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「今日も1日楽しかったね」の声が響く、いとし子保育園〜沖縄県名護市〜

毎月?いや、隔週で車を走らせている、名護市。地域のことが(ほとんどが美味しいものですが)少しわかってくると、さらに頻繁に通いたくなることってありませんか?ちなみに、私は完全にそのタイプです。

さて今回は、名護市の中心部にある、いとし子保育園へ。

小嶺園長から「いいですよ〜」と快諾をいただき、喜んで2度目の訪問となりました。

いろいろな緑が並ぶ玄関。
お昼寝時間の静けさの中に、子どもたちの"たくさん遊んだ満足感"が漂っていました。

園訪問のきっかけは、「保育士不足」。
それぞれの園が苦戦して取り組んでいることも多々ありますが、研修や部会などに職員を派遣することも厳しくなっていることもまた事実です。

外で学ぶにも、休みを安心してとるにも、保育者同士が語るにも、とにかく「人」がいてこそ叶う。というところは、多くの共感を得るところだと思いますが、変えられることってなんだろう?と考えてみたところ…

それならば、こちらから出向いてしまおう、ということになりました。はい。

ちなみに…
11月の研究発表会で会いたかった、去年の発表者の先生たちの顔が見たい!という気持ちが、何よりの動機だったことは、ここだけの話。


保育室が気になりつつ、まずは園長・主任と情報交換。
深刻な話もあれば、なるほど〜と、うなる話も。
普段、なんとなく心に引っかかっていることでも、外から来た人を交えると、思わぬ答えが出てきたりしません?

「そういえば」とか
「あの時に」とか
「あわよくば」とか
「とは言っても、やるしかない」とか。

講師のタイミングだと訊けないけれど、来てくれている今なら良さそう。という感じ。結構、その流れが好きですし、その効果も実感しています。(だから、巡回支援をゲキ推しています。ご依頼、お待ちしています)

情報交換では、
思った以上に、保育士不足の状況は厳しいことがわかりました。(国家試験対策、さらに効果的にやります!)
一方、コロナ禍に不安だった、子どもの発達面は、良い方向に流れていることも確認できました。ほっ♬


ではでは、園の中の様子を。
お昼寝中だったので、環境が中心です。

全体を見渡しながら、パソコンに向かうT先生。
私があらわにしていた、集合写真への興味に付き合ってくれる、穏やかなW先生。(安定の)

再会に浮き足立ちながらも、写真はサボらずに撮りました。

いとし子ギャラリー

サッと片手で引き出せる、ティッシュの配置!
園の中では当たり前になっているようで、驚く姿を笑われちゃいました。
保育園にある生活の工夫に、キュン♪としてしまう習性です。
子どもたちの水分補給は、こちらで。
お湯のバルブは外してあるので、安心。
すみれ組の前。保育者のアイディアが光っています。
背中の斑点に指先。保育者の細やかな遊びに、ここで”ズキュン”!
そして、英語を教えるでもなく「パズル」のように置いてあるのもまた、”キュン”!
「子どもが喜ぶ」と「大人が楽しい」が、いいあんばいでチャンプルーしています。
子どもたちが寝やすい工夫。
これは確かに、心地いいし、楽しい。
こう見ると、ぬいぐるみの素材も多種多様。
おもちゃというより、頼りになる生活の道具なのが、また楽しい。
水槽は、子どもたちの見える場所に配置。
当ててあるライトに、保育者の配慮を感じます。
魚たちも、子どもたちと一緒に生活しているのですね。
毎年恒例の、いとし子シーサー。
年長さんの姿に釘付けの子ども達の様子、ちらり写っています。
いとし子シーサーをやりたくて、幼稚園への転園をやめる子がいるのだとか。
毎年恒例だからこそ?それぞれの年で、パフォーマンスが変わるそうです。
子どもたちの意向に加え、心身の発達やメンバーの状況に合わせて、保育者間でも丁寧に検討されている印象を受けました。
1歳児クラス担任の、れいな先生。
れいな先生からは、どんどん子どもたちの話が出てきます。
エイサー派の子と、シーサー派の子がいること。
パカパカするものは、なんでもシーサーにしたがること。
14:40過ぎると、毛布の中から獅子舞になって、起きてくるそうです。
寝ても覚めても!とは、まさにこのことか??
随分と、遊びこまれた獅子舞たち。
1歳児の子どもたちの手にもピッタリです。
みんな、しまってある場所もちゃんとわかっているそうで、子どもたちからの「とって〜」の催促を、れいな先生は喜んでいる様子でした。
年長さんのお部屋は、別棟に。
いとし子保育園では、畑でたくさんの野菜も育てています。
園庭の他にも、体を使って遊べる環境や配慮がたくさんあることも、いとし子保育園の”楽しい”の秘密かもしれません。
年長さんが「くじ」を引かせてくれました。
折り紙で器用に作られた箱に、そ〜っと手を入れます。
引いたのは「す」。
「す」がつく言葉を、発表しました。
お家と保育園と、楽しいが行ったり来たりしていることが、伝わってくる時間でした。

年度末に入り小学校に上がるための移行期とも捉えがちな時期ですが、子ども達の生活の中にあったのは、興味からスタートした"遊び"でした。
いとし子保育園の年長さんは、"楽しい"を味わい尽くして、心身にいっぱい染み込ませて、春を迎えるのだと思います。

出口にて。

給食は、毎日写真で掲示されています。
ファイリングしているため、振り返ることができるのも、いいですね。
道の向こうには、たくさんの緑たち。
お散歩も、お迎えも楽しいね。
緑の匂いを含んだ風と、カサカサと揺れる葉っぱに、お見送りしてもらいました。

沖縄本島の北部は、とにかく、たくましい。
自然も人の生活も、地域で保育が育ってきた過程も、知れば知るほどに、興味の沼にハマります。

月一ペースで、北部の保育園の「今」を記録していこうと思います。
いとし子保育園の皆様、ありがとうございました。


保育士不足でもさ〜
写真見て笑ったり、想像したい、真似したりしていたらさ
そのうち仲間が増えていくさ。
笑っていないと、人は集まらんさ〜ね!

そりゃ仕事だからさ、楽しいってだけじゃないよ。
悔しかったり、努力したり、諦めることだってあるよ。

でもさ、そもそも保育園にいると、子どもたちが笑わしてくるわけよ!
爆笑もあれば、クスッともあるし、嬉し泣きなんかもあるよ。

子どもは、生きるために生まれてきて
特別に何かをしなくても
生きているだけで大人を励まして
元気付けられた大人たちが、いろいろやるわけ。
教育だ〜とかしつけだ〜とかそりゃ必要だけれども
大人が心から笑っていたら子どもはそれだけで安心する。

それでいいんじゃないの?

どこからともなく、そんな言葉が聞こえてくるような帰り道でした。

2024.02.03

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