後悔は苦しいが、きっと幸せでもある
ごきげんよう、心の友よ。二人目のジャイアンMASAです。久しぶりのnote更新。いかがお過ごしでしょうか。
ツイキャスなどでもnote読みたいです、なんてコメントを頂いたのでバーベル並みに重い腰を上げ筆をとってみました。実際にはPCカタカタ。
何を書こうかな、思った際に、曲の紹介を活字にしてみようかなと。
それではまずはこの曲を見てきましょう。
THIS MOMENTです。いいですか皆さん、イイネ!とコメント忘れずに。素敵!とかMASAさん格好いい!とか一言でもいいですからね!誘導みたいですが、多ければ多いほどたくさんの人につながっていくのでよろしく。
宣伝終了。
曲に関しては置いておいて歌詞の世界観などについて本人が鬼の様に解説していきましょう。野暮!解釈は人それぞれ!という心の友は読んでも読まなくてもいいです。確かなものはみんなの心の中にあるものなので。
THIS MOMENT
まずタイトルは大文字表記ですね。「この瞬間、この一瞬」そんな意味ですが、それが今なのか、過去のその一瞬なのか。どう感じますか?
深夜のコンビニ立ち読みしている初老の男
外は雨 傘もささずにやってきたんだ
この曲には二つの視点が出てきます。バイトをしている夢に溢れる若者(大学生くらいのイメージです。)とくたびれた中年男性。最初はバイト青年の視点から始まります。深夜、彼の働くコンビニに男はやってきた。びしょ濡れで。(実際に家の近くのコンビニでびしょ濡れおじさんを見た際にこの曲のイメージを得ました。)
帰る家はあるのか あなたを待つ人はいるのか
それよりも濡らした床は誰が拭くんだ
青年には殊更中年男性が哀れに見えます。こんな時間に、傘もささないで、一体なぜ。一瞬彼の人生が気になりますが、そんなことより濡れた手で雑誌を触ったり、床を濡らした始末の方が気になります。彼にとって中年男性の存在とはそんなものです。(これもまたそのおじさんが雑誌とか触るから嘘だろ!って思って店員さんを見たらめっちゃ嫌な顔してました。その店員さんはおじさんの外国人でしたが)
ああ 忘れてしまった 合言葉も
秘密の扉 永久に開かぬまま
灯は 視界から隠してるの ねえ そうだろう
視点が変わります。ただ中年男性の視点は青年のそれとは違います。青年の視点は明確な一人称に対し、俯瞰(ふかん)寄りのそれです。青年が「こう思う」というリアルタイムな思考を歌詞に反映してるのに対し、中年男性はそれにリアクションしているわけではない、いわば彼の残留思念、人生から溢れる思想のようなものを歌詞に落とし込んで、未来と過去、それを対比させています。
仲間たちとの、夢の、楽園のような場所。世界を知るにつれ、守るものが増えるにつれ、得るものも多いが、失うものも多い。幸せをどこに感じるかは人それぞれですが、中年男性にとってフォーカスするのは失った方。あの秘密基地につながる扉の暗証番号も忘れてしまい、辿り着けなくなった。見渡せば、そこへつながる灯は確かに見えるはずなのに、わざと視界に入らないようにしてるんだよね。
ヘイヘイ 言わない内心 涙してても 夢の残響が背中押すよ
ヘイヘイ 醒めたスープ もう飲めないよ
甘やかな過去から逃げ切れる靴をちょうだい この瞬間 何が足りないの
夢の残響。もう無い、でも確かにそこにあったものが立ち上がらせる、前に進ませる、そしてそこから遠ざけられる。良い意味と寂しい意味を込めています。醒めたスープ。正しくは冷めた。でもその温かさも美味しさも醒めてしまった。どうしても戻りたくなってしまうあの時が必ずついてくる。自分では縋ってしまう。ちゃんと旅立てる何かが欲しい、少しの他力本願。でもそこにはまだ何かが足りない。
深夜のコンビニバイト終わりまだいるよあの男
外の雨 上がり晴れ間も見えてきたんだ
青年の視点。仕事も終わり、浮き立つ気持ち。希望への一歩の表現。
反面教師ちょうどいい あんな風にはならないから
夢と希望 もらした言葉耳に届いた?
中年男性への別離の宣言。それをする事によって前に踏み出す青年との対比が明確になる。独白がアレンジ的にも表現されている。
ああ いつか 輝く世界 そう信じてる オサナゴの記憶未だ色褪せぬまま
眼差しが 特別を物語ってる ねえ そうだろう
シニカルな視点。君はいつか世界が君に微笑むとそう信じているんだろう。幼かった子供の頃の思いのままに、その眼差しが自分が世界で特別だと、未だに信じているんだろう。そうかもしれない、でもそうではないかもしれない。少なくとも俺はそうではなかった。そんな中年男性の思いが漏れ出ています。
ヘイヘイ 言わない内心 涙してても 僕は君の ナレノハテだ
ヘイヘイ 醒めたスープ もう飲めないよ
叶わぬ未来ならいっそ忘れさせてちょうだい
この瞬間 明日はいらない
この歌詞はifの世界です。もし青年が想いを中年男性にぶつけていたら、アンサーとしてこれが返ってきます。夢がなければ、希望も抱かない。そうなればそれが叶わなくて傷つくこともない。そんな弱さ。
ありがちな願いだけど 時計の針戻せるなら
道指し示す光迷わず選べるのかな ねえ そうだろう
でもそれを悔いていないわけではないのです。だからこんなままならないことも思ってしまう。シニカルに立ち振る舞うことで自分をごまかしてしまう。それは決して良くないけれど、仕方ない事もあると思うんです。
ヘイヘイ 言わない内心 涙してても 夢の残響が背中押すよ
ヘイヘイ 醒めたスープ もう飲めないよ
甘やかな過去から逃げ切れる靴をちょうだい
ヘイヘイ 戻れないよ ヘイヘイ 戻れないよ
ヘイヘイ もう戻れないよ ヘイヘイ 戻らないよ
戻れない。それは事実。でも悩むけれど、戻れたとしても戻らない。自分だけではない、沢山の人と関わって、沢山の人の意志や決定の中で我々は生きています。それを尊重する、という想いです。
曲の背景
この曲を書こうと思った時に最初にメンバーが抜ける、というものがありました。最初に相談を受けてから、このコロナ禍もあり、引き止めはしたものの、最後には本人の意向を尊重する。当たり前だけどそんな流れになったときに、曲を書こうと思ったのです。
音楽は人々の希望になりえるものだから、そういう曲を書こうかな。旅立ちなんて感じかな。から始まって、考えました。
いや、違うな。
事実を書こう。事実は一体なんだ。
寂しいな。別れは惜しいな。このメンバーで成し遂げようと思ったことはもうできない。でも仕方ない。認めよう。
惜しめることを喜ぼう。大事な時間を確かに共有できたことを。
それを残り香のように感じれる曲にしよう。君とあえてよかった、みたいなことは絶対に書かないようにしよう。
新しい道をいくんだ。みたいな事も書かない。
その、惜しんだ瞬間。その一瞬を切り取ろう。
そう思って曲を作りました。もちろんこの通りに感じなくてもいいし、ふわっと聞いてくれても嬉しい。俺はただ、この曲が生まれてよかったと思っています。心の友にとってもそういう曲になればいいな。