「下平長崎はまだ死んでいない」~失速の原因から探るJ1昇格への可能性~

皆さん、お久しぶりです!
V・ファーレン長崎サポーターのガイトと申します。

前半戦、好調の限りを尽くし、22戦無敗という、J2の歴史にも刻まれる記録を残した長崎でしたが、後半戦に入り失速。
9/14日現在で、7戦未勝利(4分3敗)と厳しい状況にあります。

ただ、今の苦しい状況を、選手のせい、監督のせいと決め付けてしまうのは嫌だし、何よりサッカーを楽しむ者として無責任だなと。
そのため、今回は失速した理由を自分なりに整理してみて、昇格へ向かうチームに希望があるのかを考えていこうと思います。


バランスが崩れた「チームのために尽くせる選手」と「試合を決める選手」

というわけで、まずは僕なりに考える、失速の原因を何点か挙げていきます。
失速の原因の1点目は表題にあるとおり、「チームのために尽くせる選手」と「試合を決める選手」のバランスが崩れたこと。

言葉だけ見ると、意味がわかりづらいと思うので説明すると、まず僕は、サッカー選手を大まかに「チームのために尽くせる選手」と「試合を決める選手」の2つに分けられると思っています。

「チームのために尽くせる選手」は文字通り、勤勉に、チームの決まり事を守りつつ、走り続けられる選手。
「試合を決める選手」は攻守に関わらず、試合を動かすような決定的なプレーをできる選手。

長崎の中だと、「チームのために尽くせる選手」は加藤大、秋野、澤田、櫛引、米田、増山など。
「試合を決める選手」は慶太、安部、フアンマ、エジガル、マテウス、笠柳、松澤、マルコス、田中、白井など。

僕はサッカーにおいて、この2タイプの選手をバランスよく配置できるか、選手にあった形でチームの構造を形作れるかが、結果を残す上でとても大きな鍵であると考えています。

その考え方でいくと、長崎の前半戦、好調だった時期は上手く2つのタイプの選手たちを、バランスよく配置できていました。

秋野、櫛引がスペースを埋めることで守備が安定し、大が動き回って、ボールを持つ時間を作ることで、田中も縦パスを入れ込める余裕がありました。
その結果、攻撃陣も躍動し、マテウスやエジガル、フアンマの爆発に繋がったのだと。最高のバランスを見つけたことで、前半戦の負けない長崎が生まれました。

その前半戦から比較してみると、失速した現在はバランスが崩れているのがよく分かります。
スペースを埋める櫛引、時間を作れる大がおらず、攻撃陣への負担が大きくなったことで、チャンスへの焦りが生まれ、思うように得点が生まれない。
守備も、バランスを上手く取れる選手がいないことで、引くのか取りに行くのかが明確にならず失点が多くなっている印象です。

前半戦と後半戦を比較すると、水を運べる、数字に現れない活躍をできる選手がどれだけ大切かがよくわかるなぁと改めて思います。
派手な活躍をする選手に目が行きがちですが、攻守ともに、見えない活躍をしている選手のありがたみはもっと評価されるべきですね。

どちらが良いとか悪いとか、そういう問題ではなく、ピッチに立つどの選手も重要であり、チームという生き物がどれだけ繊細かはもっと多くの人に分かってほしいなと常々願っています。


強固ゆえに難しい、攻守のチューニング問題

さてさて、1点目が長くなってしまいましたので、サクサクっと2点目に入ってまいります。

2点目は「強固ゆえに難しい、攻守のチューニング問題」。
さきほどはチームの中の選手に焦点を当てて問題点を挙げましたが、次はチーム全体の戦い方についての課題を考えてみたいと思います。

1点目でも言いましたが、前半戦の長崎は最高のバランスを持って、J2に旋風を巻き起こしました。
守るにしても、攻めるにしても、チーム全体が1つの生き物のように意思統一されていて、とにかくチームに穴がない、迷いがないことで好調を重ね、スタメンとベンチに差を作らず、前後半の2セットで選手のモチベーションを上げていく戦い方は見事でした。

