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「旧作杯」Vol.6-OS Brawl 止まった世界で燃え上がる復讐の灯

 10月某日、私は大切な友、Ali を失った。

 不屈の精神で知られる《Ali from Cairo》は、平等を重んじ喜びも痛みも共に分かち合える素晴らしい人物だった。そんな彼と共に、私は限界集落(Old School Brawl)で牧歌的なマジックを楽しんでいた。

みんなも使おうクソカード

 しかし、平穏な日々は突如として終わりを告げる。魔王添削《Rasputin Dreamweaver》による侵攻が始まったのだ!

 大量のマナファクトによる統率者の高速キャスト。そして余りあるマナからの大型クリーチャーの大量展開。圧倒的な暴力の波に晒され、村は滅ぼされた。

 Ali の心は折られ、悪夢に捕らわれたまま帰ってくることは無かった……

プーチン許すまじ

 呆然とする私に魔王添削は自らの夢を語った。

「俺は最強だが勝ち誇るには、今のお前は弱すぎる。」(意訳)

これは友を失った漢が復讐に燃えた再誕を遂げる物語ーー
本記事は第6回旧作杯の参加レポートです


1. 真面目に作ろうクソデッキ

 愛用していた《Ali from Cairo》をボコボコにされたため、新しくデッキを作成することにした訳だが、遊び心は大切にしたい

 Aliでは普段使えないクソカード(置物)を盛り合わせたが、シェフの腕が悪いのか素材の味がきつすぎるのか、良いデッキに仕上げることができなかった。

 ただ、折角のOS Brawlだ。Old School でもOS EDH でも使わないようなカードを使いたい。そうして、インスピレーションを得るためにストレージを探していると唄が聞こえて来た。
すべての壁を越える唄、歪であったかい唄

今日から使わないMtg豆知識:これは壁ではない

「お前は《Singing Tree》!?高い割にEDHで活躍できなかったアラビアンナイトの再録禁止カード!」

 俺たちは高額カードを買うときに「遊べる株券だ」なんて言い訳をしている。だがしかし、そう言って買い、使っていないカードがいくつあるだろうか?魔王を討つ勇者は原価償却ができていない資産を抱えているのだ。

 カードの精霊に導かれ、新たなクソデッキのコンセプトが決まる。その名は "the WALL"

今日から使わないMtg豆知識:壁の天敵は巨大戦車

デッキリスト:the WALL

[統率者]
1:《ジラ・エリアン/Xira Arien》

[土地]
1:《Badlands》
1:《Bayou》
1:《Taiga》
1:《真鍮の都/City of Brass》
7:《森/Forest》
7:《山/Mountain》
7:《沼/Swamp》
1:《イス卿の迷路/Maze of Ith》

[クリーチャー]
1:《極楽鳥/Birds of Paradise》
1:《深き闇のエルフ/Elves of Deep Shadow》
1:《ゴミあさり/Scavenger Folk》
1:《Wall of Earth》
1:《Spinal Villain》
1:《熱の壁/Wall of Heat》
1:《氷の壁/Wall of Ice》
1:《Roc of Kher Ridges》
1:《ルフ鳥の卵/Rukh Egg》
1:《Singing Tree》
1:《踊る円月刀/Dancing Scimitar》
1:《シヴ山のドラゴン/Shivan Dragon》

[スペル]
1:《稲妻/Lightning Bolt》
1:《運命の回避/Avoid Fate》
1:《崩壊/Crumble》
1:《恐怖/Terror》
1:《粉砕/Shatter》
1:《地割れ/Fissure》
1:《稲妻の連鎖/Chain Lightning》
1:《爆破/Detonate》
1:《分解/Disintegrate》
1:《火の玉/Fireball》
1:《悪魔の教示者/Demonic Tutor》
1:《チャネル/Channel》
1:《新たな芽吹き/Regrowth》
1:《砂漠の竜巻/Desert Twister》
1:《麻痺/Paralyze》
1:《Gravity Sphere》
1:《弱者の石/Meekstone》
1:《太陽の指輪/Sol Ring》
1:《Chaos Orb》
1:《氷の干渉器/Icy Manipulator》
1:《Mirror Universe》


クリーチャー
スペル
土地

1.1 統率者選び

 そろそろ頭の心配をされてそうなので真面目なデッキ作成に移ろう。本気で勝ちを目指すため、統率者は妥協抜きで強い者を選びたい。

 まず、「優れた統率者とは何か?」を考えよう。この問に対する解はいくつかあるがこの環境であれば、
・マナコストが低い
・能動的にアドバンテージを稼ぐことができる
この二つの要素を備えた者が優れた統率者と言える。近代マジックで例えれば、トラシオスが挙げられる。彼の強さは数多の大会で証明されている。

