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隠れプライドありませんか

「自分自身の評価が高すぎる」なんて、思いもよらなかった。

だけど、やはり、私は自己評価が高過ぎたのだ。
自尊心、とも言えるだろうか。
そのおかげで、自分で自分を苦しめているなんて、予想だにしていなかった。

だって、自分のことは重々理解しているつもりだった。
勉強は嫌いではないが、怠惰なため続かない。
真面目だが、他者への思いやりには欠ける。美人じゃない。おしゃれでもない。やる気がない。責任感がない。マメじゃない。
ないものばかりの自分を、重々承知しているのだ。

それでもどこかで「自分はできる人だ」と自負していた。
「大抵の人」と同じように、平和に暮らしていけるはずだ。
「ちょっとがんばれば」仕事だってなんだってできるはずだ、と。

無自覚のプライドのようなものが、自分の身体をぎゅうぎゅうにしめつけていた。「普通」を目指すそのレースは棄権できなくて、1度転べばもう起き上がれない。道ゆく人に後ろ指刺されるような気がしていた。
だから失敗するのも怖いし、人から注目されるのも怖い。「できないひと」になりたくない。

でも、なぜ私は「大抵の人と同じように、がんばって」いかなければならないんだ?

だって、実際問題、私は色々なことができないのに。
そりゃ、私が、生まれた頃から完全な愛をたんまりもらって何でもチャレンジする底力があって、地頭も良ければみんなと同じ、それか、もう少しすごいことができたかもしれない。人のために生きられたかもしれない。
でもそうじゃない。現実がそう言ってる。自分のことで精一杯で、ちょっとしたことで落ち込んだり泣いたりしているのが今の私だ。
私なんて、そんなもんなんだ。
なんだ、自分てめちゃくちゃちっぽけじゃん。って、認めてしまう。
そこにあるのは失望ではなくて、あっけらかんとした、肩の力が抜けるような心地。

自分を責めるのが正解だと言っているわけではない。無闇に自己評価を下げればいいわけじゃない。でも、一度、自分への期待をゼロにする。そうすることで意外と視界が開けたりしてくる。ちょっとしたことでも人を頼ってみようと思えたりする。

隠れプライド、根こそぎ引っこ抜いてやりたい。


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がじゅまる
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