今DDRのKAC予選で何が起きているのか ~ここ10年で最強~
初めてだらけの10thKAC
コロナウイルス蔓延の影響を受けてか、例年と大きく形を変えての開催となったThe 10th KONAMI Arcade Championship。今年の予選は、例年と比較してかなりルール等に変更が加えられていました。特にDDRは他機種以上に予選ルールへの変更が大きく、また今年の予選は観戦・参加ともに非常に意義があると思い、1ユーザーとしてKACを盛り上げられないか、と予選の解説動画を作成しました。【AD】
詳細なルール差分は動画の方をご覧頂ければと思いますが、かいつまむとこんな感じです。
・予選通過者は東西各16名(計32名)から全国8名に減少
・予選課題曲が15曲(DDR史上最多曲数)
このルールが、動画作成時の予想を遥かに超える、今のKAC予選の"史上稀に見る激戦"を生んでいます。
止まらない更新、止まらないボーダーライン
先程紹介した動画では、「例年と比較してランキングの更新量が非常に多くなる可能性が高い」と解説しました。
そう予想した結果がこちらになります。本記事執筆時点(予選開始からおよそ16日経過)で、これだけのメンバーが日々更新をしています。この表は現在のTOP16がスコアを更新した日付を赤く表していますが、この色の付き方からもこの予選がどれほど過酷になっているかわかるかと思います。体力面でのコントロールが必要なDDRにおいてこれだけ更新が続いているのははっきり言って異常事態です。
ルールの違いや課題曲発表のタイミング差の影響はありますが、他機種のランキングでは上位の方でも最終更新が2020年中の方がちらほら見受けられることからも、DDRがどれだけスコア更新が頻繁に発生しているか分かるかと思います。
また、年末年始を除けばほぼ毎日通過ボーダーが上昇し続けています。こちらのグラフは理論値の31878点を上限に、およそ1%刻みで線を引いたものになります。本記事執筆時点の8位ボーダーは31413点(ロス465)、スコア率で言うと98.54%となります。
ちなみに、動画では31263(ロス615)と予想していましたが、1/3頃には突破していました。何故これほどまでに自分の予想よりも遥か上の戦いになっているのか。一つ、自分が怪我等もあり第一線から長い期間離れたために自分の予想勘が鈍っているのも否定はできないのですが、それ以上にこれだけ上振れしている理由があります。
"俺はまだ本気を出していない"人が本気を出さざるをえないルール
その答えの1つに過去のKAC通過人数が関係していると思っています。過去数回のKACの通過人数は以下のとおりです。
4thKAC:世界4名(実績:日本2名)
5thKAC:世界4名(実績:日本2名)
6thKAC:全国2名
7thKAC:東西各7名(計14名)
8thKAC:東西各8名(計16名)
9thKAC:東西各16名(計32名)
このように、今回のボーダーとなる国内8位前後のメンバーは、6thKACまでは通過できる見込みが薄く、逆に7thKAC以降はあまり必死にならなくても通過可能な予選であった、と言えるかと思います。ちなみに、7thKAC以降の最終決勝進出者は2~3名のため、やはり「エリア決勝までは進出できるが最終決勝は望み薄」という形になっています。
こういった予選の通過人数の設定が、ここ数年の公式大会で必死になることがあまりなかったメンバーに火を付け、今回の超激戦を生み出した、と考えています。
勿論全員が全員このケースに当てはまるわけではありません。ですが、いつも以上に激戦となっている理由の一つには間違いないと思います。
(記事執筆段階のTOP16の過去オンライン予選順位、抜け漏れはご連絡ください)
過去の実績を見たときも、特に去年の結果を見ると東西各TOP16に入っているメンバーが奮闘している感じがあります。このことからも、先程の推測が概ね間違っていなさそうな感じがしています。
自分個人としては"御見逸れしました"という一言に尽きます。みんな凄いわ。
この予選はどこまで行くのか
予選期間はまだ折返しにすら来ていません(開始から2週間、残り4週間)。しかも、先日の緊急事態宣言に伴い予選期間の延長が発表されています。
どの程度の期間延長されるかはまだわかりませんが、この激しい鍔迫り合いがまだまだ続くことに変わりはありません。
また、現在のランキングには前回西エリア代表のHIBIKIさんの名前がありません。これは課題曲を全曲埋め切ってないためと思われますが、既に配信等でアップされているスコアは現在の予選TOPスコアに匹敵もしくはそれ以上のスコアが出ており、この後上位に食い込んでくることは間違いありません。
※BLSTR・腐れ外道は現在の単曲TOPスコア、またSplash Gold・IXは単曲2位
このことを考慮すると、現状の予選ボーダーは順位1つ分上と見なしたほうが良いです。そうした場合、現在の予選ボーダーは31432点。
既にKAC史上最強の予選と言ってもいいんじゃないかくらいの白熱ぶりですが、更にここから加速していくことは間違いないでしょう。
予選の結果がどうなるか、まだまだ目が離せないです。
ぜひ皆様、この予選がどうなっていくのか注目してください。