失敗作:共闘

 なぜこれらの要素が重要視されるのかと言えば、Old School のカードプールでは、カード・アドバンテージを得ることが非常に難しいためである。

 また、マナコストの低さは、早期に盤面へ定着することで相手に圧力を掛けつつ、除去された場合であっても、容易に再召喚することで相手とのリソース差を広げることに寄与する。

「そんな近代的なクリーチャーが30年前のカードプールにいるわけがないだろう!いい加減にしろ!」

 そんな声が聞こえてきそうなものだが、いるのだ。トラシオスに匹敵する統率者が!

 紹介しよう、私が考える最強の統率者《ジラ・エリアン》を!

Xira Arien / ジラ・エリアン (黒)(赤)(緑)
伝説のクリーチャー — 昆虫(Insect) ウィザード(Wizard)
飛行
(黒)(赤)(緑),(T):プレイヤー1人を対象とする。
そのプレイヤーはカードを1枚引く。
1/2

 3マナ3色の低コストでカードを引く起動型能力を持った統率者だ。3マナのドローは悠長と思われるかもしれないが、《ジェイムデー秘本》が大真面目に採用される環境と言えば、その強さがわかるだろう。

こんな弱いカードが使われるってマジ?

 また、固有色が3つある点も見過ごせない。カードプールが狭い環境であるため、各色の強力なカードを採用できる点は多色化のメリットと言える。この実質トラシオスである《ジラ・エリアン》を軸に据えてデッキ作成を進めていこう。


1.2 デッキコンセプト

 《ジラ・エリアン》の力を最大限に活用するには、その能力で毎ターンドローを進めることが欠かせない。しかしながら、その動きにはいささか問題がある。

 それは"盤面に干渉しない"という点だ。いくらクリーチャーの質が低い環境といえど、ただドローしているだけではクリーチャーに殴られ放題で負けてしまう。これを解決するのが冒頭の壁クリーチャー達だ。

 例えば、《Wall of Earth》は2マナながらタフネスが6と非常に高く、これを突破できる地上クリーチャーは殆ど存在しない。これらの壁クリーチャーに守られながら、ドローを進め、圧倒的なアドバンテージの差で勝利に向かうのがこのデッキのコンセプトとなる。

コモンだが採録はされていない

 とは言うもののカードを引いているだけではゲームには勝てない。コントロールデッキにはフィニッシャーが必要だ。その役を務めるのが《Mirror Universe》となる。

Mirror Universe (6)
アーティファクト
(T),Mirror Universeを生け贄に捧げる:
対戦相手1人を対象とする。あなたのライフの総量と、そのプレイヤーのライフの総量を交換する。この能力は、あなたのアップキープの間にのみ起動できる。

 自分のアップキープの間のみ起動でき、相手とライフを入れ替えるニッチなカードだ。「これがなぜフィニッシャーになるのか?」Old School をやっていないプレイヤーはそんな疑問を抱くだろう。

 その答えは、マナバーンという太古のルールにある。未消費のマナ一点につき一点のライフを失うというルールを逆手に取り、相手ターンの終了時に自らライフを減らし、交換後の火力で削りきるという戦法が可能になる。実質一枚コンボと言ってもいいだろう。

 ただ、Brawlはハイランダー構築であり、一枚しか採用できないフィニッシャーには不安が残る。《悪魔の教示者》でサーチが可能であるが、もう一つ必殺技を用意しておきたい。

 そこで目を向けたのが《チャネル》だ。X火力と組み合わせた即死攻撃は勿論のこと、高速で《Mirror Universe》を唱え、ライフ調整までできる優れもの。理想の相方と言えるだろう。壁の裏に隠れ、これらのコンボパーツを揃えて勝つ。それがこのデッキの勝ち筋だ。

殿下の宝刀


1.3 Old School の土地基盤はゴミカス

 MTGにおいて"土地基盤"は最も重要な要素となる。特に今回の統率者は3色となるため、土地の構成は慎重に進めたい。まずはこのOS Brawl で使用可能な多色土地を見ていこう。

 デュアルランドと《真鍮の都》、以上!

