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書評 道尾秀介「シャドウ」

※一部ネタバレを含みます

今回は道尾秀介さんの名作ミステリー小説「シャドウ」を取り上げます。

ストーリーは同期の精神科医の二つの家族をメインに進みます。
序盤から伏線が膨大に張り巡らされています。
意味深な箇所が後半一気に伏線回収される仕組みです。
物語のどんでん返しポイントが複数あるので、最後まで気を抜けません。

この作品のポイントはタイトルでもある「シャドウ」という言葉の多義的な解釈にあると思います。

自分が隠したい影と、自分があえてさらけ出す影の対比であったり、どの人にも付いている闇の影だったりを表していると感じました。

人は善人を演じることか、狂人を演じることのどちらが難しいのかを考えさせられました。

伏線ミステリー好きにはとても満足いく作品だと思います。
ただ重い話なので苦手な方は注意を。

ではよいミステリーライフを。

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