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日本の鳥の配色で織る
(トップの画像は広島県緑化センターHPよりお借りしたホトトギス)
今、丸い椅子敷きを日本の鳥の配色で作る試みをしている。
織り手の中に鳥大好き人間がいて、「色だけで、あぁあの鳥か」とわかるような作品を作ってみたいと発案があったのだ。
そこから、使いやすい無地に少しだけ鳥の色を入れる→3色の配色にして無地の中にラインを入れよう→誰でもわかる鳥がいいとなった。
ラインナップはツバメ、スズメ、ウソドリ、タンチョウ、ホトトギス、ルリビタキ、キジ、アオバト、メジロ、ヤマガラetc
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驚くほど美しい配色の鳥たちがいるものだ。なぜ鳥たちがこんなに美しい色をしているかは知らないが、すべて自然界にある色で草木染との相性が凄くいい。
織り手の好みで藍染めを使いたいので、青い鳥を探してみた。ルリカケスという鳥が見つかった。この鳥は鹿児島の県鳥だが、離島にしか生息していないらしい。一度は絶滅危惧種に指定されたが、現在は少しずつ増えてきているそうだ。この美しい鳥がいっぱい群れているところを見てみたいと思う。
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製作中の写真。地の色は藍染めに少し蘇芳を足して重ね染めしたもの。
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こちらは完成したホトトギス。これは私が織った。糸も染めた。地色は藍染め薄浅葱。ホトトギスなんて見たことも聴いたこともないので、これでホトトギスが連想できるかどうかわからない。でも考え始めてからできあがるまで、とても楽しい時間だった。
鳥シリーズはそれぞれの織り手が受注品などの定番の合間に自分の好きな鳥を織ることになっている。秋ごろには展示会できる枚数が溜まるかな。
そんなことを考えながら行きつけの歯医者さんに行ったら、キビタキの写真が壁に飾ってあった。黄色と薄緑のとても美しい鳥。たぶん以前からあったのに気付かなかったのだ。先生は山歩きが趣味で、自分で撮った写真が院内あちこちに飾ってあるが、私の方に鳥アンテナがなかった。キビタキはめったに居なくて撮るのは大変なんだぞ、という先生の話をしばらく診療椅子に寝ころびながら聞いていた。