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2025年のベストアクターは松たか子なのかもしれない

 まだ二月なのに何言ってんだという感じだが、先日『ファーストキス 1ST KISS』を観た。初日初回に見たぐらい楽しみにしていたので率直に言って贔屓目が入っているが、なんというか凄い映画だった。ヤバかった。意外と渋い映画でもあったが、毎度の松たか子のコミカルな演技がそれを救ってくれた。さすが松たか子。松たか子をこれほど堪能できる映画もそうはなく、松村北斗も(自分の中では)『夜明けのすべて』に引き続き素晴らしい演技であった。今のところ、これが今年一の映画と言っても良いのかもしれない(まだ観たの5本目だけど)

 以下、映画のネタバレはない。どころか映画の感想もない。

 以前の記事にも書いたが、どうやら私は松たか子が好きらしい。いや、芸能人とはいえ全く関係ない異性のことを好きと書くのは文章でもややためらわれるが、人生で一番好きなドラマの一つが『カルテット』、近年一番感銘を受けた映画の一つが『ラストレター』(前にレビューを書いた)という事からして、自分は松たか子が好きに違いない。それを認識した。

 あまり役者で映画を見ないので今まで意識してこなかったが、そもそも『四月物語』が大好きで劇場で2回見ているから、そもそもがファンだったのは間違いない。いや、『四月物語』は監督の岩井俊二の方が大ファンだったので、おそらく当時、松たか子は岩井俊二とセットで認識していたが、意外にも松たか子はその後、岩井俊二作品にあまり出ていない。

 そこで登場したのが坂元裕二である。『ファーストキス』の脚本家にして、『カルテット』の脚本家にして、『大豆田とわ子と三人の元夫』の脚本家。これらすべてが松たか子主演。そして、そのすべてが素晴らしい。

 話は無限に脱線していくが、『ファーストキス』の上映前に予告を見ていると、なんとその坂元裕二脚本で今度は杉咲花が出演する映画が四月にやるそうではないか! 杉咲花といえば、松たか子に引き続き私が大ファンになった俳優である。しかも、ラストレターでお馴染みの広瀬すずも出る! これは楽しみ! 絶対に観る! そして、矢継ぎ早の坂元裕二脚本作品の公開! 凄い!

 しかし、考えてみれば、今回の塚原あゆ子監督だって矢継ぎ早なのだ。映画としては『グランメゾン・パリ』、ドラマでは『海に眠るダイヤモンド』、そして昨年これまた傑作だった『ラストマイル』。早い! 凄い! そして、そのどれもが面白い! うーん、有能なんだな。

 しかし、実のところ、私は塚原あゆ子監督の存在をあまり意識してこなかった。よくコンビを組む脚本家の野木亜紀子の存在は強く意識していたが、普段は監督で映画を見るタイプなのに塚原監督を意識してこなかったのは何故なのだろう? というのは、なんとなくドラマだと予算が安くて演出がチープで脚本家が目立つからというのもあるが、やはりドラマ畑の映画監督も数多の巨匠と比べてしまうと、どうしても評価が厳しくなってしまう場合が多い。映画は巨匠が多いからな。傑作も多いし。ハリウッドだってある。
 しかし、それを覆したのが自分の中では『グランメゾン・パリ』だった。そして、今回もまた塚原あゆ子監督が素晴らしい映画を撮って、その力の確かさを思い知らされたのであった。これからは意識していきたい。

 話を松たか子に戻すと、矢継ぎ早といえば、野木亜紀子脚本作品も矢継ぎ早なのであって、最近ではお正月に『スロウトレイン』という作品が放映されていた。これも松たか子主演で素晴らしい作品であったが、冒頭で『ファーストキス』に対して、これほど松たか子を堪能できる映画もないと書いたが、冷静に考えると、この作品もまた十分に松たか子を堪能できたのではないか。というより、冷静に考えると松たか子は自分の中ではオールタイムベストアクターなのだから、普通にやれば、2025年の(私的)ベストアクターが松たか子になるのは自明なのではないか。適当に書き始めたしまったせいで、今更ながら、そんな事に気づいた。

 まあ、何にせよ。最近の日本映画、素晴らしい作品が続いているので、これからも楽しみにしていきたい。そして、今回の『ファーストキス』の感想。まとまるようなら次週にでもちゃんとアップしたいと思う。

(カバー画像はなんとなくファーストキスをイメージしたイラストです。ハトなのは単なる自分のキャラクターだからです)

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