黎明期故に強力なカードしかない

 残念ながら多色土地はこれしかないのが事実である。残りの基本土地については、3ターン目に統率者を唱えるために各色均等に採用し、7枚x3種の21枚とした。MOX?そんなものはない、基本土地こそが正義。

 多色化のメリットは既に述べているが、デメリットとして色事故を意識する必要がある。例えば、黒の強力なクリーチャーとして《凄腕の暗殺者》がいる。これはタップされているクリーチャーを破壊する起動型能力を持っており、単独で盤面を止めることができる強力な一枚だ。

「いつの世にも力と支配を求めてやまない者と、それに必死に抗う者たちがいる。」

 しかしながら、このデッキでは採用を見送っている。それはこれがダブルシンボルであるからに他ならない。このクソ雑魚マナ基盤でダブルシンボルを揃えることは難しく、また、統率者の起動型能力が3色であり、起動後に呪文を唱えたいケースを考えればダブルシンボルの採用が如何に難しいことが分かるだろう。今回のデッキにおいては、ダブルシンボルはチャネルを除き5マナ以降のカードに絞って採用している。

 土地とマナシンボルの関係性はマジックの基本であるが、最強の土地であるデュアルランドを使える環境でこれを意識する必要があるところに、このフォーマットの面白さがあると私は感じている。プレイを考えながらデッキを作ることもまた、MTGの醍醐味だろう


1.4 統率者を意識したデッキ作り

 さて、デッキ作りにおいてもう一点論じたいことがある。それは採用カードのマナコスト分布だ。まずはこのデッキのマナコスト分布をグラフにしたので見てほしい。

 低マナ域が厚いことがわかるだろう。特に1マナのカードを多く採用している。これは、ドローだけして何も呪文を唱えないターンを作らないことを意識して調整した結果だ。《ジラ・エリアン》の能力は可能な限り毎ターン使うべきであり、その隙を埋めるデッキ構築としている。

 要はカード・アドバンテージだけでなく、テンポ・アドバンテージも意識した構築にすることが肝要である。


2. 採用カード紹介

2.1 クリーチャー除去

 火力含めクリーチャー除去はこちらの5枚。この中では5マナの《地割れ》が目立つが、数少ない確定除去(しかもインスタント)であり、欠かすことのできない一枚。

2.2 アーティファクト除去

 ファクト除去は4枚採用している。多すぎる印象を受けると思うが、この世界にはとんでもない置物が多く、アーティファクトに触れることができないデッキはデッキではないと言っても過言ではない。このデッキのキーである《Mirror Universe》のように単体でゲームを終わらせる連中を処理するためにも、ファクト除去は沢山積む必要がある。

最低限Moxを割れるので腐ることは無い

2.3 パーマネント除去

 万能除去はこの2枚。《砂漠の竜巻》は6マナと重いが、土地を含めあらゆるカードを除去できる優れもの。《Chaos Orb》を外す人はいないので、これもまた確定除去と言えるだろう。

黎明期特有のカード達

2.4 置物

 壁だけで生き残れるほど世の中は甘くない。そこで採用しているのがこちらの4枚。《イス卿の迷路》と《氷の干渉器》はクリーチャーの攻撃を止め、《弱者の石》はアタッカーを永続的に寝かせる。そして《Gravity Sphere》は全てのクリーチャーから"飛行"を失わせ無力化することができる。

 特に《弱者の石》と《Gravity Sphere》は戦場全体に影響を及ぼし、それだけでゲーム性を一変させる強力な置物だ。実際にこれらのカードで勝利したゲームも少なくない。

3. 対戦結果

 第6回旧作杯は参加人数が7名だったため、総当たりで遊ぶことになった。パワー9は無いが真剣に調整したデッキ、その結果を見ていこう。

3.1 Uncle Istvan

壁おじ

 記念すべき初戦は《イシュトヴァーンおじ》。クリーチャーからの戦闘ダメージを0にするお爺ちゃんなので実質"壁"。だが悲しいかな、私のデッキには地上で殴る生物はいないためその能力が発揮されることはなかった

R1:早速ジラで引きこもりドロー生活を始めようとしたら《古き者どもの闘技場》を置かれてこちらの動きを止められる。確かに"おじ"は殴らないので相性抜群のカードだ。これはもう笑うしかない。

レジェンドのセットで伝説対策を刷るな!

 そうこうしていると最強飛行生物の《夢魔》がやってきて瀕死に追い込まれるが、トップデッキした《Mirror Universe》で解決。
真のデュエリストは右腕で勝つ。

黒単最強生物

R2:《地獄界の夢》を張られてジワジワ嬲られて負け。コントロール対策の置物がヤバすぎる。

R3:4回除去されるも、11マナで唱えた《ジラ・エリアン》が定着し、リソース差を広げる。アーティファクト対策として、《Gate to Phyrexia》が張られるが、生贄を用意するリソースは枯れており、こちらの《Mirror Universe》が間に合い勝利!

