いちばん好きな建築はなんですか?
「いちばん好きな建築はなんですか?」とハタチくらいの女子に最近質問されたのですが、これに答えられませんでした。いっぱいありすぎる…。
そもそも「建築の好き」は色々あります。
存在が迫力があって好き、計画プログラムがおもしろくて好き、構造が格好良くて好き、プロポーションがきれいで好き、材料の使い方が好き、色と形の表現が好き、驚かされる景色があるから好き、使っている人が楽しそうだから好き…etc. これらの組み合わせです。
でも、ふと「ずっとその場に居たくなった建築」が身体感覚的な好きであって、最終的に残る「いちばん好き」なのではないかと思いました。
そして私の「ずっとその場に居たくなった建築」はこれです。
サンパウロにある『ガラスの家 / Casa de Vidro』(設計:リナ・ボ・バルディ / Lina Bo Bardi)竣工1951
サンパウロ市の中心から南へ車で20~30分の郊外に建っています。建築家リナ・ボ・バルディ自身の家でしたが今はバルディ財団が運営しています。
小高い丘一帯がこの住宅の敷地で、竣工時の写真では裏山だけ植物が残っていてまるで展望台のように丘の上に建築が見えていたけれど、ブラジルらしい樹々に埋もれることも計画通りだったのか、50年を経ていい感じです。竣工時の写真は「Instituto Bardi / バルディ研究所」のウェブサイトで見られます。
斜面という地形に合わせて細い柱で住宅を持ち上げることで、周りの自然を残したまま建築されています。模型でわかるように奥の方は直接地面に接しています。プライベートエリア(寝室と水回りや使用人の部屋)がそちら側にあります。
今日は外部のことしか触れていないのですが、長くなるので次の記事につづけます。
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