ChatGPT o1 pro modeって、実はこんな思考回路?
「ChatGPT o1 pro mode」──12/6(金)にOpenAIから発表され、月額3万円というコストでも話題になっているChatGPTの新モデルですが、その動き方にはどうも独特なクセがあるように感じます。
今回は1日ちょっとo1 proを使って感じたことをまとめてみました。
o1の内部ロジックの仮説
私なりの内部ロジックの仮説はこうです。
やるべきゴールを先にガッチリつかむ(狙いを定める)
目的達成のためにやることを細かいステップに割り振る(道筋を階段状に整理)
必要ない情報は容赦なく捨てる(余計な寄り道はしない)
一度にいくつも目標を追いかけるのは苦手(ゴールは基本ひとつに絞る)
…といった内面構造で動いているのではないか、ということです。
もちろん、これはあくまで私の観察による憶測です。でも、この仮説を意識すると、o1 Proを使うときのプロンプト設計や期待値の持ち方が、ぐっとはっきりしてくるんですよ。
3万円の“冒険投資”で新世界を垣間見る
さて、そのo1 proに3万円を注ぎ込んで試してみたところ、まだ形が定まっていないアイデアが、面白いほどスムーズに“具体案”へと動き出しました。
「AIで何かビジネスをやってみたいんだけど…」といった、ふわっとした相談をぶつけるだけで、o1 proは自然と到達点を見定め、やることリストを自動的に組み立て、余計な要素を排除してくれたんです。まるで、頭の中を勝手に整理して“次にすべきこと”が一直線で並べられていく感じ。
目標一本勝負!スムーズな道づくりが圧倒的に楽
他のAIなら、こちらが「まず市場を調べて」「次に競合を洗い出して」と順を追って何度も誘導しなければなりません。
でもo1 proは、一言、「これをしたい」と投げかければ、ゴールを理解し、必要な道筋を勝手に段取りしてくれます。これって、プロジェクトマネージャーが自分の頭の中に住みついているかのような感覚。
忙しい人や、そもそもAIに細かい指示を出すのが面倒な人にとって、これは大きなアドバンテージです。
余分な情報はバッサリカット、最短ルートをキープ
o1 proの面白い点は、プロンプト内にゴールと関係のない情報が混じっていても、あまり目もくれず「余計な情報を整理する力」があることです。実は僕の場合はプロンプトを書かずにほとんど音声入力でプロンプト入力しています。「こんな感じのアイデアを考えたいんだけど」「こういうことで悩んでるんだよね」といった、かなりラフな話しかけ方をすることも多いんです。
時には、思いついたことを矢継ぎ早に投げかけることも。「新規事業のアイデアを出して欲しいんだけど、あと市場分析もして、さらに収益モデルも考えて、それから事業計画の重要ポイントもリストアップして...」というように、次々と要望を追加していくこともあります。
従来のAIで似た結果を引き出そうとすると、手間をかけて「これは無視して」「ここは考えて」と何度も条件付けが必要でした。でもo1 proは、本質的でない情報は自動的に切り捨て、核心となる目標に向かって思考を整理してくれるので、初心者でも扱いやすくなっています。
一度にいろいろ詰め込みたいなら、ちょっと苦手かも
o1 proは一本の明確なゴールに全力で集中するタイプです。複数のまったく違う目標を一度に満たそうとする依頼は、ちょっと苦手な感じがします。
たとえば、最初の「新規事業のアイデアを出して」という指示に対しては素晴らしい提案をしてくれるのですが、その後に矢継ぎ早に投げかける「市場分析も」「収益モデルも」という追加の要望は、いったん脇に置いて、まずは最初のゴールに集中してくれる傾向があります。だから、使うときは「まずはメインのお題」をひとつ定めるのがコツです。そこに若干のお題の背景やら悩み事を話しかけてみてください。
モヤモヤを動かすパワー:曖昧な案がリアルな計画に変わる
たとえば、「まだ何を作るか決まっていないけど、新しいビジネスチャンスを探るにはどうしたらいいだろう?」と、ぼんやりした問いを投げかけてみてください。o1 proは、市場の可能性や取り組み方を整理し、今後のアクションプランを分かりやすく描き出してくれます。
新規事業候補が複数あって決めきれないときには、技術面や市場性、自社の強みを考慮して「ここが一番有望!」とおすすめの方向性を示してくれることも。要は、何となく考えているだけでは進まなかった企画が、スルスルと形になっていくんです。
o1 proは補助輪付きの自転車、最後は自分の足でこぐ
とはいえ、AIが出した答えをそのまま飲み込むのは要注意。
o1 proから提示されたプランはあくまで一つのルート案。最終的な判断はやっぱり自分で下しましょう。o1 proは“補助輪”をつけてくれる存在です。少し楽に走り出せるけれど、行き先を選ぶのはあなた自身なんです。
3万円は高い?それとも先行投資?
最後にお値段について。3万円を「ちょっと高いな」と感じるか、「これでスムーズなアイデア創出ができるならアリ」と見るかは、使い方次第。
経営者や時間のないビジネスパーソンは、このツールの“道づくり能力”を大いに評価するでしょう。すでに他のAIで満足している人には、必須ではないかもしれません。
ただ、こうした「明確なゴールに一直線で向かう」ツールは、今後AI業界で一般化する可能性も高い。
もし、未来を先取る感覚で新しいAIとの付き合い方を試してみたいなら、一度の投資として考えてみる価値はあるかもしれません。