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今日も元気に頭がいたい。
ウサギのロロが、彼女の柵の床を一所懸命に掘っています。当然ながら、掘っても掘っても穴などできず、掘っても掘ってもどこへも出てゆけません。その「ガサガサガサガサガッ…」という、プラスチック床を爪でかく音が、歯痛に苦しむイチコの頭にひびくだけ。ロロよ、あきらめてあなたのお気に入りラグの上で、しずかにくつろぎなされ。
そう、何を隠そう、イチコは奥歯がいたいのです。ちょうど、コロナウイルスに対して世間が危機を感じはじめたころ、それははじまりました。今は、歯と頭がうずいてなかなか寝付けなかったり、頭痛を覚えながら朝に目覚めることも少なくない。すぐに歯科医院に行けばいいのだけれど、それは、コロナウイルスのなせる技。フランスの歯科医院は今、ほぼ閉まっている。患者すべての口の中に直接触れること必須の職業柄、重症の場合しか受診できない上に、それを受け入れているのはごく限られた医院のみなのです。
なので、イチコはがまん。まだ重症じゃないから、と自分に言い聞かせて、がまん。そもそも歯医者は好きじゃないから、ちょうど行かない理由ができてよかったぜ、と思う反面、いつまでこれがつづくんだ…という、眉毛が歯の字になる思いをしています。
あ、「歯」じゃなくて「ハ」ね。
さておはなしは変わり、昨日の事件がその後どうなったかというと、マキシムのプレゼンは、最初にプレゼンをした同僚ふたりの話が、超長引きすぎてタイムリミットとなり、彼の出番は1ヶ月後に持ち越されました。お怒りだったリリーは、あの後ケロッと下の階に降りてきて、お得意の手品をごきげんでイチコに見せてくれました。雨どい修繕工事についての保険可否の返事は、まだ、ない。
とまあ、今日もよい天気です。
今日は、子どもたちが移動する日。これからまた1週間、彼女らはママンの家で過ごします。
先月のはじめ、まだフランスで外出制限されていなかった頃。子どもたちと1週間みっちり一緒にバカンスを過ごした後に、ママンへ彼女らを引き渡したことがありました。パパはさみしくて涙ちょちょぎれ。1週間ごとに交代なのはいつものことなのだけれど、バカンス中となると、仕事する必要もなく、ずっと一緒に時間を過ごしていたので、その分よけいに、エマとリリーがいなくなるのがさみしかったようです。イチコはおもしろがって、携帯を持っているエマにSMSでつげ口。
イチコ:Vous nous manquez déjà. Papa, il pleure encore pour ça ;p
(あなたたちがいなくて、私たちはさみしいよ。パパはまた泣いてる)
エマ:Fais un gros bisous à papa de notre part !
(私たちのかわりに、パパにおっきぃキスをしておいて!)
その後も、エマはパパにいつもより多めにSMSを送っていたもよう。
そして3月、今回も、幸か不幸か、コロナウイルスのおかげで子どもたちと一緒に過ごす時間が長めの1週間でした。よく遊んで(家の中で)、よく食べました。勉強も姉妹ケンカもよくしたね。バイバイまたね、と、お別れした後、パパはまたお涙でしょうか、それともさすがに持ちこたえるのかな。
それはまた、つぎのおはなし。