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Qualiysis Japan User Group Meeting に出席してきました!

先日、弊社動作解析プランで使用しているカメラの企業、Qualiysis社のJapan User Group Meetingがアーカイブディップス(株)主催で開催されました!
今回は、こちらに参加して聞いたことや感じたことなどをお伝えしたいと思います。

まず初めに、Quaiysis社とは主にバイオメカニクス研究で用いるカメラやそのソフトウェアなどのモーションキャプチャ―システムを扱う企業です。
本社はスウェーデンにあり、その機材やソフトウェアは大学や研究機関を中心に世界中で使用されています。

今回のUser Meetingは、そのQualiysis社の機材やソフトウェアなどを使用している大学の研究室や企業を対象に開催されました。
主に以下の内容で発表されました。

  • デジタルヒューマン技術を活用した運動解析(産業技術総合研究所 鷲野荘平氏)

  • アスリートとコーチをサポートする革新的なアプローチ-サッカーと冬季スポーツ(ケルン体育大学 Prof. Wolfgang Potthast)

  • 動作解析のグローバルトレンド(福岡大学 布目寛幸氏)

  • QTMのPythonスクリプトのトレーニング活用事例(横浜DeNAベイスターズ 田中洋氏)

  • 測定機器のデモンストレーション

いずれの講演も非常に面白かったのですが、それぞれの内容をすべて話すと専門的になりすぎて読者に面白くないと言われそうなので(笑)、興味深かった内容を基に簡単にご紹介したいと思います!

弊社動作解析プランでも使用しているマーカーレスモーションキャプチャですが、このシステムは近年導入され始めた非常に新しい技術です。

では、それまでのモーションキャプチャシステムはどのようにして行われていたのでしょうか。
時代をさかのぼると、1990年代は「Bone-pins-markers」という方法で行われていたとのこと。
これは、ヒトの動作を測定するために、肌の伸縮に左右されない骨の位置を把握して測定しようというもので、写真の右のように骨に針を打ち込んでマーカーを撮影する手法です。

引用:Nester, C., Jones, R. K., Liu, A., Howard, D., Lundberg, A., Arndt, A., ... & Wolf, P. (2007). Foot kinematics during walking measured using bone and surface mounted markers. Journal of biomechanics, 40(15), 3412-3423. Figrue1

自分もこの手法は知らなかったので、聞いたときは本当に驚きました!

想像すると容易ですが、骨に針を打ち込むのは危ないということで、2000年頃からはハイスピードカメラで撮影した映像に体表のマーカーを手動でデジタイズする手法がトレンドとなりました。

ハイスピードカメラによる映像から手動デジタイズする例
(https://www.next-system.com/visionpose/recent-case/frame-dias)

しかし、この手法もいくつか問題点があげられます。

1. 手動でデジタイズするため誤差が生じやすい
2. カメラ配置による測定誤差が大きい

この手動でデジタイズする問題を回避するために、2000年代後半からは反射マーカーを体表に貼付し、それを赤外線でトラッキングする手法がトレンドになりました。
また、2010年代にはウェアラブルデバイスによる測定手法も流行しました。

体表に貼付したマーカーを赤外線でトラッキングする手法
(引用:https://hochi.news/images/2019/12/10/20191210-OHT1I50170-L.jpg)

これら手法は現在もバイオメカニクス分野の研究でよく用いられています。
そこからさらに進化を遂げ、近年「マーカーレス」システムが導入され始めています。
このマーカーレスシステムの詳細に関しては過去のnoteに記述しているので、割愛させていただきます。

このように見てみると、ここ20年,30年のテクノロジーの発展がすごいですね!

そして、このマーカーレスの導入により、測定が簡便化されたことで、現在は研究だけでなくスポーツ現場のコーチングにおいてバイオメカニクスの活用が広まっています!
特に日本のプロ野球では複数のチームがここ数年でバイオメカニス班を立ち上げ、マーカーレスモーションキャプチャシステムによる動作解析を導入しています。

今回のUser Meetingでは、横浜DeNAベイスターズの田中氏からベイスターズでの活用事情を聞くことができました!
詳細はここに記述できませんが、、、💦

他にも某球団は、投球動作だけでなく打撃動作の測定にも活用しているとお聞きしました。

このように、野球ではマーカーレスモーションキャプチャなど、スポーツバイオメカニクス研究を活用した科学的な取り組みが増えていることを今回のUser Meetingで強く実感しました!

また、ケルン体育大学では、バイオメカニクス研究室が大学のクラブチームと連携することで動作解析によるサポート、コーチングを実施しているとのこと。
日本でも先日、京都大学硬式野球部が神崎研究室と連携して投手の動作解析を導入すると発表していました。

https://x.com/reo2430/status/1856547925758980269

また、大学といった研究機関だけでなく、企業でも株式会社エイジェックスポーツ科学総合センターも動作解析を行える施設を作成しています。

このように、野球の指導現場にも着々と科学的なアプローチが導入されてきていることを感じます。
しかし、このような取り組みを行っているところはまだまだ少ないと感じています。
特に、小学生、中学生、高校生といった伸び盛りの年代にはまだ浸透していないのではないかと思います。

このようなことを踏まえて、今回のUser Meetingで改めて、研究とスポーツ現場の密接な関わりが双方に大事であると感じました。
また、弊社の取り組みをさらに普及させることの重要性も感じました。

自分の投球動作を確認したい方や、科学的に自分の動作を見てみたい方は、プロだけでなく、アマチュア選手も多いと思います。
そんな方々のために弊社では動作解析プランをご用意しております!

興味のある方は、ぜひ以下からお申し込みください!
また、お問合せもお気軽にご連絡ください!


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