下平監督は、その強固なベースを崩すことなく、ベースを大事にした上で、上積みしていく考えがあったのではないかと前半戦の戦いを見ていて思いました。

しかし、そう上手くはいかないのがJ2の恐ろしいところ。相手の対策や怪我人、さらには暑い中での過酷な連戦によって、前半戦の戦い方を変えないといけない状況が生まれました。

こうなると難しいのが、舵の切り方。攻め切るのか、守りも意識するのか。今までのベースを大事にするのか、新しい戦い方を選択するのか。

見ている側からすると、ああしろこうしろと言うのは簡単ですが、やっている方は想像するだけで本当に大変だろうなと思います。
ベースを崩すと積み上げが無くなる、でも、こだわり過ぎると対策される。この微妙な塩梅の中で、どこから正解を見出すのか。本当に苦しみながら、チームは新たな答えを目指して必死にもがいていて、そのもがきが結果に現れないのはサポーターからしても辛いものがあります。

攻守のチューニングが上手くいかず、攻めと守りのバランスが上手くいかなくなった、そしてチューニングの答えを探しているあいだ、勝てない期間が続いてしまったというのが第2の原因だと考えています。

長々とお付き合いいただき、ありがとうございます。次が僕の考える最後の失速への原因になります。





どう考えたって、清水と横浜が強すぎるのが悪い

最後がバカっぽくて申し訳ありません笑
でも、そうとしか言いようがないんです。いや、本当に。清水と横浜が異常なほどに落ちてこない。

昇格争いは、水の中に潜り続けているようなもの。昇格を争うライバルが勝つ度に、負けられないというプレッシャーが強くなるのに、他チームからの対策はどんどん厳しくなる。
強いチームでも、勝たないと、勝たないとという強迫観念によって、苦しくなり、昇格レースから脱落していきます。

そんな中、清水と横浜の肺活量が強いこと強いこと、、、酸素はとうに無くなっているはずで、いつでも調子を落とすタイミングはあるのに、連敗しないどころか、勝ち続けるメンタリティ。

悔しいけれど、これは先輩クラブの経験値だろうなと感じています。
昇格へのプレッシャーを毎日毎日、しかもJ2史上にもないほどのペースで争っていたら、失速して当たり前なんですよ。あのペースの2チームに着いていくのは、本当に難しいし、この点については仕方ない部分と個人的には思っています。


最後に…結局、長崎は昇格できるのか?
そして、サポーターはどうあるべきなのか。

これまで長々と、失速の原因を語ってきましたが、結論から言うと、僕は長崎が昇格できると本気で思っています。

なぜかというと、失速の原因を探っていて気づいたのですが、今の長崎は、失速したという事実から逃げていないんですよね。

1点目に挙げた選手のバランスも、怪我人を言い訳にせず、安部や慶太、澤田のような前半戦に出場機会がなかった選手を使いながら、なんとか結果をもぎ取ろうとしている。

2点目のチームバランスについても、新しく使った選手がフィットしてきて、清水戦のように、あと1歩で勝ててはいないながらも、チューニングは確実にあってきている。

何より、漠然と過ごすのではなく、失速した原因を突き詰めて、1試合1試合結果のためにもがいているチームが、強くならないわけがない。と僕は信じています。

試合の後に、全力を出し切って倒れる選手の姿、それでもサポーターに想いを伝えてくれる姿、何かに言い訳をするでもなく、自分たちに矢印を向けている姿。

後半初めに失点するとか、夏頃に調子を崩すと言った、漠然としたジンクスではなく、選手たちは今そこにある現実と必死に戦っているんです。

選手にやる気がないのではなく、むしろ勝ちたくて勝ちたくて仕方がない。それでも勝てないことがあるのがサッカーの無慈悲なところです。でも、だからこそ、1つの勝利が死ぬほど嬉しくて、昇格を勝ち取りたくなる魅力を感じるのではないでしょうか。

苦しいけれど、辛いけれど、チームが現実を見て、腰を据えて強くなろうとしている今こそ、サポーターがいる意義を試されています。
トラスタで積み重ねたものを思い出すと、これより辛い時間はたくさんあったけれど、その度に乗り越えてこられてきたからこその今があるはず。 

この苦しい時期を乗り越えて、シーズンの最後に、ピースタで笑い合いましょう!!!


ここまで読んでいただいた皆さん、本当にありがとうございました🙇🙇🙇

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