黒にもアーティファクトを破壊できるカードはある

3.2 Sol'kanar the Swamp King

沼ちゃぷちゃぷ

 《沼地の王ソルカナー》は5/5の高スタッツに加えて沼渡りを持つ統率者。この"渡り能力"が侮れず、今回は7人中6人が黒いデッキを使っており、黒いデッキ使いは漏れなくソルカナーに撲殺される結果となった。拳こそが正義。

R1:ロータスから速攻でソルカナーが出て、沼渡りで撲殺されて負け。
R2:モックスモックス《巨大戦車》、ソルカナーからの《Time Walk》という犯罪ムーブに負け。

今日から使わないMtg豆知識:巨大戦車は壁にはブロックされない

 相手のブン回りもあるが、今回の敗因は防御不可能な統率者を意識したマリガンが出来ていなかった点。次は負けない。

3.3 Dakkon Blackblade

イラストアドは間違いなく最強

 気持ちを切り替えて三戦目。《黒き剣のダッコン》は土地の枚数分P/Tが上がる統率者であり、固有色も優秀な戦士だ。

R1:要約すると
私「《Spinal Villain》唱えます。」
相手「それなんすか?」
私「タップで青のクリーチャーを破壊します。」
相手「負けました」

邪悪そのもの

R2:《弱者の石》で機能不全にして勝ち。終始相手の戦略を全否定した。悪いがこれも戦いなんで。

「この時代のアーティファクトは"Continuous"と"Mono"と"Poly"に分類されていて、"Continuous"はアンタップ状態でしか能力がONにならないが(ry 」

3.4 Rasputin Dreamweaver

 宿 敵 現 る 。このオッサンは7つのカウンターと共に戦場に出て、大体は無色マナを生み出して悪さをしてくる。この暴力の化身との復讐劇の行方は如何に。

R1:マナファクトで加速して出てきた《時の精霊》に完封されて負け。嘘やろ。

イラストの意味不明さがいいよね

R2:後がない2戦目、《玄武岩のモノリス》から出てきた統率者を処理し、お供の飛行クリーチャー達を《悪魔の教示者》からサーチした《弱者の石》で止める。一方、相手もこちらの統率者を《支配魔法》で奪い、そこからは泥沼の展開へ。互いに《氷の干渉器》を出しタップし続ける不毛で決め手の無い状況が続く

攻防に優れるがお互いに出すと泥沼に

 10ターン以上続いた後、遂にアーティファクト除去を引く。そして《Tawnos's Coffin》に捕らわれた《Spinal Villain》を開放し、相手のクリーチャーを端から順に処理に掛かる。しかし、それに呼応するように《弱者の石》が破壊され、並べられた大型飛行クリーチャーによる一斉攻撃が始まってしまう。

 敗北を覚悟する流れだったが、《Singing Tree》が飛行クリーチャーを食い止め、その合間に《Spinal Villain》が処理し事なきを得る。そして《Mirror Universe》を引き込み勝利へ!

2万円の勝ちはありまぁす!

R3:R2が激戦だったこともあり、残り時間は10分。他の卓も終わりギャラリーとして観戦している。思わず引き分けを提案したくなったが、勝つために戦っているのだ!勝利を目指し3戦目に突入した。添 削 さ ん は 強 い 人 な の で 引 き 分 け な ん て 提 案 し な い。

 先ほどの流れから打って変わって、今度はこちらが攻めたてる。《太陽の指輪》から出した《Roc of Kher Ridges》でライフを削り、《Spinal Villain》で後続を止めにかかる。

「テキスト読みます。"行く手には谷が待ち受けていた。崖の上に途方も無い大岩が積み重なり、薄気味悪く岩が並んでいる。突然、その石の塊が崩れたかと思うと、巨大な翼が飛び出し、真っ黒な影を落とした。我々は恐怖に駆られて走り出した。"」

 ロック鳥の攻勢に、添削さんはたまらず《Vesuvan Doppelganger》をロック鳥のコピーとして唱えブロッカーを用意する。

私「あれ?それって"色"はコピーしなかったですよね?」
添削さん「え?」
ギャラリー「"色"はそのままです。」

長くてもテキストは読め!

