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火災報知器電池切れ問題

 ピッ、ピッ、ピッ という音とともに何処かから何かの機械音声が流れている。何これ? 夜中に叩き起こされた。夜中だぞ! 固定電話か? 留守電の故障か? どこで鳴っているのか? 何なのか? 

 と思って電話を見ても鳴っていない。おかしいなぁ。何だろう。ピッ、ピッ、ピッ 

 という、こんなシチュエーションに行き当たったら、一度、火災報知器を見てほしい。天井に設置してあると目に入りにくいので要注意。見上げれば、そこに赤い電気が点滅した火災報知器がないだろうか? うちが正にそれだった。

 この警報音、電池切れで鳴ったらしい。そうなのか。初めての体験。火事でも何でもないのに叩き起こされて何だよーと憤ったけど、よくよく考えると起こされない警報音じゃ意味がないのかも。しかし、原因は電池切れだ。他に電池切れを知らせる方法ないのかよ!と思ったけど、考えても、まあ、無いか。

 うちのはパナソニックだったけど、ボタンを押すかひもを引いたら止まるらしい。なるほどな。押したら止まったので一安心。しかし、また鳴るのでは?とちょっと気になって説明書を読むとやはり一度押してもまた鳴る仕組みらしい。パナソニックの場合、単独型だと16時間、ワイヤレス型だと0~24時間以内に再度鳴ると書いてある。う〜ん。うちのは子機があるからワイヤレス型。随分、時間に幅がある。これ、また鳴るのかなぁ。と思っていると、子機が時間差で鳴り出した。夜中でご近所迷惑になっていたら申し訳ないと焦る。あっちを止め、こっちを止め、更に焦る夜中の一幕であった。

 と、こんな行為も後から考えると予備訓練みたいなものか。火災報知器の義務化っていつからだっけ?と思って調べてみたら、既存住宅は2011年らしい。じゃあ、そこから、大体、13年。幸いにも一度もお世話になってなくて、一度も意識してこなかったけど、こういう事によって火災報知器の存在を再認識できるのは良いのかもしれないな。

 翌日。とりあえず電池切れは分かったので、電池を買い替えに電気屋へ。しかし、売ってない。ん? お店の人に聞いてみたら「電池はないですよ。本体を購入してください」との事だった。
 これ、正確に言うと、電池がないというのはその店にはないという事らしい。ある所にはある。少なくとも、通販にはあった。しかし、このケースでは電池だけあってもそもそも意味がないっぽい。どういう事か。

 火災報知器の電池の寿命は十年ぐらいだが、本体の劣化が始まるのも十年ぐらいらしい。つまり、電池切れと本体の劣化の周期が基本的には合っているんだな。なるほど、賢い。というわけで、その電気屋は電池だけを置かずに本体購入を促しているのだろう。

 説明書をよく読むとメーカーは電池を変えずに本体を変えることを推奨している。つまり、電池だけを買ってしまうと、むしろロスになる。しかも、汎用性のない電池っぽいので、他に使い道もなさそうだから買っても本当に意味はない。むしろ電池が置いてなくてよかった。こういう時、近くに実店舗のあるありがたさ。疎い事はちゃんと店員に聞くに限る。

 と言っても、ワイヤレス式の火災報知器は思いのほか高いので電池を買いに行って本体を買うのはなかなかの出費である。大体、一機一万円ぐらい。ぐぬぬ、高いな。まあ、でも、命に関わる装置だから仕方ない。丁度、暮れだし。今年のことは今年のうちにと買って交換してスッキリした。あとは普通に行けば十年持つので、次の十年は電池切れの前の交換を心がけたい。

 というわけで、少しフィクションを交えつつの火災報知器騒動の一幕だけど、ここで一番言いたいことは、要するに、既存住宅の火災報知器の義務化が2011年。そして、電池の寿命がおよそ十年らしい。つまり、あの日初めて火災報知機をつけた既存住宅はすべからく「そろそろ鳴るかもしれない」という事だ。

 あれから電池も機体も交換していない人、まだ鳴っていない人、気になる方は購入日を確かめて、早めの交換を心がけてみてはいかがだろうか。ちょうど暮れで大掃除ついでに丁度いい話題かと思って、こんな話を書いてみた。

 参考までに(パナソニックの説明)


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