shallを使う意味
こんにちは、井上です。今日は「shallを使う意味」について話していきます。
高校英文法で未来を表す表現として出てくるshallですが、多くの人はこの表現を学ぶ意味を理解できません。というか、昔の井上はよく理解できませんでした。なぜかというと、willがあるからです。学校とか塾で習うたびに「なにこれ?」と思ってました。
ちなみに、ロイヤル英文法でshallを引いてみると、shallには未来時勢としての用法以外に話し手の意思や相手の意思を聞く用法、あとは命令や禁止、約束などを表す用法があるとされています。このうち提案とか申し出はいいと思うんですよね。特に提案。少し古いですが、Shall we dance ?という映画もあったことですし、なんとなく「提案に使うんだな」という意味はわかります。
ただ問題は話し手の意思を表すときのshallではないでしょうか。最初にでてくるわりには下記のように書かれていて、「willを用いるほうがふつう」なら「わざわざ学ばなくてもいいじゃん」と思わなくもありません。
そしてwillを見ると、やはり二番目に強い意思を表すwillがあり、さらに「なんじゃこれ」という気になります。
この解説が悪いと言うわけではないんですが、英語を勉強してる人にはなかなかわかりにくい気がします。というか、昔の井上は「意味わからんけん」と思ってました。今の学習者にもそういう人は多いと思います。そんな人におすすめなのが、下記のWe shall overcomeの動画を見ることです。
井上はこの歌自体を聴いたのずっと後のことでしたが、浪人してた時にこの歌のタイトルを知った時に、なるほどと思ったのを覚えています。
歌を知らない人のために話していくと、このWe shall overcomeは1960年代の公民権運動の時のプロテストソングです。アメリカでは(僕らアジア人も含めて)有色人種は差別されてきたし、特に奴隷として扱われてきた黒人たちはひどい差別の対象になってきた。だからこそ、そこを克服するという気持ちが生まれてくるし、そういう気持ちがあるからこそのshallだということです。
言い換えれば、まさに〔強い意志〕を表すからのshallだし、この動画を見た後でロイヤル英文法の解説を見ると、なるほどなと言う気がします。そりゃ、普通の意志を表すwillでは間に合うまいと。
これはこの動画に限らないですが、言語というのはそれを使う場所の状況であり、さらには歴史や文化の重層から生み出されるものなので、そういう意味でその言葉が使われる背景を理解することが必要だし、そうすることによってのみ始めて生きた英語なりフランス語なりが身につくのかなと思います。
では!
井上大輔
追伸
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