 ブロッカーを《Spinal Villain》によって除き、残るライフを《火の玉》で〆て勝ち。こうして魔王は討たれたのだ。

3.5 Uncle Istvan

 まさかの"おじ"再び。黒のカードは強力なカードが多いが、何よりイラストがカッコイイものばかりだ。愛好家が多いのも頷ける。

R1:挨拶代わりに《暗黒の儀式》から《沼の悪霊》を出されるが、トップデッキの《弱者の石》で解決。しかし有効牌が続かず、追加の《黒騎士》に10点もライフを削られる。なんだこの《恐怖》とかいう何もしないゴミカード。

仲間想いなので黒は対象外

 そこから何とか壁を始めとした置物を揃え、着々と陣地を形成し、鉄壁の守りを築く。悠々と引きこもっていると、今度は《悪魔の教示者》から《生命吸収》をX=10で打たれ、飛び道具での暗殺を謀られる。

2マナに見えるX呪文

 が、偶々持っていた《崩壊》で自身のアーティファクトを破壊し、ライフ回復することで難を逃れる。運に助けられた後、《Mirror Universe》を引いてGG。

R2:R1と同じく壁や《Gravity Sphere》で相手の動きをシャットアウトし引きこもると、パリピ集団《Demonic Hordes》が外出を促してくる。

6マナで5/5でやることが土地破壊

 ラフメイカーはお呼びではないので《Chaos Orb》を投げつけてお帰り頂き、そのまま引きこもりを完遂して勝利。

3.6 Xira Arien

 最終戦はまさかのミラーマッチ!真の最強を決める戦いが始める!

R1:互いに統率者を出しては除去してを繰り返し、最後に相手が出した《シヴ山のドラゴン》が火を噴いて負け
R2:互いに統率者を出しては除去してを繰り返し、最後に私が出した《シヴ山のドラゴン》が火を噴いて勝ち

当時やっていたらMoxと交換していた

R3:シブドラの強さを讃え合い三戦目へ。今度は相手が先行の有利を活かし、《森の知恵》を置きゲームを優位に進める。統率者の除去合戦に負け、相手の《ジラ・エリアン》がカードを引き始め負けを覚悟するが、手札でチャネル・ファイアーボールが揃い、《森の知恵》で減った相手のライフを消し飛ばし勝ち!持っててよかった必殺技。

4. 総評

 結果としては5-1が私とソルカナーの2名になり、オポ差で2位になることができた。真面目に作ったデッキで勝ち越せたのだから、その達成感は言うまでもない。対戦中は各々のカードの強さに感動しただけでなく、細かな攻防戦や読み合いもあり、プレイのゲーム性も楽しむことができた。

 最もよかったと思う点は、デッキ作成を楽しむことができたところだ。私はカードゲームの醍醐味はデッキ作成にあると思っている。

作成した歴代クソデッキの皆さん

 無数のカードから自分なりの組み合わせを模索し、他者が辿り着いた正解と競い合い、調整を重ねる。最後にものを言うのは、プレイングとひとつまみの運になるが、それまでの過程と試行錯誤の時間はかけがえのないものだ。

 そしてこれが Old School Brawl という、カードプールの止まった世界で起きているところが何より面白い。今回の対戦では、統率者被りが2組も発生したが、デッキの構成は土地の枚数から違っていた。

 ここは Old School Brawl、口さがない者は過去に捕らわれた者達と嗤うだろう。しかし、そこの住人達は確かな灯を持って戦っているプレインズウォーカーだ。

 ここは《古き者どもの闘技場》、共に高め合う友の到来を待っている。

 タップされるだろうって?そいつは殿堂入りしたと解釈しよう。


あとがき

 カードの精霊の唄が云々の流れで心配をかけたと思うが、実を言うと皆に黙っていたことがあった。それは私には世界を守る使命があるということだ。おっと、救急車は待ってくれ。私は正常だ。

 つい先日の話になる。会社へ出張報告書を提出した後、それを推敲するアドバイスを先輩からもらった記憶があった。しかしそれが現実の話か夢の話か分からなくなり、先輩に確認したところ何の話か困惑させてしまった。

 唐突にこんな話をされて読者の皆を困惑していることだろう。だが私は気が付いたのだ、これこそが"カードの精霊"の正体であると!自分の中の不安や疑問を他者との対話として記憶の整理を行っていたということだ。歴代のカードゲームの主人公達はこの力を有しており、"カードの精霊"を通じて自身との対話を行い、世界を救っていたのだ!

 私もまた主人公と同じ力を有している。これが意味することは、地球次元に危機が迫っており、私はそれに立ち向かう使命があるということだ!

 もたもたしている暇はない!ラスボスのライフは20点ではきかないだろう。世界を救うためにも、1億点くらいは余裕で削れるようなクソデッキの研究を進めなければ!


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