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フジテレビ問題を考える枠組みは何なんだろうか?:日本のテレビを見るってどういうことなんだろう?と考えてもみた
先日、家族の食卓で話をしていて、奥さんが「中居くんの問題大変だよね・・・」と言って僕が「フジテレビも凄いよね・・・」と話したところ、うちの子供たちがキョトンとして、
「中居くんって誰?」
と、いいました。その時は、えー知らないのか?「これが若さか・・・」とか、話して説明していたんですが、この話は、実はすごい示唆に飛んでいるポイントがあるって自分では思ったんですよね。
うちの息子曰く
「だってうちにはテレビないから、そんなの知らないよ」
と言ってたんですよね。
このことが、とてもフジテレビの問題を考える上で重要なことを含んでいる
ので、後でかなり効いてきたんですね。
ちなみに言うと、我が家にはテレビがありません。長いことアメリカに住んでいたので、日本のテレビはもう15年くらいまともにみていません。あとタブレットを一人一台以上所有しているので、そもそも家族で同じテレビを見ると言う行為がないんです。食卓を囲んでいる時は、家族でいつも話をしていて、テレビがついていると言うことはあり得ません。
この時から最近考えていることを、大きな枠組みで、この問題をどう考えればいいのかを、少し考えてみたいと思います。
1.社会時事問題を考えるときの姿勢
ええとですね、僕は、そこらへんにいるパンピーサラリーマンですので、基本的に、社会での共通の話題を無視こそしないけれども、仕事で忙しすぎるので、いちいち自分にかかわること以外は、ちゃんと調べたり追ったりする姿勢は皆無なんです。
よくよく考えると、もう20年は日本の新聞を読んでいないし、テレビも見なくなって10年以上経ちます。いいかえれば、日本のオールドメディア(テレビ、新聞)を自分の情報取得の窓口として一切必要としていないんですね。僕は、アメリカでベンチャーで経営者もしていましたし、日本の大企業の管理職ですので、これくらいの仕事してても、いっさい新聞とかいらないんだなって思います。子供の頃から新聞読めとか言って言いたやつ誰だよって思う。50歳の大人です。
とはいえ、ちきりんさんではないけれども、自分も社会派を自任しているし、物語の批評・分析をしているので、今の時代がどういうものなのか?は、マクロ的な視点でできる限り理解したいと思っています。言い換えれば、大きなトピックや社会にインパクトがある物事を、「大きな枠組み(=文脈)で理解したい」という欲望はあるんです。
社会を文脈で分析できるようになると、自分にとっては、副次的な効果なんですが、非常に低コスト(=あまり努力しない)で、世の中の起きていることが理解できるので、社会人としてもすごく都合がいい。
一度、大きな文脈を理解してしまうと、特別に細かく時事を追うことなく、「おおまかな流れ」や「行き着く先」が簡単に評価できるんですね。
もちろん、「そこまでいく」のが難しい。
そのためにはいろいろな具体的な方法論があるんですが、今回は、フジテレビ問題って、どう考えればいいのか?というペトロニウスなりの情報収集というか、「押さえ方」を考えてみたいと思います
2.まずはオピニオンリーダーを長期で追おう!
ちなみに、パンピーリーマン3児の父のペトロニウスは、とにかく時間がない。時間がない上に、そこまで社会のことにも興味がない(苦笑)。でも世の中の大きな流れわ理解しておきたいとなると、どのように省力化して物事を分析できるかということになる。その時に必要なのは、まずは「大局観」。ほんとうはSFを読んで、人類がこの数千年とか数万年でどうなるか?って観点を持っておくと、だいぶ大きな流れは押さえられます(笑)。ちなみにこれは、ジョークではなく、けっこう偉大な経営者が軒並みSF好きだったりするのは、テクノロジーのロードマップや人類がどっちの方買うに向かうかの大きな枠組みのビジョンがあると、分析コストがすごく少なくなるからだと思います。
もう一つは、何か大きな事件があったら、それを自分の頭で考えておいて、整理しておく。自分の頭で考えること、自分の言葉でアウトプットを出すというのは、実はすごく難しいので、普段から訓練して努力しておかないと、いざ何かがあっても何もできない。ちなみに、このためには、ちきりんさんの著作シリーズがおすすめ。なので説明は、割愛(笑)。
さらに、そうはいっても、例えばこのフジテレビ問題みたいなことが起きても、よくわからない、背景知識もない、という場合には、まずは自分の好きなオピニオンリーダーの意見を探してみる。僕は、この話題だと、よく社会派ブロガーのちきりんさん、佐々木俊尚さん、倉本圭造とかの意見を参考にしている。また事件のあらましを知るには、もちろんニュースを見ればいいのですが、中田敦彦さんのYoutube大学とかであらましを知ろうとしています。
★更新通知★
