呼ぶことがあります。同じ事務所の「スターダストプロモーション」の妹分的なグループだけではなく、スターダスト以外のグループも多く呼ばれています。
そういう業界全体を考えているのはとても立派だと思うし、アイドルへのリスペクト感じます。
シーオンのパフォーマンスは高尚というと聞こえはいいのですが、いわゆる地下アイドルの騒ぎたいオタクからみれば、とっつきにくい部分もあります。だから、こういう交流を続けて、それぞれのファンにもシーオンの良さを知ってもらうのは意義のあることではないでしょうか。
孤高であっても決して孤独な存在ではない。
アイドルフェスでも色んなアイドルのライブを見学して交流している姿は、シーオンの素晴らしいところです。
それが実を結んだO-EASTのステージでした。
問われるavexのプロモーション戦略
今回のライブ、そして最近の曲は昨年にシーオンが移籍した事務所の色が強く出ています。
「サマラブイリュージョン2024」や「MAHORAMA」は事務所に関係のある方の製作です。「サマラブ」は、夏に盛り上がる曲調というだけではなくて、手を挙げさせて、クラップさせてとファンを盛り上げる曲になっていたり、「MAHORAMA」は新しいシーオンの表現を追求した曲になっていて、いずれも好きな曲ですしシーオンに必要な曲だったと感じています。
またトップアーティストの映像を手がける針NEEDLEが、今回シーオンの映像に携わることとなったのも事務所との関係からくるものだと類推できます。
現事務所のライブ全体のプロデュース能力は大変高いことが、この1年でわかりました。
生バンドや映像などステージにこだわれば、シーオンはそれに見合う以上のパフォーマンスをする。だからこそ、今シーオンに必要なのはプロモーションの力である。もうそれしかないと思います。
待ち遠しいメジャーデビュー曲
まだ具体的な発表のないメジャーのデビューシングル。これがシーオンのどういう部分を前面に押し出すかが、今1番の注目点なのではないでしょうか。
そして、どういう層を取り込もうとするのか。O -EASTは1000人。来年の2月に行われる会場のパシフィコ横浜国立大ホールはフルキャパだと5000人、1階だけでも3000人だそうです。
単純計算で2000人をどう増やすか。
はっきり言って地下アイドルのオタクを増やすのは、パイの取り合いにしかならず限界です。何か大きなイベント(地下アイドルレベルの)や、人気グループのワンマンがあれば、一気に客が割れてしまいます。
8月11日も、今年から始まった大きめのアイドルフェスがありました。
自分としてはどんな層でももっと多くの人に観てもらいたい!
3年間ライブを観てきて、常にその思いが募るのがシーオンです。
シンプルで綺麗なメロディでもつまらないという人もいるし、エッジが効いていても小難しいという人もいます。
その辺りの舵取りというか匙加減が難しいところですが、そういう時は「売れる」というより「良いものを」という原点に立ち返ることなのかなと思います。
デビューすれば勝ちではありせん。売れたグループでもデビュー時は「こんなことやってたの?」というギャップのあるところはたくさんあります。
ももクロだって最初は色のない「和風」をコンセプトにしていました。
とにかく今後世間にアピールしていく上での選択肢が増えること自体は悪くはありません。
メンバーや事務所のスタッフ、そして新たに加わるであろうチームメイトが思う「良いもの」を上手く擦り合わせて、メジャーに躍り出て欲しいと思います。
あとはもう見つかるだけですから。