断捨離メンタル
きっぱりと捨てることが苦手だ。
デザインが好きだけどいまいち似合わない服、使い勝手が悪いけれど高かった鍋。
なんとなく手放すのを先延ばしにして、しっくりこないまま使い続けたり、使わないのに手元に置き続けたりしてしまう。
幼い頃から、「自分が本当に気に入ってるかどうか」という理由で選択をしてこなかったからだと思う。
人生には色々な自虐がある。その中でも「好きなじゃい服を着る」「食べたくないものを食べる」「嫌いな人と仲良くする」というものがある。
この呪いを持たない人には意味が分からないかもしれないが、「自分には選択する価値がない」と思い続けてきた人は、しばしばやってしまうことだ。
「せっかく」というのも、なかなか強力な呪いである。
「せっかくあの人がくれたから」「せっかく高いお金で買ったから」「せっかく私なんかに声をかけてくれたから」
いや、うるせえ。
何を手元に置くかどうかは、自分で選んでいいのだ。自分が心地よいかどうかなんだよ。
かくいう私も、ずるずると決断を先延ばしにしては、不要なものを手元に置いておこうとする癖がある。
いつか似合うようになるかも、いつか分かりあえるかも、いつか気にならなくなるかも、いつか、いつか・・・
そのいつかが来た試しはない。結局、嫌な思いをしてからやっと、切り離すことができるのだ。
ためらっていたわりに、いざ手放してしまえばなんてことなくて、心はせいせいするのに。
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