— ちきりん (@InsideCHIKIRIN) February 7, 2025
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— 佐々木俊尚 (@sasakitoshinao) February 5, 2025
ちなみに、オピニオンリーダーを追う時に重要なポイントは、素直に意見を信じない。その人物が「どういう理念を持っていて」「その人の過去の分析の帰結がどうだったかを長期間で評価する」ことが必要。
たとえば、僕はちきりんさんは、元マッキンゼーの超合理的な人であるので、かなり頭が良くて理知的な人でないと、理解できないし、そういう人によっている視点を出すといつも思っています。なので、ちょっと合理的すぎる。また、佐々木俊尚さんは、もともと大きな病気で毎日新聞記者の道を失ったことから、世代的には少し古く昭和型の人だけれども、非常に弱者に対して公平な視点を持ち出す人だなという信頼があります。また中田敦彦さんのYoutube大学は大好きでかなり聴いていますが、「事実を時系列に整理してまとめる」のは素晴らしいけれども、解釈する能力が全くゼロと思っていますし、かなり若い世代のネットの意見に偏っていると感じます。なので信用するのは難しい。
こう言ったオピニオンリーダーの解釈を調べて、それを総合的に一覧して、自分の意見の方向性はこういう方向だなという「大きな枠組み」を作ります。そして、できる限り、自分の意見を明確にアウトプットして、まとめておく。
そうすると「長期にオピニオンリーダー」の分析がどうだったかを評価するのと同じことを、自分の分析についてもすることができるようになります。
さて、それでは、僕の大きな枠組みを残しておくので、この後に、どう思ったかを書いておこうと思います。
3.ホリエモンがフジテレビを買収できなかったのはいいことなのか?悪いことなのか?問題
なかなか言いづらいというか、でもしょうがないと思うのですが、僕は、結構、ホリエモンさんのファンなんですよね。もっというと、いわゆるライブドアによるニッポン放送買収問題(2005)、あのときもっと「新自由主義的な方向性を貫徹していたら」って思いがあるんだと思うんですよね。
倉本さんの意見は、日本がアメリカとかの分極化の極端な分裂にならない中道路線をキープできているという「現在の結果」から、あの時代に、やりすぎないで、茹でガエルになっていった日本の選択肢は悪くなかったという評価ですよね。
僕もこれには同意です。でも、反面、僕は、団塊のジュニアで、アメリカでビジネスをしていた人なので、新自由主義的な競争貫徹的なところでのサバイバーですから、日本の古い部分がだいぶ嫌いというか、しんどいんですよね。自分の人生の重要な時期に、20年くらいの停滞があったのを、あまり喜べません。
また、フジテレビやジャニーズ事務所とかの既得権益を守るために食いものになった弱者を考えると、やっぱりあの時期に、一回ぶっ壊しておくのはしておくべきだったんじゃないかなという思いもあります。
この辺は、この後の歴史の大きな流れに評価される部分なので、単純には決められません。
ここで「大きな枠組み」として、日本の既得権益(放送・新聞などのメディア)の改変、アップデートをすべきタインミングが、ライブドア時代のホリエモンさんの時代であるべきだったのか?それとも、機が熟したと言える「今」なのか?を考える視点は、持っておくべきなんですよね。
この評価軸は、「日本が分極化が他の先進国と比較して緩やかになっている」ことの是非を、今後の歴史がどう評価するかです。
もし、このことによるアドバンテージを活かすことができたら、ホリエモンは、早すぎたということになります。アメリカやイギリスなどの極端に走らなかったことがポジティブに出れば、ホリエモンの時に動いた検察や日本の既得権益層の判断が良かっだったことになります。
僕は自分の実体験から、2005年の段階か2025年の20年後の今どちらが、テレビ局の近代化にとって正しい時期だったのか?というのは、問題意識としてあります。これは僕が持っている「枠組み」の一つですね。ちなみに、倉本さんお意見が正しいかなぁ、とは思っています。つまり、今がいい、ということですね。
とはいえ、個人的に、放送法に守られたテレビ局が好きではないので、なぜホリエモンが買収成功しなかったのかと、悲しい思いがずっとこの20年あります。自分がこの産業で働いていない、つまりは当事者ではないから、いろいろ既得権益はぶっ壊れるべきだったんじゃないかという思いは、今でも燻っています。この辺は感情論ですね。
なので、倉本圭造さんが、あそこで改革を止めていたからこそ日本のメディアがアメリカ的に極端な分極化に進まなかったという視点は、かなり目から鱗でした。
この辺りはこの本が、素晴らしいのでおすすめです。
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