「J2式3-4-2-1」の課題を補いきった大分トリニータの存在

皆さんこんにちは、ガイトです。昨日はJ2で多く使われている3-4-2-1がなぜ通用しないのかを書きましたが、その通用しない部分を埋めたのが大分だと思います。同じ3-4-2-1ながら、長崎や松本などとどこが違ったのか、補強などから見ていこうと思います。

まず、大まかな3-4-2-1の弱点のおさらいを。1つ目は5バックになることや、カウンター攻撃を主とすることなどから起こる、ボールが持てない問題。

2つ目は、WBに求められる能力が大き過ぎて、替えがなかなかきかないことで、疲弊してシーズン後半に質が落ちることで全体の質の低下に繋がる問題。

3つ目は、攻撃時にカウンターを受けた場合、2バックになる設計上脆いという問題。

この3点を重点的に、大分の凄さを書きたいと思います。

まず1つ目のボールが持てない問題については、簡単なことでボールを持てるような戦術を片野坂監督が仕込みました。このことに関しては、まずJ3に落ちたチームに戦術を落とし込み、上のステージでやれるようなチームを作るという、本当に難しい仕事をこなした片野坂監督も凄いですが、腰を据えて、就任時は監督経験のなかった片野坂監督にチームを任せた、大分のフロントの優秀さも目立ちます。

J3に降格してからは、大分は一見、順風満帆に見える道を歩んできました。しかし、J3の時には3節から29節までの期間、首位に立つことができず、本当に自動昇格をギリギリ掴み取ったという感じでした。後ろから繋ぐ戦術はミスをしやすく、最初は結果に繋がりにくい難しいものだと思います。それをやり切った選手や監督、更に信じたサポーターやフロントは本当に凄いと思います。

そこからの快進撃は皆さんの知ってのとおりです。J1に昇格しても、自分たちの信じる哲学があるので、ボールをしっかり繋げる。ボールを持てるというだけで、自分たちの選択肢は本当に広がります。大分のJ1で通用するサッカーの根幹にあるのは、片野坂監督が仕込んだ戦術です。

2つ目のWBが疲弊してしまう問題については、フロントが解決してみせました。2018年には松本怜と星に頼ってしまっていましたが、オフには実績と走力を持つ高山を獲得し、レギュラーが毎回変わるような、質の高い競争が行われました。疲弊する夏にはリーグ屈指のWB田中達也を獲得し、WBの層の厚さを完全に武器にしてしまいました。ここには、監督の要望に応えきったフロントの力がありました。

3つ目の問題は、1人の選手が解決してしまいました。鈴木義宜選手です。ラインコントロールに、1対1の対応、最悪崩されても、シュートブロックで止められる。この選手の存在が大分にとって、大きかったのは間違いありません。

3バックのチームにおいて、3バックの真ん中の選手の重要性はとても大きいです。ラインコントロールに、カウンターを受けた時の対応、スペースを埋めるディフェンス、真ん中にどんな選手がいるかによって、本当にディフェンスの質が変わります。そのため、層の厚い大分でも、鈴木選手は欠かせない選手です。逆に言うと、この選手が離脱をすると、大分は崩れかねません(4年間離脱は一切ありませんが)

こうやって、見ていくと大分がJ1で闘えたのは必然だったのかなと思います。J3に落ちてからの4年間、けして平坦な道のりではなかったと思いますが、サポーターやフロントが信じ、監督や選手がしっかり結果を残す。とてもいい循環が大分の中で起きていると言えます。これからも大分は強くなるだろうなぁ。

というわけで、今回のnoteは終わります。昨日よりは読みやすくなってるかな。不安ですが、ここまで読んでくださった方、ありがとうございました。

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